怪・その5

「ゆらゆらと揺れるスィング」

おとといの、暑い日の午後3時。

生後二ヶ月の娘の授乳の後、
すごい睡魔に襲われ、
娘を電動スィングに寝かせて
私はソファに横になりました。

その電動スィングは、
スイッチを押せば、15分間、
自動でゆらゆら揺れるベッドで、
とても重宝しています。

15分が過ぎれば静かに動きを止めるので、
娘が泣き出せば私も目を覚ますだろう、と、
ちょっとだけ、と私も眠りました。

はっ、として目を覚ますと
時計は午後4時。
丸一時間経っていました。

娘は、と目をやると

ゆらゆら揺れるスィングの中で
すやすやと眠っていました。

良かった、と思ったと同時に

なんでまだ、スィング揺れてるの?

と思いました。

時計は確実に、一時間経っています。
スィングは、自動でスイッチは切れても、
自動でスイッチが押されることは、あり得ません。

家の中に、家族は私と二ヶ月の娘だけ。

旦那に「家に入った?」と電話してみましたが、
「仕事中だから」帰ってない、とのこと。

だれが、娘のスィングのスイッチを押したんでしょうか。

すやすやと眠る娘の顔を眺めていたら、
すぅっ、と静かにスィングは動きを止めました。

暑い日でしたが、いつまでも鳥肌が収まりませんでした。

(北海道 コタロヲ)

2012-08-07-TUE