おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson972
読者の声 ー 依存の入り口

強いストレスを、
悪いカタチ(人を傷つける)で発散する、
常習になる、頼る、それなしには生きられなくなる、
そんな状態は本当に不自由だ。

「この1回が依存への入り口」

と思って、踏みとどまり、
自分が何を恐れ何を求めているのか、
心の声を聴いてほしい。

そんな先週のコラム「依存の入り口」に、
踏みとどまった読者の実体験が寄せられた!

「読者は、どうやって踏みとどまったのか?」

さっそくおたよりを紹介しよう。

<わたし、立ち止まれました>

長女は新一年生。

遅がけの新学期が始まり、
新しい日課にまったくなじめずにいる。
すぐ、泣いてしまう。

「他の子どもたちが困ってます。
どうしたらいいんですか?」

そんな声を受けて、私が、
仕事を調整してあちこちいろんな人に相談し、
いろんな方法を試してもなかなかうまくいかない。
周りからの

「大丈夫ですか?」

という心配の声さえ、ちくちくと心にささる。
うちの子が迷惑かけてて申し訳ない‥‥と思いながらも
そんなこと言ったってしょうがないじゃん。
まだ始まって3週間。
初めての学校で戸惑いもあるだろうし、
私だってできることやってるのに‥‥と、
もやもやした気持ちが膨らんで行った。

そんなとき、
私が自分なりにやっていたことを否定され、
「こっちでやりますからもういいですよ。」
と言われた。

心が一瞬にして煮えたぎった。

なんとかしろって言ってきたのはそっちなのに、
私のやることは気に入らないで今更手を出すの?

うまく笑えなかった。
でも揉めたくなくて、
わかりましたよろしくお願いします、
とだけ返事をして、とりあえず頭を下げた。
こんな態度でうまく行くわけない。

これからどうしたら良いんだろう。

うまくやれない自分が、とても嫌だった。
そんなときにズーニーさんの文章を読んで、
ハッとして立ち止まった。

私がストレスに感じていたのって、なんだっけ?

子どもが何かでつまずくたび、
自分のせいだと、どこかでいつも思っていた。
生まれてすぐ職場復帰して
さみしい思いさせてたんだと。
私の育て方が悪かったんだと。

でもちがう。
私はがんばってやってきた。

誰かと比べることは答えじゃない。
やれることをその都度やってきた。
うまくいかないこともあるけど、
子どもたちは大事だし大好きだ。

それに、子どもたちも毎日がんばってるし、
働く母を受け入れてくれている。

子どもたち、毎日なんだかんだあるけど、
それが成長ってものじゃない?

いつも、ママだいすきって、言ってくれる。
思うようにはいかないけど、
気にかけてくださる人がいる。ありがたいことだ。
だれも悪くない。わたしも悪くない。

わたし、自信持っていいんじゃない?

そう思うと、すうっと深く呼吸ができた。
顔を上げると背筋がのびて、足が前に出た。

娘には充電できる時間を作ろう。
好きな友達と遊んだり、美味しいおやつを手づくりしたり。
楽しかった、またがんばろうって思えるように。

今日、私は半日仕事を休みにして、
娘は夕方友達と遊ぶ約束を楽しみに、
にっこにこで学校にいった。

光のさす方が、見えた気がした。

自分の気持ちに素直に向き合うのって難しい。
プライドとか、こだわりとか、
いろんな気持ちが重なって、蓋をしてしまう。
このことに気づけてよかった。
(しろみ)

そう、ほんとうにそう!
ストレスの正体、もっと言えば恐怖の正体を、
自分の胸に問い、ときほぐしていくと、
案外どうにかなるものだったということ、あるある!

責任感の強い親御さん、
お子さんにうまくいかないことがあると
ご自身を責めて苦しんでおられたのだなあ。

「がんばっている自分とお子さんを認める」

内側から湧き出る自信ってこんなにも清々しい。
読んでる私にまで光が射す想い。

<怒りの後ろ側にある快感>

私には高校3年生になる息子がいます。

その息子が1歳になるまでは、
食が細いことに悩んで、苦しんで、
私は半分ノイローゼのようになったこともありました。

3250gと比較的大柄に生んだのに、
1歳児健診の際には成長曲線ギリギリになっていました。

息子は母乳の飲みが悪く、
ならばと粉ミルクを飲ませようとしても
哺乳瓶を嫌い、母乳しか受け付けませんでした。
おなかがすけば、と断食させて、
粉ミルクを与えようとしても
頑として受け付けない息子。

そんな息子にも離乳食を食べさせる時期が来ました。
これで母乳以外で栄養を取ってくれるだろう
と思っていたら、

食べない‥‥

それでも食べさせようと毎回2時間格闘。
作るのにもそこそこ時間をかけたうえでの、
食事時間が2時間。
宥めて透かして、最後には怒って。

最初は怒るにもちょっとびくびくしながらでしたが
いつしか、怒ることが当たり前になってきたとき
自分の中に快感があることに気づきました。

ここに気づいたとき、私は
背中から冷水を浴びたような寒気を感じました。

10か月の息子を守るために、

その日から自宅そばですぐ預かってくれそうな
保育園を本気で探し始めました。

すぐに預かってくれるという託児所に出会い、
即決でお願いすることにしました。
平日3日間 9時から4時まで預けることにしました。
値段は高めでしたが、
私の貯金を切り崩せば何とかなると思っての決断でした。

お弁当持参の託児所ではありましたが
昼ご飯はスタッフが食べさせてくれるというのですから
離乳食のお弁当なんてらくちんでした。
哺乳瓶を加えない息子ですが、
豆乳はストローで飲むことを発見した時から
飲み物は豆乳で済ませるという荒業まで駆使して。

そこに子供を預けている間に、
翻訳の学校に通い、その時のクラスメートの紹介で
仕事をもらって、社会復帰。
転職を繰り返しつつも働き続けて今に至ります。

1日に1回でも私ではない人間に
息子の食事を託せることで、
私は自分の中のぎりぎりの一線を
踏みとどまることができたと思っています。

私の怒りの裏には快感がひそんでいることを
心にとめておかねば。
忘れないようにするために
お手紙させていただきました。
(キムコ)

「快感」と認める潔さと強さ、親の愛はすごい。

多くの人は快感と認めない。
さからえないさからわない部下に、
ストレスを発散する上司は言う、

「あなたのためだ。」

と。「怒る方だってツラいんだ」と、
「心を鬼にして厳しくしてるんだ」と、
「あなたが困るから」と。

外は、自分をおびやかす才能や、
重圧や責任や不安や恐怖がいっぱいで、
絶対優位にも、絶対正義にもなれない現実で、

部下に辛くあたってる時だけ、マウントがとれる。
その間だけ、自分のプレッシャーから逃れられる。
自分が絶対正しい位置にいると念押しできる。

それは脳に甘い汁が出るような感覚なのだ。

「快感なのだと認めることは、
相手のためでない自分のためだと認めること。」

認めて乗り越えた読者に大切なことを教えられた。
これからの日々で怒りを人に向ける時、

脳に甘い汁が出てないか?

と、私も私を見張っていきたい。
そしてそんな虚しいひと時の偽りの快楽でない、
ほんとうに自分を満たす歓びを、
自分に問いかけて見つけていきたい。

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【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
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までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

………………………………………………………………………

「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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