HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN

カッパとウサギの コーヒーさがし

第27回ツリーハウスブレンドを飲みにツリーハウスに行きました(1)

なんというお久しぶりでしょう。

このコンテンツを更新するたんびに
「お久しぶりです!」と言っている気がしますが、
それにしたって今回はかなりのごぶさたです。
えーと‥‥1年9カ月ぶりとか?

ここまで久しぶりだと、
このコンテンツをはじめて読む方もいらっしゃるはず。
申し遅れました、「ウサギ」という設定で
このコンテンツの記事をまとめております、
私、「ほぼ日刊イトイ新聞」の山下と申します。
このあと登場する相棒、
イラストレーターの福田利之さん(カッパ)とふたりで、
コーヒーの気軽さ、たのしさ、おいしさをお伝えするのが
このコンテンツ、
「カッパとウサギのコーヒーさがし」でございます。

そんな、超お久しぶりの今回、
なかなかナイスなレポートをお届けいたしましょう。

ご覧ください。
じゃーーん。

もちろん、福田利之さんのイラストです。
コーヒーのパッケージのために描きおろされた、
「マスキングテープだけ」で描かれた絵なんです。

ということは‥‥
と、熱心な読者さんは思ってくださるかもしれません。
そう、「気仙沼アンカーコーヒー」から、
またもや新しいブレンドがうまれました!
(福田さんは過去に4種、アンカーコーヒーのために
 マスキングテープのイラストを描いているのです)

その名も、「ツリーハウスブレンド」!
100のツリーハウスプロジェクトをイメージして、
「アンカーコーヒー」と「東北ツリーハウス観光協会」
「ほぼ日」がいっしょにつくったブレンドです。
売り上げの一部が、
このプロジェクトの運営に役立てられるんですよ。
コーヒーを飲むとツリーハウスが育つって、いいでしょ?
「ツリーハウスブレンド」は、
自然の中でも香り豊かにたのしめるコーヒーです。
それならば‥‥
カッパとウサギは思いました。

「気仙沼のツリーハウスでこれを飲みたい!」

5月の中旬のよく晴れた月曜日。
カッパとウサギは、
気仙沼「アンカーコーヒー田中前店」の前にいます。
「ごめんくださーい」と入店するわれわれを
出迎えてくださったのは、
おなじみ、「やっちさん」こと、
アンカーコーヒーの小野寺靖忠さんです。
完成したパッケージといっしょに、ぱちり。
山下 やっちさん、
今回のブレンドはどうでした?
豆の配分とか、むずかしかったでしょうか。
やっち そうですね。
いつもそうなんですが、簡単ではないです(笑)。
福田 ブレンドをするって微妙なお仕事ですからね。
山下 今回、やっちさんに依頼したのは、
「ツリーハウスブレンドなので
 外で飲むさわやかなイメージを。
 でも、その場所の香りに負けないような
 しっかりとした香りがほしい。
 さらに、室内で飲んだときにも、
 ふわっとすてきな雰囲気に変わるような‥‥
 そんなブレンドをお願いします」
という内容でした。
やっち ‥‥簡単ではなかったです(笑)。
福田 でも、できました。
山下 試飲したのですが、すばらしかったです。
ベースがマンデリンという豆なんですよね。
やっち ええ。マンデリンって香りが独特ですよね。
山下 ちょっと草原のような、青い香りがする気がします。
やっち マンデリンだったら、
たとえば山の香りに負けないで、
自然の中で調和しながら際立つんじゃないかと。
福田 なるほど‥‥。
そしてそこにコロンビアを加えてますね。
やっち マンデリンの重厚な味わいに対して、
コロンビアはまろやかな酸味が特徴です。
このふたつを合わせました。
コロンビアはよく飲まれている豆ですし、
ぜんたいに安定感を与えてくれるんです。
山下 まさしく、
「ツリーハウスブレンド」だと思いました。
そしてそのイメージを
さらに強くしてくれているのが、
パッケージのイラストです。
やっち ねぇ。すごいです、相変わらず。
福田 すみません。ありがとうございます。
やっち 大きなツリーハウスが、ドンと描かれてて。
福田 「UP」とか「RIAS」とか、
いままでのはわりと抽象的だったんですが、
今回は素直にツリーハウスを描こうと思いました。
山下 木が、豊かですよね。
もっこりしてます。
福田 もっこり?!
やっち もっこり?!
山下 まちがえた(笑)。
木が、こんもりしてます。
福田 ‥‥いまの失言は
編集のときカットしないで載せてください。
山下 なんでですか。
福田 いっつもぼくばっかり変なこと言ってるように
書かれてるから、
山下さんの失敗もちゃんと載せてほしい。
山下 ‥‥わかりました。
ところで、道有(みちあり)さん。
みちあり あ、はい。
なんでしょう。
山下 急に話しかけてごめんなさい。
あらためてご紹介します。
福田さん、こちらは
「東北ツリーハウス観光協会」の企画委員、
斉藤道有(みちあり)さんです。
福田 こんにちは、福田です。
みちあり すてきな絵をありがとうございました。
山下 寒い中でつくっている様子をずっと見ていました。
いま、現地はどうでしょう?
みちあり いいですよ、とてもいいです。
新緑で。
ツリーハウスもほぼできあがっています。
山下 ほぼ日の16周年企画、
「マジカル気仙沼ツアー」では、
みんなでそこで遊べるんですよね。
みちあり もちろんです。
福田 その場所で、ひとあし先にわしらがコーヒーを。
山下 行きましょう!
そこで淹れて、飲みましょう!
やっち お湯は、どうします?
山下 ねこのポットを持ってきました。
やっち へえー、おもしろいポットですね(笑)。
山下 東京から持ってきました。
みちあり あと、1号のツリーハウスには
ちいさな看板をかけられるんですが、
なにかそこに飾りますか?
福田 それは、わしが書きます。
山下 おおー。
では、この紙にお願いします。
福田 「ツリーハウスブレンドあります」
と書きます(書きはじめる)。
山下 福田さんのサービス精神はほんとにすごいです。
‥‥‥‥ん?
それは‥‥。
福田 ‥‥なにか?
山下 ちょっといいですか、貸してください。
‥‥フリーハウスって!
福田 ‥‥‥‥わざとボケました。
山下 嘘だ!
福田 ふぉふぉふぉふぉふぉ(←笑い声)
山下 素でまちがえた。
福田 ふぉふぉふぉふぉふぉ(赤面)
山下 この失敗は編集でカットしないで載せます。
福田 なんでーーーーーー!
わあわあ言っておりますが、
やがて福田さんの書いた看板は、ちゃんと完成。
さすがです。
ねこのポットにお湯を入れ、
豆と器具をこわきにかかえ、
ぼくらはツリーハウスがある場所、
「徳仙丈」へと車で向かうのでありました。
舗装道路はいつしか砂利道に。
でこぼこと進んでいくと、ほどなく徳仙丈の駐車場に到着。
車をおりたら、こんな案内板がありました。
「TYPE1」とは、ツリーハウス1号という意味。
「THIS WAY」は「この道を進む」という意味。
わくわくしてきます。
ひとまず記念写真を撮ってから‥‥
案内板の通りに進みました。
小さな橋がありました。
有名な「吊り橋効果」で友情をぐーっと深めながら、
5分ほど歩いたでしょうか。
ぱっと視界がひらける場所に出て‥‥
わあ‥‥あった‥‥
ありました。
あれが、ツリーハウス1号です。
(つづきます!)

2014-06-04-WED



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