緑のなかに出かけようよ。
先輩、後輩、そしてなかよし。

たのしい仲間といっしょに一泊だけ、
緑あるところに出かけてみましょう。
おなじものを食べ、火をたいて、
終わりのない夜をむかえます。

ふだんとちがうおしゃべりが花開き、
いつの日か、
「そういや、あんなこともしたよね」と思い出す
時間になるにちがいありません。
3人が訪問したところ:WOODLAND BOTHY
第5回 聞いてくれない妻。
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糸井
シャインマスカットに
塩をちょっとかけて食べるとうまいよね。
みうら
マスカットってことは、ブドウですか? 
ブドウに塩をかけるんですか。
糸井
かけるってほどじゃないよ、
上からちょっとパラパラするくらい。
すると、皮にすこしだけ塩分がつくでしょ? 
みうら
ああ、うまそう、やってみよう。
糸井
スイカも好きだったんだけど、
長いことやめてた。
でも、意地を張らないで塩かけたら、
すごくうまかったんだ。
スイカやめてたの?
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糸井
スイカをじゃなくて、塩を。
あぁ、そっか、かわいそうに。
みうら
目玉焼きはどうしてますか。
目玉焼きにも、ちょっと塩かけますね。
糸井
目玉焼きに塩、いいね。
俺は醤油だけどね。
ソースはどう? 
糸井
ソースもおいしいですよ。
でも醤油のほうが、
あとでごはんの上にのせられる。
みうら
あぁ、そうか。なるほど。
そんな‥‥、
すごく真剣だよね(笑)。
糸井さんが食べものの話するの、すごく好き。
すごく素直。
冗談とか言わないんだ。
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みうら
食べものの場合、
オチがあるのかなと思ったらないんですよ。
いつ来るかと構えてるんだけど、ない(笑)。
糸井
マスカットの話も真剣だよ、
いままでやってなかったのが悔しい。
ふつうやらないよ。
なんの拍子でやったの?
糸井
思いついたの。
(みうらさんに向かって)
思いつくんだよ。
みうら
思いつくんだ(笑)。
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中国に旅行したときも、
「こうするとうまい」とかって、
いろいろ思いつくんだよ。
みんな糸井さんのまねしてた。
みうら
へぇえ。
糸井
食べおえた皿に残ったタレを
別の皿のあれにかけるとうまいとか(笑)。
でも、そういうことをまねしないのが、
うちのカミさんです。
カミさんは「いい」って言う。
「こうするとうまいよ」と言ったら? 
糸井
「これでおいしかったんだから、それでいい」
みうら
奥さんという人びとは、そういうこと、
あんまり聞かないですよね。
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糸井
奥さんって、どうして聞かないんだろう? 
みうら
聞かないから奥さんなんでしょうね。
聞く人は恋人です。
糸井
そうだね、つまり、
聞いてた人が聞かなくなるんだよ。
みうら
そうなんですよね。
おかしいね(笑)。
みうら
昔はあんなに夜中のラーメンを
いっしょに食べにいってたのに、
いまは聞こえないふりさえしますね(笑)。
結婚すると、体にいいものについて、
とつぜん言い出すじゃないですか、
あれはなんなんですか。
「体にいいから食べなさい」と言われると、
途端にまずく感じます。
糸井
みうらはロックの人だから。
そういう仕事ですからね。
みうら
こっちはわざとやってるわけですよ(笑)。
糸井
おかしいよなぁ。
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みうら
こうしておふたりと
ひさしぶりにお話できることが、
ぼくはほんとうにうれしいです。
同級生なんかでも、すごくなかよかった人となら、
長いこと会わなくても大丈夫だったりしますよね。
糸井
でも、ぜんぜん嫌いじゃなくて、
むしろ好きなんだけど、
「会ってておもしろいわけじゃない」
という友達、いるよ。
みうら
まぁ、友達って、たいていそういうものですもんね。
糸井
同級生にひさしぶりに会っても、
「ああ、当時のあれはおもしろかったな」
なんて言って、すぐに話が終わっちゃう。
みうら
思い出話を思い出してるだけだからですね。
やっぱりちょっとは新しいネタが欲しいです。
糸井
そうだよね。
新しいネタがない場合は、あいづちでもいいんだよ。
あぁ、「いいあいづち」ね。
それはとてもいいね。
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みうら
それはもう友達じゃないですよ、
あいづちを要求してる段階で(笑)。
糸井
伸坊は、人が本当にいいから、
いろんなところでちゃんと友達がいるんだよ。
みうら
はい、いらっしゃいますね。
糸井
偉いなぁと思うんだ。
俺はそういう
「あんまりおもしろくないかもしれないけど仲はいい」
という友達がなかなかいないんだ。
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(夜をすごすグランピング場に向かって再出発。
明日につづきます。)
2019-12-13-FRI