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おんなのホテル道。 その7




ノリスケ うん。最近の丸の内いいですよね。
ジョージ いい。いいね。
どんどんホテルできてくるしね。
ノリスケ えーと、マンダリン・オリエンタルができて。
ジョージ マンダリンができて、
フォーシーズンがあって。
ノリスケ ペニンシュラは?
ジョージ ペニンシュラが9月開業ね。
あれは日比谷の入り口になるね。
ノリスケ うん。あと‥‥
ジョージ えと、森ビルが2009年に
シャングリ・ラを連れてくるね。
ふたり ほお。
ジョージ で、JRがメトロポリタン
もうすぐオープンじゃないかな?
ノリスケ JR系列よね、メトロポリタンって。
ジョージ うん。昔のターミナルホテルだよね。
丸の内にあったステーションホテルが
今はクローズしてるけど、
あの駅舎が建て替えになったら
新しくまた入るんだよね。
東京駅前には丸の内ホテルもあるし。
ノリスケ うん。あの、一つね、さっきおっしゃった
パークハイアットとかは、
欧米、アメリカ系ですよね。
ジョージ うん。
ノリスケ で、今わりと注目されている
マンダリンにしてもシャングリラにしても、
フォーシーズンズはあれだけど、
椿山荘と合体してる。
もちろんアマンもそうだけど、
そういう東洋のホスピタリティって
ずいぶんホテル業界では、
大きな価値と流れを産んでいるのね。
この間アメリカの旅行雑誌を読んでたら、
ビジネスホテルランキングで
ニューヨークのトップが
マンダリン・オリエンタルだったの。
ジョージ うん。
つねさん へえ。
ノリスケ ビジネスホテルとして、よ?
ビジネスマンが泊まるホテルとして、
ニューヨークでは
マンダリン・オリエンタルが最高なわけ。
何かね、ちょっと前だと
日本人だから今さら
東洋のホスピタリティーよりも、
どっちかっていうとバタ臭い方が
オシャレじゃない?
っていうのもあったんだけど、
ちょっとアメリカ的すぎるものって、
何だろう、パークハイアットまで
いっちゃえば元気になるんだけど、
中途半端だとついていけなくて、
めげちゃったりするんだよね。
ジョージ ああ、そう。欧米系はね、
使いこなすためにお客さまの力量が
ものすごく試されるね。
基本的にお客さまといえども
ホテルの中でプライバシーを
大切にしたいであろうから、
お客さまから何かを言われないと
決してアクションを起こしてはいけないのが
欧米の考え方なの。
つねさん なるほど。リクエストすれば
応えてくれるけれど。
ジョージ いつも見て差し上げてはいるけれども、
何かしてほしい素振りをしなければ
絶対に動くことがないの。
だからある人にとっては
ものすごく冷たくてそっけないの。
ノリスケ うんうん。
ジョージ だけれども、何かしてくださいと
言った人にとっては
ものすごく満足があるってことになるのね。
ただ、ホテルもお客さんも知らないような
何かをしてあげたいと思うことが
あるじゃないですか。そうすると
「お客さま、こういうことを
 してほしかったんじゃないですか」
ということを言いに行かなきゃないけなくて、
それを言ったり、
言わずにそっとやってさしあげるのが
東洋系のホテルなんじゃないのかな?
でもそれを鬱陶しいと思う人も
いるかもしれないし、
それがありがたいと思う人が
いるかもしれない。
つねさん 気がつくなあとかね。
ジョージ 例えばペニンシュラ。
今度の日比谷のホテルは
日本で一番クロゼットとパウダールームが
大きい部屋になるかもしれないって
言われてるの。
ノリスケ へえー。
つねさん すごいね。おもしろい。
ジョージ これは何泊も宿泊してもらって
着替える楽しみを
そこで味わってほしいという
プレゼンスらしいんだけれど、
ペニンシュラホテルの伝統として、
夜寝る間にクロゼットの中の
シューボックスがあって、
その中に靴を入れて閉じておくと、
夜中に反対側から箱を開けて
磨いてくれるっていうサービスがあるのね。
ふたり へえー。
ジョージ これって、靴を他人に磨いてもらうと
いうことを特別と思う人の
メンタリティーなんだよね。
それがペニンシュラの
ホスピタリティーの原点。
多分これは東洋人の
考え方なんじゃないのかな?
ノリスケ ああ。
ジョージ しかも自分が寝てる間にきれいにしてもらう。
多分、アメリカ人であればバトラーを呼んで、
履いている自分の靴を磨いてもらうことに
満足を覚える。
つねさん 履いたままね。
ジョージ そう。
ノリスケ かしずかせて‥‥。
ジョージ まあ、かしずかせるのもあり、
そこで会話で楽しむっていうのもあり。
ノリスケ ああ、両方か。
ジョージ だけど、東洋人的メンタリティーとして
みれば、やっぱり知らない間に
きれいになって、朝箱を開けると
ピカピカになってるこの驚きっていうの?
ノリスケ 気持ちいいよねえ。
つねさん ああ。
ジョージ そっちの方が楽しいだろうなあと
いうふうに思うね。
つねさん すごいなあ。
ノリスケ 再生。生まれ変わるみたいな考え方だからね。
ジョージ そうそうそうそう。
つねさん そっか。
ノリスケ なるほどね。そうやってホテルを選ぶんでも
いいわけね。うんうん。
ジョージ で、私は今日元気で立派な大人として
ホテルに立ち向かいましょうっていう気持ち、
それもモティベーションの一つだと思うね。
ノリスケ そうだね。それでもっと
元気になりましょうって。
ジョージ その時には欧米系を選ぶといい。
だけど、ほんとに疲れて疲れて癒されたくて、
どうにかしてくださいって時には
東洋系なんじゃないかな、と思う。
ちなみにバリのブルガリホテル
マリオットの運営だよ。
ノリスケ そうなのよね。マリオットと共同なの。
つねさん へえ。
ジョージ そう。
ノリスケ マリオットってことは。
ジョージ アメリカです。
ノリスケ アメリカで、モルモン教系の企業よね?
ジョージ マリオットグループは
リッツカールトンホテルを持ってる。
祈りの経営みたいな方向に向かってるから。
お客さまがおっしゃることは
全て正しいという。
つねさん へえ。
ジョージ それを正しいと思えない私たちの方に
問題があるのだというので。
そういう雰囲気が好きかどうかっていうのは
ボク個人とはちょっと違うなあって思うけど。


2007-01-24-WED

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