「カレーの恩返し」PRESENTS 2014 GW おうちのカレーアンケート 大・結果発表!!
 
2.メインの具材のこと(豚肉、鶏肉)
甲野 アンケート発表、いよいよ本編ですね。
田中 はい、本日からカレーの具体的な質問についての
みなさんの回答をご紹介していきます。

それではさっそく、いつものカレーの
「メインの具材」の人気順から。
あなたのおうちのいつものカレーの
「メインの具材」は何ですか? 

豚肉:1453人(27.9%)
鶏肉:1255人(24.1%)
牛肉:858人(16.4%)
野菜:637人(12.2%)
シーフード:49人(0.9%)
羊肉:6人(0.1%)
とくに決まっていない:555(10.7%)
そのほか:388(7.5%)
甲野 そっか、いちばんは「豚肉」。
田中 豚肉、鶏肉、牛肉、野菜と、
それぞれけっこういらっしゃったのですが、
いちばん使われていたのは「豚肉」でした。
甲野 けっこういるかと思って選択肢に入れていたけど、
「羊肉」のかた、6名なんだね。
田中 使っているかたのコメントとしては
「しゃぶしゃぶ用肉でスープカレーを作ります」
「メインは生のラム肉です」
など、どれもおいしそうだったんですが、
いつも使うかたは少なかったみたいです。
甲野 なんだかとくべつな日のカレーとか、
お店で食べるカレーとか、
そういったタイプのカレーなのかも
しれないですね。
豚肉
田中 さて、そのまま、みなさんが教えてくださった、
「メインの具材」についての
いろんなコメントをご紹介します。
まずは豚肉派のみなさんがよく使っている
「肉の種類(部位・切り方)」について。
甲野 たしかに、カレーに使う豚肉って、
どのお肉が人気なんだろう?
田中 コメント欄に書かれていたものを数えてみたところ、
いちばん人気は「バラ肉」でした。
脂身のしっかり入った豚の腹部分のお肉。
●やはり豚ばらに限る。だしが出るため。
●豚バラブロックを圧力鍋でトロトロにします。
●豚ばら肉。疲れがとれます。
●豚バラをサッと炒めて、
 甘みがたっぷり残った状態にします。
 炒めたら一旦鍋から出して、仕上げに再投入します。
●お肉屋さんのおばちゃんに、
 カレーのお肉は何がいいのか聞いたら
 「豚バラが甘みがあって美味しいよ」
 との答えだったので、
 以来14年間、ずっと豚バラです。
甲野 そっか、バラ肉なんだ。
豚バラのカレー、たしかに元気が出そう。
田中 脂が甘くておいしいんですよね。
そして豚バラの次によく登場していたのが、
「豚コマ(切り落とし)」。
●豚こま。脂身と肉のバランスがいいので。
●豚コマ肉。よくカレーがからんでおいしい。
●豚コマ肉を使うことが多いです。理由は3つ。
 「薄切りで小さい子でも食べやすい」
 「安い」 
 「調理時間が短くても柔らかく美味しくできる」
●なぜだか分かりませんが、
 主人が「カレーの肉はへろへろの豚肉」と言い張るので、
 ほとんどそれ(豚のももかバラの切り落とし)です。
 
甲野 わたし、実家のカレーが「豚コマ」だったので、
「おうちカレーの定番」というイメージがあります。
ほっとする家の味、というか。
田中 さっと火が入るし、いいですよね。
こんなコメントもありました。
羽海野チカさんの『3月のライオン』というマンガで
「今日のカレーは豚コマですよー」という場面があり、
旦那さんがその台詞をよく言うので、豚コマです。
(実は、それ以前から豚コマでしたけど)
甲野 ああ。『3月のライオン』のカレーって、
本当においしそうなんだよね。
からあげと、温泉たまごのトッピングで。
田中 そうなんですか。読んでみよう。
つづいてよく名前があがっていたのが、
「豚ひき肉」。
●薄切り肉の時もありますが、ひき肉が好評です。
 細かく細かく炒めず、小さいかたまりぐらいの
 サイズにするのがポイントです。
●こども(3歳、7歳)が食べやすいよう、ひき肉です。
●ひと匙ひと匙にお肉が入っているのが好きなので、
 いつもひき肉を使ってます。
●キーマカレーにすることが多いので、だいたいひき肉。
●うちのカレーはお弁当用なので基本ドライカレー。
 ということで、ひき肉メイン!
甲野 ひき肉のカレーってなんだか、
だしがすごくよく出るイメージがあります。
田中 そのほか、みなさんがあげてくださった
豚肉の種類としては、
部位と切り方が混ざりますが、
「肩ロース」「ロース」「ヒレ」「モモ」
「薄切り」「ブロック」「角切り」など。
●ロース肉をブロックで購入し、分厚く切ってます。
●我が家のカレーはスピードお手軽メニューなので、
 お肉は必ず薄切りです。
●カレー用やシチュー用ではなく、
 ソテー用の豚肉を使います。
 肩ロースがベストです。
●脂身のあるこま切れか、
 ロース肉を粗みじん切りしたものを使ってます。
●豚肉のヒレブロックを使います。
甲野 へえ~、定番の肉って、
ほんとに家ごとにいろいろなんだね。
田中 しかも、まだまだあります。
●スペアリブを圧力鍋でとろとろになるまで煮込みます。
●うちではカレーに豚バラカルビと
 スペアリブを入れます。
●「グーヤヌジー」という
 豚のうで肉を使います。沖縄です。
●沖縄で「チマキ」と呼ばれる部位を使います。
 豚のすね肉だと思います。
●赤身。薄めでかたいものが好ましい。
●豚軟骨肉(ソーキ)です。
甲野 沖縄の人って、なんだか
「豚肉のプロフェッショナル」という感じがするね。
田中 ちょっと寄り道ですが、
ほかの設問からも「沖縄のカレー」というテーマで
コメントをピックアップしてみました。
◎沖縄のカレー
●沖縄ではポークの缶詰は万能で、何にでも入れます。
 野菜炒め、味噌汁、煮つけ、チャーハン、そしてカレー。
 塩味がアクセントになって、いいんです。
●沖縄ではカレーによくピーマンを入れます。
 とても美味しいのですが、県外では珍しいようです。
●うちでは沖縄そばをお湯に入れ、サッと油抜きし、
 お皿に盛ってカレーをかけていただきます。
 おじいちゃんの代からの家族の大好物
 『カレーそば』です。
●子どもの頃、沖縄では台風になるとお店が閉まるので、
 おうちにある材料で作れる「そーめんちゃんぷるー」や
 「ひらやーちー」、そして「カレー」が定番でした。
 今は台風でも買いものができて、外食だってできるけど、
 台風になるとやっぱり「カレーだ!!」と思って、
 よくカレーを作ります。
甲野 わあ、おもしろいね。
田中 いろんな地域ごとのカレーの特徴も、
きちんと調べるとおもしろそうですよね。
鶏肉
田中 さて、次は鶏肉にいきます。
鶏肉派のみなさんのコメントで
よく書かれていたのが
「安くておいしいのが良い」
「よくだしが出る」という2点でした。
甲野 言われてみるとたしかに
鶏肉のカレーって、だしがよく出そう。
田中 そしてカレーのときの肉として
よく名前があがっていたのは、
ダントツで「もも肉」。
●もも肉を固まりでドスンと使います。
●もも肉がいちばんおいしい‥‥。
●鶏モモ肉(から揚げ用)を使います。
 理由はジューシーで安いから!
●鶏もも肉がいちばんおいしく仕上がると思います。
 皮をパリパリに焼いてから煮込みます。
甲野 なんだか、コメントに安定感がある気がする。
田中 もも肉、間違いなくおいしいですからね。

そして鶏肉で次に人気だったのは
「手羽(手羽元、手羽先など)」。

3番目に多かったのは「むね肉」でした。
甲野 そっか。むね肉より、
手羽を使う人のほうが多いんだ。
田中 「手羽」を使うかたのコメントをご紹介すると‥‥。
●手羽先や手羽元を使い、圧力鍋で煮て、
 骨から出る出汁を楽しみます。
●手羽元を骨から離してつかいます。
 モモ肉よりもムチムチしてて美味しいです。
●鶏肉は手羽元が多いです。
 なんとなく中村屋のカレーが本場だと思っているので、
 それを真似ている気がします。
●多めの手羽中を軽く下ゆでして、
 少なめの水とコンソメ1個と大量のたまねぎで
 たまねぎが溶けるまで煮て、ルウとしめじを入れ、
 好きなとろみになるまで煮れば出来上がりです。
 煮すぎると手羽中の骨がルーに浮かんで
 びっくりする見た目になりますが、美味しいです。
甲野 手羽カレー、作りたくなっちゃうね。
田中 そして「むね肉」を使うかたのコメントは
こんな感じでした。
●安くてたくさん使えるので、鶏むね肉率高し!
●硬いとかボソボソするとかであまり評判の良くない
 鶏むね肉がいちばんのお気に入りです。
 そのボソボソ感が好きなんです。
●次男がぽっちゃりなので、カロリー控えめにするために
 お肉は鳥の胸肉、またはささみをを使います。
●最近は鶏むね肉をトロトロにほぐれるように
 じっくり煮込むのが好きです。
 肉はわざと切らずにフライパンでさっと焼き目をつけ、
 炒め玉ねぎの入ったお鍋(ストウブ愛用中)に
 どーんと入れて、チキンスープで煮込みます。
 安くてヘルシーで、カレーがよくからんでおいしいです。
甲野 値段も手頃だし、カロリーも低め。 
むね肉のカレー、おいしく作れるようになりたいなあ。
田中 それなら「使う前に漬けておく」人の
コメントが参考になりそうですよ。
鶏肉を使うというかた、
肉を調理する前にいったん漬けておくという人が
ずいぶん多かったんです。
●チキンはムネです!
 パサパサしないの?と思われるでしょうが、
 ニンニクと生姜と塩をすりこみ、
 ブルーベリージャム入りのヨーグルト漬けに
 しておきます(2、3日冷蔵庫で保存)。
 これをカレーに入れると、しっとりして美味しいんだ~!
 ちなみにこれ、チキンのトマト煮などにも使えるので、
 わたしはムネ肉を買ってくると、
 とりあえずヨーグルト漬けにしておく感じです。
●むね肉を、すりおろしたタマネギと蜂蜜に漬けて
 柔らかくしてから焼き、それを切ってカレーを作ります。
●モモ肉を塩麹に漬け込んで、
  時間をおいて軽く拭い取ったあと、
 さらにカレー粉を軽く揉み込んでおいてから
 炒めています。
●お肉は酒・みりんに
 30分以上漬け込んでから鍋に入れます。
 そうすることでお肉がふっくらします。
甲野 へえ~! 
ブルーベリージャム入りのヨーグルト漬け、
こんどやってみよう。
田中 また、そこまで数は多くなかったのですが、
「鶏ひき肉」や「ささみ」、
あと、焼き鳥屋さんなどでよく見かける
鶏の首の肉「せせり」なんかもありました。

あと珍しい部位でいえば、こんなのも。
●げんこつ(鶏のひざの軟骨)
●砂ずり(砂ぎも)
●鶏肉ですが、丸1匹分の鶏ガラを使います。
甲野 砂ずりって、どんな感じなんだろう。
柔らかくなるまで煮込むのかな?
田中 書いてくださったかたのコメントを読むと、
お金がなかった大学生のときに考案したカレーで、
「噛みごたえのある砂ずりとタマネギで作った
学生時代の思い出の味」だそうでした。
甲野 そっか。砂ずりの噛みごたえで
満足感を高める感じなんだろうね。
田中 そして鶏肉を使っているかたは
作り方のコツを書いてくれた人が多かったので
さいごにそちらをご紹介しますね。
●骨付き肉を入れるときは炊飯ジャーで煮込みます。
 毎回ではありませんが、いろんな野菜を使った
 「まるごとカレー」なるものを作るときも炊飯ジャー。
 にんじん、タマネギ、ジャガイモ、エリンギ、お肉の塊。
 野菜は皮をむくだけ、ほかは下ごしらえだけして、
 切らずにまるごとお釜に入れて炊いています。
 すこし水気多めのカレーに仕上げて、
 ナイフとフォークでいただきます。豪華ですよ。
●鶏肉を使うときは、
 カレーの鍋とは別の鍋にコップ一杯ほどの水を張り、
 塩ひとつまみを肉に振って、10分ほど蒸します。
 蒸した鶏肉は、ふっくら柔らかくジューシー!
 鍋に残った水は美味しいチキンスープなので、
 野菜などカレーの具材を炒め終わったところで
 水を入れる代わりに加えます。
 味に深みが出て、とっても美味しいです。
 (学生時代に中華料理屋でバイトをしていたときに、
 現地のコックの人から教わりました)
●カレーに限りませんが、
 大きめに切った鶏もも肉を入れたスープなどを作るとき、
 煮汁が沸騰する直前に
 ぐっと火をしぼってゆっくり湧かすと、
 お肉がふかふかの柔らかになるのでお気に入りです。
甲野 へえー、ためになるなあ。
こんど家でやってみよう。
田中 というわけで、
ずいぶん長くなってしまいましたが、
「メインの具材」の「豚肉・鶏肉編」は、ここまで!
甲野 いろいろあって、おもしろかった!
あれ、牛肉派のかたのコメントは?
田中 はい、もちろんご紹介しますよ。
ただ、今回は長くなりすぎてしまったので、
明日の「牛肉・そのほか編」でご紹介します。
甲野 そっか、牛肉もたのしみだなー。
それにしても、こんなふうにいろんなおうちの
カレーの話を聞けるのって、本当にありがたいですね。
‥‥今夜はカレーにしようかな。
田中 今日作るならポークカレーかチキンカレーですね。
それでは、また明日!
  (つづきます)
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