石田ゆり子さんの「好きなもの」。
「はなちゃんの夏休み」が好評の石田ゆり子さんは、 以前から「ほぼ日」を読んでくださっていて、 おまけに「ほぼ日手帳」のユーザー (アンリさんのカバーもお持ちです)であり、 タカモリ・トモコさんの「あみぐるみ」のオーナーでもある、 なにかと「ほぼ日」に縁のある女優さんです。  勝手に親しみを感じたわたしたち、 実は「Love+LOVET」〈CLASSIC〉シリーズのモニターを、 ゆり子さんにお願いしていたのでした。  実際に着てみたラブラブTの感想はもとより、 ゆり子さんが好きな、いろいろなものについて、 たくさん語っていただきました。 聞けば聞くほど、なんだか「ほぼ日」と気が合うみたい?

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ほぼ日の石田ゆり子さんの連載 Love+LOVE Tシャツ
 はなちゃんの夏休み Love+love

第5回 ゆり子さんも、 やってみたらどうですか?
糸井 こういうことを言うのも変ですけどね。
ずいぶん前から「ほぼ日」のものを、
1人のお客さんとして
買ってくださっていますよね。
それがわかったとき、ほんとにうれしかったんです。
 
アンリ・シリーズの手帳カバー
 


お気に入りのタカモリ・トモコ先生のあみぐるみ

石田 そうですか。
糸井 ぼくら、地味な日々を送ってますから。
石田 いえいえ(笑)
糸井 そんなところからも声があがったっていうのは、
とても励みになったんです。
いつごろ、お知りになったんですかね?
 
石田 3、4年前でしょうか。
糸井 そうですか。
石田 天海さんの「おいら。」を見たりしてて、
糸井 へえ、天海さんは、お知り合い?
石田 はい、わたし、大好きなんです。
「兄貴」って呼んでますから。
ずいぶん失礼ですけど(笑)
糸井 そうですか。
じゃあ、石田ゆり子さんから見て、
「わたしがお姉さんの役」として、
思いつく人って誰ですか?
石田 うーん‥‥。
わりといつも一匹狼的な存在っていうか、
あんまり人と縦の関係になったことがないので、
そういう人は、いないかも。
糸井 あぁー。
石田 みんな慕ってくれるんですけど、わたしがたよりないので、
逆に、「ゆり子さんたらっ」みたいな感じに
なっちゃうんですね。
 
糸井 妹に怒られるお姉さんみたいな?
石田 そうですね。
わたしも年下の子に頼るほうが楽みたいな、
なんかたよりない(笑)
糸井 いい場所ですね。
石田 でも、長女なので、基本的に長女気質ですね、わたしは。
糸井 意外に「まとめるところはまとめます」みたいな?
石田 わりとこう、最後は叱るみたいな。
糸井 えっ?
石田 最後は怒って。
糸井 ここにあなたに叱られたいっていう人、
いっぱいいますよ。
石田 いやいや(笑)
一同 (笑)
糸井 よろしければ抽選で3名様に。
石田ゆり子が叱ってくれる「叱る券」などを。
一同 (笑)
石田 わりと説教したがるところもありますね。
糸井 何を言うんだろう?
石田 なんでしょう、言葉づかいとか。
あと、食べかたとかにも、うるさいと思います。
糸井 (笛をふくマネをして)
「ピピピピッ!」って感じで?
石田 はい。
「肘を突かない!」とか。
糸井 はぁー!
石田 ついこう、ババ心っていうんですか。
なんかどこかで、若い人の面倒みなきゃって、
思ってるところはありますね。
糸井 ああ、なるほど。
石田 あとは、動物とか、圧倒的に立場が弱いものに
弱いんですよ。
捨て猫とか、野良猫とかだめですね。
糸井 動物にもやっぱり言い聞かせたりしてますか?
石田 はい。
糸井 (笑)
「あなたはいつまでもそういうふうにしてるから
こういう‥‥」とかって?
石田 言い聞かせませんか? 野良猫とかに。
 
糸井 正直言うと、ぼくもそれはあります。
石田 ですよね?
糸井 ありますけど、あなたの大きさとは
ちがうような気がします。
ぼくはもっといい加減で。
朝礼をするんですよ、かみさんが留守のとき。
石田 ブイちゃんと?
糸井 そう。
「きょうもお父さんと2人で
 やっていくことになりますが」
一同 (笑)
糸井 「よくご飯食べて、元気にやっていきたいと思います。
 それではいただきましょう。よしっ」
それで、ご飯を食べる。
石田 へぇー。
糸井 そういう朝礼をしてます。
「吐いたりしないように」とかね。
石田 「気まぐれカメら」、いつも見てるんですけど、
あれがとても好きで。
もうあれはほんとうに的確ですよね。
糸井 そうですか(笑)
石田 はい。
もう糸井さん、やっぱりさすが
コピーライターっていう感じで。
よくあんな言葉を思いつくなって。
糸井 いや、あれは、なんていうんだろう、
料理人が厨房のなかで、
自分ちの目玉焼きつくってるみたいなもので。
石田 はぁー。
糸井 力入れるとできないんですよ。
石田 わかります。
わたしの想像ですけど、
ことばの一番上の上澄み、
淀んだものが沈んで、フッて上がってきたものを
スッと書いていらっしゃるという感じがします。
糸井 あぁー。
石田 なんだろう? 清らかな感じ。
糸井 なんでしょうね。
何かの「ため」にしてないからでしょうね。
石田 ああ、はい。
糸井 手紙書くにしても、
相手の人によろこんでもらうように書こうとか、
思ってることをなるべく正しく書こうとか、
わかってもらえるように書こうとかっていうのは、
やっぱり技巧だと思うんです。
でも、ちっちゃいときに出た言葉、さっきの
「かわいい石ころとかでもよかった」のときには、
技巧ゼロじゃないですか。
石田 はい。
糸井 そのゼロがいいなぁって思えるんで。
で、ゼロの役、ぼくはもう、できないんです。
「おまえは大人だろう」って言われますから。
だから、お人形をこう、腹話術で動かしてると、
そういうことをできるんで、自分にとっていいんです。
石田 あぁー。
糸井 腹話術ですよね。
この子(あみぐるみ)を持って、
「ぼくはもうお腹減ったんだ」って言えば、
自分のお腹が減ったっていう話が
できるじゃないですか。
石田 あぁー、腹話術か。
糸井 フィクションって、その役割がありますよね。
あ、ゆり子さん、それは期間区切って
やってみたらどうですか?
おもしろいですよ。
石田 「ほぼ日」でやっていただけます?
糸井 いいですよ。
一同 (笑)
石田 やりたいですね。
ブイちゃんとの交換日記みたいな。
糸井 あっ、じゃあぜひ、遊んでください。
 
石田 ほんとうですか?
糸井 いや、もうよろこんで。
石田 い、い、いいですか?
一同 (笑)
石田 いちおう確認して。
糸井 ぼくらはよろこんで。
石田 ほんとうですか? わぁ、うれしい。
ありがとうございます。
糸井 ああ、よかった。
こちらこそ、ありがとうございます。
 
  (おわります)
  というわけで、はじまったのが、
「はなちゃんの夏休み」なのでした。
まだご覧になっていないかたは、
ぜひこちらからどうぞ。

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