ほぼ日ミステリー劇場  AB事件  コノナカニ ヒトリ・・・


「自分が、AB型でないかもしれないと、
 初めておもったのは、
 ずっと病気しらずだった父が入院したときでした。
 今年の1月17日のことです。

 実家のある大阪に駆けつけ、病院で父を見舞って、
 とりあえず症状が落ち着いたので、
 一度家にかえろうかと、母と姉と家にもどりました。

 三人でお茶を飲みながら
 父の入院への衝撃と緊張を和らげるように
 最近の父の仕事の様子など、
 おしゃべりを始めました。

 そこで母が言ったのです。
 いま考えれば、母にとっては
 緊張を和らげるのに、
 ちょうどいい話題だったのでしょう。

 『そうそう、そういえばね、
  救急車で運ばれたときに、
  お父さん、輸血をされたんやけど、
  その血液バックにね、
  なんとO型って書かれてたのよ。
  長年A型って信じてきたのにねえ』

 ‥‥。
 ‥‥‥O型?

 O型の父とB型の母から
 AB型の子どもが生まれないことは
 私にはすぐにわかりました。
 しかし母も姉もその重大性に気づいてません。

 『お母さん、お姉ちゃん、わたし‥‥。
  AB型だったとおもうねんけど』
 『あー、お産の時に調べてもらったし、
  あんた、子どものころは
  毎月小児科にいってたし、そのはずやわ』
 『いや、でもお母さん、B型やろ?
  で、お父さんがO型だったとしたら
  私はO型か、B型のどっちかや』
 『なによ、急に』

 母も姉も、のほほんと、
 60年間も血液型をまちがっていた父のことを
 おもしろおかしくからかいながら、
 お茶をのんでいます。
 が、私は気が気でありません。

 何年かまえの自分だったら、
 あれ、私、血液型まちがってたのか〜、で
 すんだかもしれません。
 しかし、いまは違います。
 ABの会の人たちと何度も集まって飲んで、
 池本さんという新しい仲間も得て、
 AB型という自分に妙に
 アイデンティティを感じ始めているのです。

 でも、私はAB型じゃないかもしれない‥‥。
 大げさではなく、ちょっとした絶望感を
 私は感じていました。

 一方で、
 『私、お父さんとお母さんの子じゃないのかも』
 とはいっさい思えませんでした。
 私はあきれるくらい
 両親に半分ずつ似ている子どもだったので、
 ふたりの子どもであることは、
 医学的な根拠を求めるまでもなく、
 もう、決定的なのです。
 ということは、私がAB型じゃない
 ということも決定的‥‥。

 とりあえず、物事ははっきりさせようと、
 2月8日、生まれて初めて献血に行きました。
 受付の方の説明だと、献血前の1分くらいの検査で
 血液型がわかってしまうそうです。

 青い検査薬と黄色い検査薬の入ったパレットのような
 お皿に少量の血液をたらします。
 たらしてかき混ぜて‥‥ものの10秒くらいで、
 『はい、B型ですね』と告げられました。

 みんなに言うべきか、それとも黙っているべきか、
 ずいぶん、悩みました。
 ABの会でたのしく飲むだけなら、
 黙っていてもいいような気がしました。
 けれど、やはり、ウソをついているという罪悪感がある。

 いつかみんなに言わなきゃ、
 言うなら、まず、ABの会の人たちに。
 そんなふうに考えて、久々にABの会を企画しました。
 でも、どう言おう? やっぱり黙っておく?

 そんなある日、針生とふたりで、
 ミーティングをしていたときのことです。
 どういう話の流れか忘れたのですが、
 やはりまた血液型の話になり、
 針生が「ま、オレらはABだからさ」みたいな感じで
 話を締めくくろうとしました。

 ‥‥‥。
 いっそ言ってしまおうか‥‥。
 ‥‥‥。

 『は、針生さん‥‥。
  すっごく大事な秘密の話をしてもいいですか!』
 『え、わ、いやだよ、みっちゃん、なによー、
  え、なになに、このフリ、ほんといや!』

 しかし、いままで我慢していたぶん、
 話し出したらとまりません。
 もう、嫌がる針生なんて知るもんかと
 すべてを告白してしまいました。
 針生はほんとうにおどろいて、
 それは秘密にしておこうと言ってくれました。

 でも、やっぱりそれはできないとおもいました。
 ABの会、大好きなだけに、
 ウソをつきながら続けていくのは
 うしろめたくて申し訳ないと説明しました。

 『あー、でも私、いまさら、どんな顔して、
  みんなにAB型じゃありませんでしたって
  言えばいいんだろう‥‥』

 私がうじうじ言っていると、針生が言いました。

 『‥‥‥‥じゃあさ、こういう告白は、どう?』

 そこからは、読者のみなさんがご存知の通りです。
 当時宇宙部が開発したばかりの、
 メールを設定した時間に
 送信してくれるシステムを使って、
 私がABでないことをABの会のみんなに
 お知らせすることにしました。

 1通目のメールが届いたあと、
 5分たってから2通目のメールが届き、
 そのメールを開くと、
 わたしの献血カードの画像が
 添付してある、という仕組みでした。

 1通目と2通目がほぼ同時に届いてしまうという
 アクシデントはあったものの、
 うまくいったとおもいます。
 みんな本当に驚いていたし、
 ABの会はとっても盛り上がったのです。
 
 そのおかげで、
 こんなコンテンツまでできてしまいました。
 みなさんにおもしろがっていただけたようですが、
 個人的な勘違いが、ここまで大きく広がってしまって、
 お騒がせしてしまったことについては、
 なんだか申し訳なくおもいます。
 ほんとうに、すいませんでした。

 そして、
 60年間も自分の血液型をまちがっていた父は、
 2月半ばに亡くなりました。
 父の勘違いのせいで
 娘はえらい大変だったんだぞ、
 と話す事ができないまま、
 お別れになってしまったのは
 ちょっぴり残念です」

父の病気をきっかけに、
自分のほんとうの血液型を知ったやまかわみちこが、
ある日、針生にそれを打ち明け、
針生がその告白の方法として
「ABの会」の6人全員に
メールを送ることを提案した。

それが、この「AB事件」の
ごくごくシンプルな顛末です。

ことのしだいはこれまでに記したとおりです。
当日の状況などは、できるだけ、
事実に基づいて書きました。
が、じつは、ひとつだけ、
演出上、事実とは異なる描写をくわえてあります。
具体的には、以下の箇所です。

けれども、おわかりになりますでしょうか?
その、いったい誰が「犯人」かわからない、
宙ぶらりんの数分間が、
私たち6人にとって、いえ、5人にとって、
どれだけ、わくわくするような瞬間だったか!

「コノナカニ ヒトリ
 AB ジャナイ ヤツガ イル。」

──うそだろう?
──えーー、誰?
──わざわざ仕込んだんだー?
──みんな同じ文面?
──血液型まちがってたってこと?
──うそ、このうち誰かが?


みっちゃんの独白にもありましたが、
じつは、この最初のメールに続いて、
種明かしのメールが届いていたのです。
しかも、その2通目のメールは、
技術的なアクシデントによって、
1通目とほとんど同時に届いていたのです。

つまり、実際には、みんなが1通目のメールを開き、
「なんだ、なんだ?」となっているところに
2通目のメールが届いてしまっていた。

ここが、これまでに書いた描写と違うところです。
そして、そこにこそ、このコンテンツが
生まれるに至った「動機」があるのです。

わかりやすく言いましょう。
私たちは、あの日、あの場で、
あの奇妙なカタカナのメールを受け取ったあと、
いったい誰が「犯人」かわからない、
宙ぶらりんのわくわくするような数分間を
経験することができなかったのです。

みっちゃんのサプライズな告白自体は
見事に成功しました。
けっきょくみっちゃんが直接、
ことの次第を告白し、
ほかのメンバーは驚いたり、残念がったり、
みっちゃんをからかったりしながら
その告白をたのしみました。

そして、みんなの携帯に届いた
2通のメールの意味が、
後追いの形で、ようやくみんなに理解できたとき、
ああ、それはもったいなかった、という感覚が、
みんなのなかに生じたのです。

──いえ、正確には、
みんなのなかに生じたのではなく、
このコンテンツの書き手である、
「私」のなかに、強く、生じたのです。

ああ、なんてもったいない!
2通目のメールが、
もう数分間、遅れて届いてさえいれば、
子どものころからずっと憧れていた、
「犯人を捜す登場人物の喜び」を、
現実の世界でリアルに味わうことができたのに! と。

私はそれをその場で大いに嘆きました。
この告白の方法を提案した針生に、真剣に言いました。
なんてすばらしいことを思いついたんだ、
そして、なんてもったいないことをしたんだ、と。

おもしろかったけど、残念だった。
そんなことを、大人げなく、
しつこく、話しているうちに、
私は、あることを思いついたのです。
こらえきれず、私はその考えをみんなに告げました。

1通目のメールが届いた時点で時計を止めて、
「犯人」を当てる遊びを、もう一度やり直そう。

幸いなことに、そこにいたのは
私の思いつきを話すのに、
最適なメンバーでした。

私が真剣にそれを提案していると感じるや、
ホタルイカの美味しいその店は、
たちまち企画会議の場となりました。

どのレベルで遊ぶか。
どういう路線がありうるか。
なにが必要か。誰が必要か。
どのくらいの規模で組み立てるのか。
隠しておいたほうがいいものはあるか。
事実と演出のバランスをどうとるか。

だいたいのかたちが見えて、
ほんとうにやろう、と6人が決意したあと、
「私」はそのままファミレスに入って
最初の原稿を書き上げました。

そのようにしてできあがったのが、
この『AB事件』です。
そして、すでに多くの方が推測されていますが、
書き手は、私、永田でした。
(第5話は山下が担当)

この『AB事件』というコンテンツは、
実際に起こった出来事をテーマにしていますが、
完全なドキュメンタリーともフィクションとも
違うかたちをとっています。

「ほぼ日ミステリー劇場」と銘打ってますが、
多くのミステリーファンならとっくにご承知のように
「犯人当て」の根幹にはミステリーの要素ではなく、
「血液型のタイプ分け」という
まったく別の遊びを組み込んでいます。

これは当初から目論んでいたことで、
事実をレポートすることで
読み手の好奇心を喚起しながらも、
本格的なミステリー形式によってではなく、
誰にでも持ち合わせの知識で絞り込むことができる
「血液型当て」によって、多くの読み手に、
犯人当てに参加してもらおうと考えたのです。
それは、「血液型当て」が、すっかり外れた場合、
そうなったらそうなったでおもしろい、
というところまでも含めて。

ですから、事実を伝える部分に関しては、
(一部に演出上のうそがあるとはいえ)
その場で起こったことを、ただそのまま書きました。
伏線も、ヒントも、文中に散りばめることを
まったく意識しませんでした。
その意味では、あいまいな部分や
厳密な推理をじゃまする言い回しが
混ざってしまったかと思います。

つまり、この『AB事件』は、
典型的なミステリーのふりをしてはいるものの、
ミステリー的な謎解きだけを
純粋にたのしむことはできない。
そのはずでした。

しかしながら、参加してくださった
多くの読者諸兄のメールをつぶさに読むと、
「提示された事実から犯人を絞り込む」という
まさに、推理の根本ともいえることが
細かく成立していることに気づきます。

多くの方が「血液型当て」として
このコンテンツを気軽に楽しんでくださった一方で、
「事実から犯人に近づく」ことに
かなりのところまで成功している、
まさに「名探偵」も、いらっしゃったのです。

そういった例を挙げるまえに、
まず、ぜんたいのメール数をご紹介しましょう。
金曜日の午前11時にみなさまからの推理を募集し、
月曜日の午前11時にそれを締め切るまで、
じつに、745通ものメールが届きました。
以下に掲載するグラフは、
それを「犯人別」にしたものです。


多くの方は「AB型でない=犯人」を
山下と池本に選ばれました。
メールの文面をひろっていくと、どうやら、
「山下=アバウト=B型」
「池本=几帳面=A型」
といった結論を導いた方が多いようでした。

アンケート結果や、
乗組員の予想も影響したと思いますが、
挙げられた根拠のなかで、
もっとも多かったのは圧倒的に「直感」でした。
第一印象によって「犯人」を選び、
その直感の裏付けとしてアンケート結果を役立てる、
という方がもっとも多かったように思います。

読んでいて興味深かったのは、
そういった選び方をする場合、
「アンケート結果はおおむね、
 自分の直感を裏づけるように
 都合よく解釈することができる」
ということでした。

このあたりの、
「いったん思い込めば、どんどんそう思えてくる」
ということが、日常生活における
血液型についての会話がとてもおもしろいことの
理由かもしれないなと思いました。

と、このあたりは、
「血液型当て」についての話。

それでは、
「血液型ではなく、本格的な推理を目指した方」は
どのような筋道をたてて、
犯人を絞り込んだのでしょうか?

述べたように書き手はその日起こったことを
その日のうちに書き記しました。
伏線やヒントを散りばめる意図はありませんでしたが、
記憶が鮮明なうちに描写したことで
それは紛れもなく真相をあぶりだす
手がかりとなったのです。

そして、そのように事実から
見事に推理を組み立てていった方の多くは、
犯人を「針生」と予想しました。
やまかわみちこの独白を読んでいただければわかるように
「針生」はいわばこの事件の「共犯者」であり、
メールを手配したという点においては
「実行犯」でもあります。

もちろん、『AB事件』というコンテンツの
犯人は「みっちゃん」から揺らぎませんが、
「実行犯」としての「針生」を的中させた方も
ある意味では、当たりであるともいえます。
とりわけ、その根拠がたしかな場合は。

なかでも、もっとも見事なメールを一通、
少々長いのですが、ご紹介いたします。
読んだときは、まるで自分が
ホームズの推理を聞く
ワトソンになったかのような気分でした。

私は、AB事件の犯人は針生さんだと考えました。
理由は2つあります。

1つめは、メールの送信時刻です。
今回のメールは自動送信なので
(第1話の最後の写真から分かります)、
送信時刻である「22 時きっかり」は、
犯人が事前に設定したものです。

ところで、この日の「ABの会」は
20 時 30 分に始まり、
針生さんは1時間遅刻なさいました。
つまり送信時刻は、飲み会開始から1時間半、
針生さん到着から30分後です。

これはけっこう、際どい時間設定だと思います。
今回のいたずらは、6人全員が
揃っている状況でやらないと意味がありません。
しかし、ABの会の皆さんは、
針生さんがお仕事で遅れることは分かっていたはずです。
もちろん、「1時間後には行けるよ」的なことは
聞いていたでしょうが、
それでも残業が伸びてしまうことだって
十分に考えられます。

この状況で、「開始1時間半後」という
割と早い時間に送信予約ができるのは、
自分がどれくらい遅れるか、
分かってから送信予約できる、
針生さんしかいないのではないかと考えました。
これが1つめの理由です。

2つめの理由は、受信当時の状況です。
今回のようないたずらで最も避けるべき状況は、
送られたメールに誰も気づかない、
もしくはスルーされる、ということです。
そこで、皆にメールを意識させるために、
犯人がとれる手っ取り早い方法は、
自分の携帯を机に置いておいて、着信に気づかせることです。

受信当時、携帯を机に置いていた方は、
文章に書かれている限りで2人います。
ぐっさんと針生さんです。
しかし、ぐっさんはメールの着信に気づいたのに、
スルーしてトイレに立っています。
自分なら、そんなおいしい、
しかもいたずらの成否がかかっている状況で、
トイレに立ったりはしないです。
このことからも、針生さんが怪しいな、と感じました。
(宮谷)


針生本人にも確認しましたが、
書かれていることは、どんぴしゃでした。

そのほかにも、たくさんの鋭い推理がありました。
すべてを掲載するわけにはいきませんが、
「ABの会」6人が思わずうなったメールを
部分的に、いくつかご紹介いたします。
つまり、以下に挙げられた推理は、
その箇所に関しては、ズバリ! なのです。


永田さん、山下さん、池本さんは41歳以上で、
今年が初めての人間ドックではないはず。
AB型でないことがわかっていたとすると
もっと前からわかっていたはず。
(minmin)


「最近人間ドックに行った人」という
あややさんたちの証言を聞き、
「ただいま製作中!」を読み返してみると、
山下さんと永田さんが人間ドックを受けたのは、
5月25日ですよね?
でも事件が起きたのは5月15日‥‥。
山下さんが犯人さんだとしたら、
気付いたのは人間ドック以外ということに‥‥。
いったい、何で?
(はる)


「初対面の人がAB型かわかるか」
という問いの答えでわかる事は、
「わかる」と断言した
「ぐっさん」「池本」はシロということです。
ABへの愛着やこだわりがあればこそのこの答えですが、
わからないからといって愛着がないわけでもありません。
肝心なのは、「自分がABではない」という告白を
このような形でしているという状況にある人が、
果たして、わかります、と断言するだろうかという所です。
(B型の女@お茶の水)


犯人は二人います。
一人は自分がAB型だとは予想もしてなかったA氏。
最近行った人間ドックでA氏は驚愕の事実を聞かされます。
それは自分の血液型がAB型ではなかったこと。
動揺したA氏はABの会のメンバーであるB氏に
その事実を打ち明け相談します。
自分がAB型でなかったこと。
そして大好きだったABの会に
もう出席できないかもしれないこと。
それ聞いたB氏は、真剣なA氏の不安をよそに
思わぬこと口にします。
「これ、ABの会でドッキリにしよう。」
(SR)


このコンテンツのライター役は
永田さんだと思うのですが、
彼は自分で仕掛けた遊びを
「これコンテンツにできないかな」と
提案、主導する人物ではない(きっと)。
他の誰かがやった事だからこそ
「俺が書いてみるよ」と言えたのではないでしょうか。
それで永田さんは(実は最初から)排除。
(ユズコップ)


第2話のプロフィール情報を読み返してみると
「ABの会がすごく好きで、大事にしてきました。」
『してきました』とすでに過去形で語っています。
そして、
「あまりのことに、おどろきましたが、
 みんなには言わない方がいい!って思いました。」
そう、これこそが今まで告白できなかった
彼女の自白なのであります。
みっちゃん。あなたでしょう?
(ほんわか刑事)


針生さんがiPhoneを机の上に出していたのは
その時間にメールが来るとわかっていたから。
また、メールは全員揃ったところに
届かないと意味がないから
他のみんなが会社を出たことを確認して、
自分はあえて遅れて参加。
21時半頃に店に行くことにして、
まだ解散していないであろう
22時にメールを送信するよう設定した。
というわけで‥‥
「AB型じゃないのは、あなたですね、針生さん」
(べーかん:A型)


一人遅れて現れたアイツ。
メール着信が分る様に、油っぽい鉄板屋のテーブルの上に
わざわざiphoneを出していたアイツ。
そうです、ソイツこそ針生であります!
動機はおそらく、あんなに毎回
はしゃいじゃったもんだから、
さらっと「違いました〜エヘッ」とは
言えなかったのでしょう。
AB会への愛が、彼をこうさせたのでしょうな。
(ここで特捜最前線の「私だけの十字架」が流れる)
(特命捜査課:大滝秀子)


感想をふくめ、たくさんのメール、
ほんとうにありがとうございました!
すべて読んで、たいへんうれしく思いました。
なお、賞品の「探偵ルーペ」の当選者には、
近日中にこちらから送付先を
確認するメールを送ります。
どうぞ、たのしみにお待ちください。
たくさんのメール、
ほんとうにありがとうございました!
あらためてのご感想なども
ぜひ、メールしてくださいね。
僕が犯人だと予想したみなさま。
最初にABだということがわかってしまう役
(サスペンスドラマで言うなら最初に死ぬ役)
でしたので、早々にハズレということが確定してしまい
申し訳ありませんでした!
もし次があるなら、次こそ犯人か犯人じゃないかの
ギリギリのところを攻められるような
登場人物になりたいと思いますので
ご支援のほどよろしくお願いいたします!

にしても、みっちゃんと僕がしかけた
ちょっとした遊びが、ここまで大きくなるなんて
夢にも思いませんでした。
正直言って、犯人を推理する側で
これを見ていたかったなぁと思ってます。

で、今回、AB型を証明するために
献血ルームで献血をしてきたのですが、
お姉さんが血液型を判定するときに
最初「A型です」って言い放ったんです。
思わず身を乗り出して「えぇっ!?」と。
「僕もみっちゃんと同じ勘違いを?!」と。
するとお姉さん、「あ、間違えた。ABです、AB」。
思わず「普通、そこ間違えないでしょ」と
ツッコミを入れてしまいました。
でも、そのお姉さん曰く、
ここで血液型が違っていることが発覚する人、
けっこう多いらしいのです。

いま、自分がA、B、O型だと思っているそこのあなた。
あなた、ひょっとすると‥‥AB型かも。

次回
『ほぼ日ミステリー劇場
 AB事件2 〜おれがABであいつもABで〜』
でお会いしましょう?

「犯人は山下」という大量のメール、
ありがとうございました。
たぶんぼくが1位になったと思います。
これは、たいへん複雑な心境です。
‥‥そうだったんですね。
ぼくはまったくAB型らしくなかった‥‥。
妻からあんなに次々と、
七色の苦情を言われたのも初めてのことでした。
その意味でもこの企画は、
ぼくにとって貴重な体験になったと思います。
「つかったものは、もとに戻す」‥‥がんばります。

それはそれといたしまして、
「怪メール」が届いたあの事件から
妙におおげさなこの最終回までずーっと、
わくわくしっぱなしの1カ月半でした。
みなさんの参加意識がグイグイ伝わってきたことも、
うれしい手応えで。

最後に、いちばん印象的だったことをひとつ。
それは、
読者のメールに書かれていたことばでした。
1通だけではなく複数のメールに、
こんな意味のこと↓が書き添えられていたのです。

「誰が犯人でも、その人もいっしょに
 これからもABの会を続けてくださいね」

‥‥ありがとうございます。
きっと、そういうことになると思います。
いっしょに遊んでくれて、ありがとうございました!
いやーおもしろかった!
ホタルイカの鉄板焼きを待っていたところからここまで、
非常に面白い体験でした。

メールをたくさんいただく中、
「犯人はぐっさん」と推理された方が疑問に思ってたことに
ちょっとお答えしますと、

メールに「自動送信」の文字がない。
→見えてたらあとで困るかなと思って、
 画面を上に上げただけです。

質問の答えがあっさりしすぎている。
→ちょうど急いでいるときに書いたらああなりました。

AB型がAB型以外の血液型が好きなんておかしい。
→それが、なんとも、B型にあこがれてるんです。

などがありました。
あてにならないものですね!

山口がAB型とわかる第6話には
恥ずかしながら、母が電話で出演しましたが、
その際「すっとりばやい」という言葉が出ました。
母は、「すばやい」という意味で使っていたようですが、
たぶんあれは、母の造語です。
AB型だと解決するための電話で、
そんな謎ワードを話していた母はB型です。

きっと血液型は話のネタのように、
一つの共通点としてあるんでしょうね。
ただ、同じというだけでもとても楽しい。

今回の話をネタにまたみんなで飲みにいきたいと思います。
おつきあいいただきまして、ありがとうございました。
じゃ、みなさんも。
エービー!

みっちゃんに毒(?)を盛られた池本です。
たくさんのメール、ありがとうございました。
序盤戦、「犯人は池本」という予想が
ぶっちぎりのトップを走っていたのですが、
後半戦には息切れし「犯人は山下」にあっさり
抜かれてしまいました。
まるで往年の阪神タイガースのようですね。
いただいた予想メールは、
どれもこれも名推理ばかりで、
「犯人は池本」メールを読んでいるうちに
「言われてみると確かにそうだよなあ。
 もしかするとほんとはABじゃないのかも。
 じつはA型だったりするのかも」
と思わされてしまいました。
すごく説得力があって面白かったです。
ちなみに、私は正真正銘AB型です。
連載がはじまる前に行った
人間ドックではちゃんとAB型でした。
「AB会」なるものに参加したのは、
私がほぼ日に入社して間もない頃。
共通点が血液型というゆるい飲み会は、
すごく気楽でたのしくて、
今よりも少々緊張しながら過ごしていた
当時の私にとってはなんともありがたい
飲み会だったのでした。
B型が判明したみっちゃんではありますが、
これからもこの6人で「AB会」は
名前を変えることなく
ゆるゆると続いていくことでしょう。
どこかの居酒屋さんで見かけたおりには、
「ほぼAB型の人たち」として
生暖かく見守っていだだければと思います。
本当にどうもありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう。
経緯も、分析も、解説も、
書き手としてたっぷり書いてしまいましたので
言い残したことは、ほとんどありません。

たくさんの推理メール、感想メール、
ほんとうにありがとうございました。

十代のころに読んだアガサ・クリスティと、
アメリカのテレビ番組『SURVIVOR』に、
このコンテンツを勝手に捧げます。

おつき合いいただき、
ありがとうございました。
また、遊びましょう。

犯人はわたしであろう、というメール、
本当に少なかったんです。
よしよし、ばれてないぞ、と思う反面、
もしかして、私が犯人だなんて
だーーれも期待していないのではと、
どきどきしながら今日をむかえています。
みなさん、ほんとうに
お騒がせしてすみませんでした。

このコンテンツを作っている間が、
本当に大好きな、
たのしい「ABの会」でした。

実は早くもABの会のみんなから
「みっちゃん、そういうところが
 ほんとB型だよねー」と
いじられたりしていますが、
みなさん、どうか、お手柔らかにお願いします。

ページを作り、
おもしろい写真をとってくださった山口さん、
コンテンツにしようといってくれた永田さん、
まさかB型だったなんてと、
一番最初に悲しんでくれた山下さん、
みんなへのカミングアウトを考えてくれた針生さん
それまで寡黙だったのに、
まさかの名演技を見せてくれた池本さん、
そして、ご協力いただいたみなさま、
いっしょに楽しんでくださったみなさま、
ほんとうに、ほんとうにありがとうございました!


最後にエンディングをどうぞ!


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2010-06-25-FRI


第1話 当日深夜、記す。 2010-06-16
第2話 それは‥‥誰だ? 2010-06-17
第3話 犯人は‥‥おまえだ!
2010-06-18
第4話 あなたでしょう? 2010-06-21
第5話 妻の証言。 2010-06-22
第6話 母の証言。 2010-06-23
第7話 誰が、こんなことを! 2010-06-24