HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
台湾のまど 青木由香の台湾一人観光局 ほぼ日支所
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プロローグ。
ほぼにちわ。
ほぼ日の乗組員のモギです。
明日からはじまる「台湾のまど」の連載を前に、
その筆者の青木由香さんについて、
なぜこの連載がはじまったのかについて、
ちょっとだけ紹介させていただこうと思います。

行きがかり上、ちょっと私の話をさせていただくのを
お許しください。

数年前、私ははじめて台湾の台北に旅行をしました。
その旅は、それなりに楽しく、それなりにおいしく、
台湾の人はものすごい親切でフレンドリーで、
「うん。いいアジアの国に来たな。」と、
一応の満足をして帰りました。

数カ月後、私は再び台北に遊びにいくことになりました。
最初の時とは別の友人と一緒に。
その友人が台北にもってきていたのが、
青木由香さんが書かれたガイドブック、
「好好台湾」でした。
その本を活用しながらの台北の旅は、
前回の台北の旅の様子とは一転しました。

たとえば、食事ひとつにしても、
青木さんが紹介しているものは、
いままで思っていた中華料理とはちょっと違い、
あっさりとやさしい味で、
あまりのおいしさに、動けなくなるくらいに食べてしまったり。
海外のおみやげなのに、
友達たちがおいしいといってくれる
お茶やお菓子に出会えたり。
(通常、海外のお土産は警戒されて
 食べてもらえないことも多くあります)
日本に買って帰っても
違和感なくじぶんのくらしになじむ
すてきな雑貨がみつかったりしたのです。
奇跡のように「ハズレくじ」をひかずにすごしすぎて
途中で友人と「こんなによくていいのか!」と
不安になったくらいのすばらしい旅でした。
そのとき、私にとっての台湾は、
「それなりに楽しい旅ができる国だな」というものから
「またすぐに来たい国」になっていたのです。

つまり、ガイドブック一つで旅の質が
ガラリと変化する体験をしてしまったのです。
台湾の事情に通じていて、
しかも日本に住む私達のことも
理解しているからこそのこの情報のチョイス! 
なんだこの人のセンスは!  
と、大いに感激し、猛烈に青木さんを尊敬しました。

そんな体験があってから、数年後、
2015年の6月に青木由香さんと
仕事をご一緒する機会に恵まれました。

「ほぼ日」の創刊17年の記念のコンテンツ
「たのしいAWAY」です。
創刊記念日の6月6日を、
日本・東京というホームではなくて、
台湾・台北のAWAYで迎えようということになり、
台湾からのテキスト中継をしました。

この時に、青木由香さんに現地滞在時の
コーディネートをお願いしたのです。
青木さんが台北市内にオープンしたばかりの
「你好我好」というギャラリーを
お貸しいただいたり、
ロケ場所をさがしていただいたり、
ご飯の面倒をみていただいたり、
本当にたくさんお世話になりました。
この時の場所のセレクションも
さすがとしか言いようがありませんでした。
そして、快活で豪快で楽しくさっぱりとした青木さんの人柄は、
台湾に上陸した「ほぼ日」の乗組員全員を魅了したのです。
こんな人と、また仕事ができればいいなあと
一緒に仕事をしているそばから思っていました。

▲カメラを向けるとサービスしてくれるのが青木さん。
 ふつうの顔の写真がありません。
そして、今です。

夏の終わりごろに青木由香さんが
新刊を出版するという情報を聞きつけて、
メールをしてみました。
「新刊のプロモーションがてら、
 ほぼ日で連載をしませんか?」と。
かなり虫の良いメールをしたものだな、と
いま考えると多少震えがきます。
(青木さん、申し訳ありません。)
でも、そこは青木さん、
「よしきた!」ということで快諾をしてくださったのです。

明日から「ほぼ日」に、
台湾にむけてひらいた「まど」があきます。
窓からはいってくるのは、
八角、小籠包、烏龍茶、
パイナップルケーキの香りだけじゃない台湾です。

あ、そうそう! 青木さんからの伝言です。
「時折、その窓から吹く風は
 台湾ではなくなることがあります!
 なぜならば、私が台湾ではない場所に
 いくこともあるからです」
とのことでした。
こちらも楽しみにしていましょう。

それでは、青木さ~ん、よろしくおねがいますー!!
2015-11-03-TUE