怪・その14
「次は、あなたの番」


いま小学4年生の甥っ子が、
まだ2歳位の頃の話です。

夕御飯後、私と母で
まったりしていた時のことです。

甥っ子がいつものように、
おやつが入っている
私のカバンを漁り始めました。
私は、おやつを取られまいと
気をそらそうと必死でした。

そんな時、甥っ子はカバンに入っていた
ヘアブラシに目をつけ、
自分の髪を梳かす仕草をしはじめました。
私は甥っ子の気がそれた、シメシメ‥‥と、
その仕草に相槌を打っていました。

次に甥っ子は私の髪も梳かしてくれ、
更に、私の母の髪も梳かしてくれました。

そして

空中を見つめ、

次はあなたの番‥‥というように、

無邪気に、
空中の何ものかを梳かしていました。

私と母は、
甥っ子の動作に凍りつきました。

そして甥っ子は、ヘアブラシを持ち、
梳かす仕草のまま
襖の裏側まで、
私たちの目に見えない何かを
追いかけて行きました。

(ぶたごりら)
この話、こわかった! ほかのひとにも読ませたい。
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2011-08-10-WED