おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson965
感情の居場所

へこたれてる人に、
「愚痴を言わず、頑張れ。」
と言うと、

なぜ反感を買ってしまうのか?

コロナ自粛の初期、
私は、無自覚にストレスを溜め込んでいた。

自分では平気と思ってる。なのに、
夜、眠れなかったり、
昼間ボーッとして、何もやる気がしなかったり。

そんなとき、
「在宅勤務でメンタルを安定させる方法」
というオンラインの対談(下園壮太×佐渡島庸平)
を見た。この言葉が飛び込んできた、

「不安+自由の制限、
この状況に置かれるだけで人は疲れる。」

すとーん! と腑に落ちた。

自分がいま、コロナへの「不安」、
外出などの「自由の制限=我慢」にあると、
気づかされた。

「不安+我慢」がかなりストレスになっていることにも。

出演していた先生は、
強いストレス環境で働く自衛官の
メンタルトレーニングもしていた熟練者だそうだ。

「疲れ」と言えば私たちは、カラダの疲れ、
重労働や過労に目が行きがちだけど、
「心の疲れ」も同じくらい大変なものなんだと。
何もしてなくても、周りからはダラダラして見えても、
「不安+我慢」の状況に置かれるだけで、
人間はものすごく疲れるんだと知らされた。
私は、ちょっと泣きそうになった、

「疲れていいんだ。疲れるのは自然のことなんだ。」

それまで見ないようにしてきた
自分の「疲れや不安」を初めて自分で認めることができた。
それだけで、ものすごく落ち着いた。

「感情には居場所が要る。」

先週のコラム
そんな話をし、読者からこんな声をいただいた。

<気持ちの行き場>

行き場がない気持ちは、
時として牙をむき、思いも寄らない方向へ向かいます。

そうならないためにも「気持ちの場所」が必要です。

美術館でも、作品から感じた思いの行き場として、
展示会場の終わりにショップがありますし、
映画でも、エンドロールがあって、
明るくなるまでに「間」があります。

自分で、自分の「気持ちの場所」を与えるにも、
その準備をする「間」が必要です。

伝える側、受け取る側、互いにそういう「間」があれば、
そこで育ってくる思いもあるはずです。

(たまふろ)

そうか!
「愚痴を言わず、頑張れ」、
が反感を買ってしまうのは、

「気持ちの行き場」がないからだ。

ツラくて、苦しくて、悲鳴をあげている人に、
いきなり、

「頑張れ。」

では、相手のツラい気持ちの行き場がない。
さらに、

「愚痴を言わず、頑張れ。」

だと、相手の気持ちの行き場がない上に、
相手の気持ちそのものまで否定してしまう。

まず相手の気持ちのしばらくの居場所をつくる。

「そうだよね、ツラいよね。苦しいね。
でもツラい気持ちに負けないで、頑張れ。」

同じ「頑張れ」でも、
相手の気持ちの受けとめがあって、
そのあと言うと、だいぶ印象は変わる。

さらに別の読者は、こう言う。

「命を守る言葉」を読んで>

僕らはひとりひとり、立場も、環境も、違う中で、
現実と未来を、それぞれの価値観で捉えながら、
他人と共存している。

なのに意見が食い違うと、

「なぜあの人はわかってくれないのだろう」
「俺が正解なんだ!」

と視野が一気に狭くなるから怖い。

スポーツのチームでも、会社の組織でも、
うまくいっている時は、
みんなが前向きで結果に満足しているので、
敢えてコミュニケーションをとる必要がない。

そうじゃなく、
後ろ向きから前向きに方向転換させなきゃいけない時に
コミュニケーションが求められる。
その時に、

「相手の立場になろうとする」ことが大前提なんだ。

相手の立場になることはできないと思うが、
なろうとすることが大切ではないか。

何かあった時だけ、
自分の一方的な考えや経験談を話しても、
相手に全く伝わっていないことがよくある。
普段から相手の立場を考えようとして接していないと、
いざという時に想いは伝わらない。

まずは自分が相手の声を聞こうとし、
相手の気持ちを知りたいと歩み寄っていること。

伝達も会話のような気がする。

(三日坊主おじさん)

「伝達も会話」。

一方的にこちらから伝達する・書く・発信する
ような場合でも、

まず相手の気持ちを「聴く」姿勢があるかどうか。

それが大切だと気づかされた。
それが相手の「気持ちの行き場=受け皿」を準備する
ことにも通じる。

もう1通だけ、おたよりを紹介して今日は終わろう。

読者のたまふろさんの言う、
「自分で、自分の気持ちの行き場をつくる準備」
に通じるおたよりだ。

<余韻の行方>

私は紙の本が好きです。

電子書籍が便利で合理的なことを
頭では理解できるのですが、
自分の生活に取り込もうとは思えないのです。
「感動の即死」を読んで理由がわかりました。

電子書籍は唐突に終わってしまうからなんです。

紙の本は、既読・未読のページが
厚みとして視覚・触覚で分かるので、
物語の終わりがくることも感じながら結末を迎えます。

物語に深く入り込んでいるときほど無意識に、
少しずつ現実世界に戻るための準備を
自分の中でしていたのだなと。

登場人物たちやその世界観との
突然のお別れが寂しいのでしょう。

子供の時は、
映画や本を読み終わっても、現実世界に突然戻ることなく
徐々に余韻から覚めていたように思います。
今では余韻を感じられる時間は
一瞬になってしまいましたが、
それはすぐに現実に戻る必要があるからなのか、
大人になったからなのかはわかりません。

「余韻の消え方、後味の消え方」

というのも自分の中では大事なのだとわかりました。

(フルムーン)

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【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

………………………………………………………………………

「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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