ブタフィーヌさんのぬいぐるみを、バンプレストさんといっしょに、つくりました。

第1回 300体のブタフィーヌさん。

一同 ここだ、ここだ。
大きいビルですね。
今日はよろしくお願いします。
ブタフィーヌさん5巻が出るにあたって
ぬいぐるみを300個、
バンプレストさんといっしょにつくったので、
その担当者である阪田さんに
お話をうかがいに、やって来ました。
ええと、このフロアですね。
あっ‥‥ここですね!
玄関には
バンプレストさんでつくっている
キャラクターたちが!
そうそうたるキャラクターたちですよ‥‥
ブタフィーのぬいぐるみを、
こんなすごい会社で、
つくっていただいたんですね。
ありがたいことですね‥‥。
(そうこうしているうちに、
 会議室に通していただきました。)
あっ、カピバラさんが
お出迎えですよ。
わぁ、かわいいなぁ。
こんにちは、ようこそ
いらっしゃいました。
こんにちは、
きょうはよろしくおねがいいたします。
カピバラさんはたしか
社内の女性たちで
つくったキャラクターなんですよね。
よくごぞんじですね。
そうなんです、このキャラクターは、
うちの会社の女の子が
マンガを描いているんですよ。
何気なく描いてたんですか。
ええ、そのチームは女性だけのチームで、
世の流行を捉えながら
新しいキャラクターとか
売れるものを発掘しようみたいな、
比較的自由度の高いところなんです。
そこで、いろいろ描いているうちに、
これはちょっとかわいいからやってみたいな、
というところから商品化をしてみたら、
じわじわ売れてきて、
いまや大爆発みたいな形になった、
類まれなキャラクターなんです。
きょうはブタフィーヌさんが
ウチの会社にいらっしゃるということで
「だれだ、だれだ」的な感じで
お出迎えさせていただきました。
はははは。
なるほど。
ここまで来るには、実は、
いろいろ紆余曲折があったのですが、
「なにはともれ完成おめでとう」ということで
わいわいと、おしゃべりしたいなと思います。
よろしくお願いします。
ちょうど1年ぐらい前ですよね、
プロジェクトがはじまったのが。
はい。バンプレストさんと
「ほぼ日」とのおつきあいは、
さらに、半年くらいさかのぼりますね。
たぶん2006年ですね。
はい。
そのぐらいに初めてお邪魔したと思います。
ぼくらも、ブタフィーヌさんを、
ひろく出していきたいと思っていたところで、
バンプレストさんとなにか一緒にできるといいね、
みたいな、話が出たんです。
そうですね。
あのとき、糸井さんのお話で、
すっごくおもしろかったのが、
お金をかけて、広告を使って
売り出すキャラクターっていうのは、
たぶんすぐできてしまうのだろうと。
でも、それでは、おもしろくないよねと。
うちが、UFOキャッチャー用のぬいぐるみを
手がけていたこともあって、
たとえばUFOキャッチャーから発信された
キャラクターって、あまり、
いままでないんじゃなかろうかって。
そういうところから「育つキャラクター」、
いままでとちがう方向性で育ってくる
キャラクターみたいな形でやってみたら
おもしろいんじゃないかな、
みたいな話をいただいたんです。
それで、実はぼくらも、
UFOキャッチャーでブタフィーヌさんを、
というプロジェクトを考えたこともありました。
バンプレストさん直営のゲームセンターで
3店舗ぐらいで、実験的に、
やってみようかねって話も出たんです。
それを考えつつ、
それに合わせた大きさのぬいぐるみを
試作し続けてきたんです。
みんなで、ゲームセンターに
視察とか行きましたね。
行きましたね。
UFOキャッチャーの全体を
ブタフィーヌさんの世界にして、
クレーンのところを、おじさんの足にして
「ブタフィーヌさん救出計画」みたいな、
中が全部ブタフィーヌさんの世界になったら
おもしろいね、みたいな夢も、
描いたりしてましたよね。
はい。
ただ、その話は
夢で終わってしまったんですが、
今回、あらためて原点にもどって
「ほぼ日」とバンプレストさんで、
バンプレストさんの経験をお借りして、
ブタフィーヌさんのぬいぐるみを
つくろうということになったんです。
ありがとうございます。
お互い、できるギリギリのがんばった数、
ということで、300個、作っていただいて、
5巻と一緒に販売しよう、
ということになったわけです。
ぬいぐるみ自体は、
「ほぼ日」内では、1巻の頃から、
作れたらいいねって話は出ていて。
その試作品もつくったことがありました。
置くと、ヘタっとする、
中にパウダービーズを入れた
ブタフィーとか、
つくってみましたよね。
縮尺が明らかにおかしい
モジャフィーヌとか‥‥。
「おじさんのぬいぐるみはどうだろう」
「それだと顔がない、不思議なものになるよ」
なんていう無茶なことを話したりしてましたね。
いろんな事情がございまして、
いずれも、実現はしなかったんですが、
ぬいぐるみはいつか作りたいねって夢は、
ずっと、あったんです。
はい。
それが実現しました。
ぬいぐるみをつくる過程って、
最初はどういう
作業をするんですか?
今回、ぼくたち的に、楽だったのは
そもそもの原型があったことです。
ふつう、基本のイラストがあって
それをサイズを三面図にして起こして
日本または中国で試作を作るんですね。
そこからペーパーパターンっていう
型紙を起こして、
縫っていったりして、
あとは修正していくんですけど、
今回は、みなさんがつくられた試作品があった。
中国はコピー技術がすばらしいので‥‥
はははは。
コピー技術がある。
いろいろと問題になるのは
その使い途であって、
すばらしい技術ととらえれば、
この原型を渡すと‥‥
はい。そっくりにつくってくれます。
ああー。
すごいなー。
それは一回分解したり、
しちゃうんですか。
いえ、切らなくて大丈夫なんです。
そこは、もうたぶん経験則。
でも型紙がないもので、
表情だとか前足の微妙なさじ加減は、
それがあってるのかどうか、
中国の工場では判断できません。
そこからはこういう資料を作りながら
日本で仕上げていくっていう形ですね。
(つづきます)
2008-12-08-MON
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