怪・その19
「冷たい指」


僕は小学校四年生でした。
当時は妹と同じ部屋で寝ていました。

朝方のことです。
僕は妹に背中を向けて寝ていました。

突然、妹が

僕の耳に指を突っ込んできました。

「んだよもうっ!」

びっくりしたのと起こされたのとで、
僕は怒りながら振り返り、
妹をにらみました。

妹は、
気持ち良さそうに眠っています。

起こして聞くまでもありません。
僕の耳に指を突っ込んだのは、
妹ではありませんでした。

怖くて怖くて、
僕は布団を頭からかぶりました。

冷や汗をかきながらも、
なぜか僕の頭の調子は良く、

気付かなくてもいいことにまで
気付いていました。

なんで僕は

耳に突っ込まれたものが

「指」だってわかったんだろう?

なんで

あの指は

あんなに冷たかったんだろう?

(t)
この話、こわかった! ほかのひとにも読ませたい。
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2011-08-15-MON