ほぼ日テレビガイドシリーズ  秋の連ドラチェック2009  あややとふたりのプロフェッショナル

まだまだ続く、秋の連ドラチェック!
まずは、同じジャンルが同じ枠で激突。

相棒 season8
テレビ朝日系 水曜日 21時〜
出:水谷豊 及川光博 岸部一徳

水曜劇場 浅見光彦〜最終章〜
TBS系 水曜日 21時〜
出:沢村一樹 風間杜夫 原沙知絵
あやや すいません、質問していいですか?
あの、水曜日の夜9時の枠に、
同じ感じのドラマがふたつ並んでるんです。
荒井 え? あ!
森下 刑事ものが、ふたつ。
あやや そう。『相棒8』と『浅見光彦』。
これって、わざとっていうか、
あえてぶつけてるわけですか?
偶然ってことじゃないですよね?
森下 偶然だとしたら、問題(笑)。
荒井 うーん‥‥ぶつけてるとしたら、
ちょっと失敗だと思うなぁ。
正直、いまの『相棒』は強いですよ。
あやや あの、オタクなことを言うと、
『相棒』といえば、水谷豊さんですよね。
で、ずいぶん昔に、『浅見光彦』を
水谷豊さんが演じたことがあるんですよ。
荒井 ああ、そうですね。
あやや そのときの『浅見光彦』は火サスだったから、
TBSじゃなくて日テレだったんですけど、
『相棒』に、わざわざ同じジャンルの
『浅見光彦』をぶつけるというのは、
なんていうか、局側のメッセージというか、
「水谷豊さんといえば
 『浅見光彦』でしょう!」みたいな‥‥。
荒井 いや、それはない(笑)。
あやや ないか(笑)。
森下 枠のこととか、ぶつかることとか、
もしかしたら、あんまり重く
とらえてないのかもしれませんね。
よさそうなものを、ここでやる、
っていうくらいの感じで。
荒井 だとすると‥‥うーん‥‥
どうなんでしょうねぇ。
食い合っちゃうっていうだけでなく、
純粋にこの手のドラマが観たい人は、
「わざわざ重ねないでよ」って
思うんじゃないかなぁ。
あやや あ、うちの父とかそうですね。
これ、両方観ちゃうような人ですから。
荒井 なんていうか、
せっかくなのにもったいない!
っていう感じがするんですよね。
あやや そうですねぇ。
ま、でも、録画が当たり前の昨今だから
昔ほどは気にしてないのかも。
── ドラマの内容のほうはどうでしょう。
あやや 『相棒』でいうと、
トピックはなんといっても新相棒ですよ。
森下 及川光博さんでしたね。
あやや そうそうそう、だれだろうって
ずっとひとりで予測してたんですけど、
まったくノーマークでした。
予想したキャラ自体が違ったというか。
森下 寺脇康文さんとは
まったく違う路線に行きましたね。
コミカルというよりは、
さらに違ったクールさに。
あやや そうそう。
荒井 ただ、不安もありますね。
もとのクール&コミカルの
コンビがよかっただけに。
あやや でも、及川さんって、両方いけますよね。
予想は外れたけど、たのしみではあります。
森下 ちなみに、誰を予想してたの?
あやや わたし、向井理くん。
森下 ああー。
荒井 じゃ、やっぱり
コミカルというよりは二の線を?
あやや あ、予想というか、
たんに観たかっただけかも。
森下 なんだそりゃ。
あやや でも、なんだろう、
メインキャストの交代っていう
大きな変化があっても
『相棒』には安心感があるんですよね。
やっぱり、培った実績というか。
森下 そうですねー。
荒井 その意味では、
『浅見光彦』もおもしろいですよ。
あやや そうそうそう。
荒井 2時間ドラマでやってるときは
いつもたのしませてもらってました。
あやや 実力ありますよね。
荒井 長いこと2時間ドラマでやってますから、
そこは安心できます。
森下 原作の作品数が豊富だっていうのも
安心できる要因ですよね。
だって104作品もあるんですよ?
あやや すごいですよねー、内田康夫先生。
荒井 だから、『相棒』も『浅見光彦』も、
安心して観られる推理ものなのに、
同じ枠なのは‥‥うーん‥‥。
あやや うちの父はどっちを観るのかなぁ。
森下 刑事ドラマ好きなんだ。
あやや もうすごい好きなんです!
『特捜最前線』ぐらいからずっと。
荒井 『特捜最前線』。渋い。
リアル・クローズ
フジテレビ系 火曜日 22時〜
出:香里奈 黒木瞳 西島英俊
あやや 原作のあるドラマは今季も多いですけど、
『リアルクローズ』はマンガが原作。
森下 槇村さとるさんですね。
あやや 槇村さとるさんが原作って聞くと
やっぱり楽しみになっちゃいますねー。
森下 わたしも、槇村さとるさん、大好き。
とくに昔の作品は泣けるのか多いよー。
『N★Yバード』とか、
『ダンシング・ゼネレーション』とか、
『白のファルーカ』とか。
ごめんね、マイナーなのばっかりで。
あやや 槇村さとるさんの絵って
すっごい美人じゃないですか。
演じるほうは、まずあの絵と比べられるから
たいへんでしょうねー。
荒井 主演は香里奈さんですね。
あやや 内容から察するに、要するに香里奈さんが
バービー人形みたいになるんですよね。
森下 まぁ、展開としては、
『プラダを着た悪魔』みたいな?
売る側だから、違うっちゃ違うけど。
あやや でも、『プラダを着た悪魔』だったら
おもしろいですね。
ってことは、黒木瞳さんが
メリル・ストリープ?
森下 立場的にはね。
あやや あと、資料を見ると、
どうやら「名言」が毎回出てくるみたいで
わたしとしては、
けっこうツボなんですよ、そこ。
「名言系」は観ちゃう。
── すいません、
「名言系」の意味がわかりません。
あやや たとえば、
『29歳のクリスマス』ってのがあって、
各回の最後に必ず名言が出てきてたの。
こう、ちゃんと、文字になって。
── 「記録、それは、はかない‥‥」
みたいなやつ?
あやや なんで『びっくり日本新記録』なんですか!
森下 互いに、昭和にくわしいね。
あやや まぁ、ともかく、
「名言」に注目したいのですが、
それ以上に注目したいのは男優陣!
荒井 けっきょくそこですか。
森下 でも、わからないでもない。
高岡蒼甫さんとか?
荒井 宮崎あおいさんのダンナさんですね。
あやや そう、高岡蒼甫さんもすごくいいし、
あと、西島秀俊さんが、
わたしはけっこういいんじゃないかと。
荒井 渋いですね。
あやや あと、小泉孝太郎さんも。
森下 小泉つながりでいうと、
進次郎のほうもハンサムだったねぇ。
あやや ねぇーーー。
荒井 あっちが下でしたっけ。
あやや そうです。
立候補したほうが次男。
森下 ちょっと暗さが混じるんだよね。
あやや ちょっとお父さん寄り?
森下 っていうか、
ホントーにまことにもって
大きなお世話ですが、
あの兄弟は逆のほうが
いいんじゃないかと思っちゃう節も‥‥。
進次郎さんの「暗さ」が役者っぽくて、
孝太郎さんの「明るさ」のほうが
政治家っぽくもあるというか。
荒井 あーー。なるほど。
あやや そっちのほうがいいかも!
じゃあ、そうしません?
── どうするんだよ。
荒井 でも、お父さんが一番の役者ですよねぇ。
小泉劇場‥‥。
森下 いえてます‥‥。
あやや いえてます‥‥。
── いえてます‥‥。
荒井 このままだとまたこのドラマも
男優の話で終わりそうなんで、
ここはつけ加えておきたい。
‥‥香里奈さんはいいですよ。
あやや おー。
森下 お好きですね。
荒井 うん、美しいです。
『こち亀』も香里奈チェックのために
観てましたから。
森下 気合い入ってますね。
あやや すいません、たいへん失礼なんですが、
わたし、香里奈さんのよさを探す旅に、
しばしば出かけては、
なかなか目的地にたどりつけず、
手ぶらで帰ってくる有様で‥‥。
荒井 え? わかんないんですか?
あの人のよさが?
あやや いや、あの、絶対に、
いいに違いないとは思ってるんです。
『だいすき!!』もあったし、
『ラブシャッフル』もあったし、
いいという人が多いのも知ってます。
トーク番組に三姉妹で出てくるときなんかも
ちゃんとチェックして、
「この子のよさを知りたい」と
いつも思っているのですが‥‥。
荒井 つまり、ひと目見て、「これは!」
という感じにならないってことかな?
あやや あの‥‥今後の課題というか‥‥。
森下 うちの2歳の娘は
「香里奈おねぇちゃんみたいになりたい!」
って、よく言ってますけど。
あやや あ!(パチンと手を叩きながら)そう!
わかる! 子どもが好きな顔ですよね。
荒井 目鼻立ちがくっきりしてて。
あやや そうそうそう。
森下 あの、なんていうか、女の子って、
もちろん個人差はありますけど、
総合的な傾向でいえば、
ギャルっぽい感じのものや人が
好きなんですよね。
あやや たしかに、自分の小さいときの
記憶を思い返してみるとよくわかります。
もう、わかりやすくかわいい子が
好きなんですよね。
森下 うん。
あやや 目がちょっと丸くって、とか。
だから、菊池桃子さんとか
好きでしたもん、わたし。
あと、ほかに好きだったのは‥‥。
── はいはい、そういう、
きりのない思い出話はやめて、
つぎのドラマに行きましょう。
ギネ 産婦人科の女たち
日本テレビ系 水曜日 22時〜
出:藤原紀香 上地雄輔 板谷由夏
あやや 『ギネ』はどうですか?
荒井 「ギネ」って、なんなんですか?
森下 産婦人科のことを専門用語で
「ギネ」っていうらしいですよ。
荒井 へぇー。
あやや これは『アイシテル』の枠ですよ。
森下 注目枠ですね。
あやや その、要注目の枠に、
主演が藤原紀香さん。
しかも、あんまりニコニコしない、
シリアスな役だと聞きました。
荒井 あのー、こんなことをいうのはなんですが、
藤原紀香さんというのは
いろんなジャンルで活躍されてますが、
こと、ドラマでは、
ホームラン級の当たりがないんです。
あやや そう、そうなんです。
森下 そうでしたっけ?
荒井 当たってないんですよ、不思議と。
あやや というか、思えば藤原紀香さんって
つかみどころがないといえばないんですよね。
ものすごく有名だし、話題にもなるし、
ユニクロのCMに出れば
ジーパンがどんどん売れるし、
離婚してもちっともイメージ悪くなってない。
けど、たとえば代表作がなにかというと、
よくわからないというか。
── あやちゃんにとっては、
香里奈さんと同じく、
藤原紀香さん探しの旅に出るような?
あやや いや! それはぜんぜん違います!
はっきりいって、私は、
藤原紀香さんのよさは痛感してます!
よさというか、生き様?
森下 生き様?
あやや たとえば、世間の注目が
いちばん集まった離婚のときに、
彼女はボランティアで
アフリカに行ってるんですよ。
それだけでもすごいのに、
アフリカから帰ってきたとき、
成田空港に颯爽と現れたときの
あの、白いシャツ!
森下 (笑)
荒井 (笑)
あやや あの輝きはねぇ、
好きとか嫌いじゃないですよ。
そんなものを超越したところに
あの白いシャツはあるわけです。
── もともとは
ミス日本かなんかでしたっけ?
あやや 準ミスかなんかになってるのかな。
荒井 でも、すぐ売れたわけじゃなくて、
売れない時代も長い人ですよね。
あやや 長い、長い。
森下 格闘技のK−1かなんかから
ブレイクしたような印象がありますが。
荒井 あ、そうですね。
あやや K−1のときの藤原紀香さんで
わたしが憶えているのが、
アンディ・フグさんが
亡くなったときのことですよ!
そのときの藤原紀香さんは、
顔のところに、こういう黒いヴェールです。
で、ノーメイクな感じで、うっすら涙。
覆うヴェールのキレイなこと。
対極ですが、あの黒いヴェールと
成田空港の白いシャツは、同等ですよ。
軸のブレなさと、強さにおいて同じ。
さっきの話にもどりますが、
こういった生き様のおもしろみを、
香里奈さんなんかも身につけていただけると
わたしも俄然興味がわくんですが‥‥。
荒井 なるほど、よくわかりました。
森下 つまり、藤原紀香さんは
芸能人のプロだと。
あやや そうです! プロフェッショナル!
── 著しくドラマの話から離れていることを、
永田がお知らせします。
荒井 ええと、これは
『アイシテル』の路線ですかね。
あやや そうだと思うですけどねー。
荒井 だとすると、
意外な当たり方をするかもしれないですね。
『アイシテル』も、設定的には
ちょっと暗すぎるような話でしたけど、
はじまってみるとおもしろくて
視聴率もよかったですから。
森下 派手なキャストじゃないんですけど、
きっちりいい人をそろえて
ちゃんと仕上げた感じでしたよね。
あやや 今回もそのにおいがしますよね。
松下由樹さん、板谷由夏さん、
八嶋智人さん、中村橋之助さん‥‥。
いい人、おさえてますねー。
荒井 やっぱり、『アイシテル』枠。
森下 『アイシテル』枠な感じがしますよね。
そういうフォーマットができてるというか。
あやや このドラマって、ここ数年の定番ジャンルの
「医療もの」でもあると思うんですけど、
「産婦人科医」っていうのは、
ドラマの題材としてはどうなんでしょう?
その、バリエーションとか、重さとか。
森下 や、でも、出産だけじゃなくて、
不妊治療なんかの話もあるだろうし、
そのあたりは問題ないと思いますよ。
あやや ああ、なるほど。
森下 もともとは
お医者さんだった方が原作だし。
あやや あと、脚本も大石静さんだ。
荒井 話せば話すほど、よさそうですねー。
ただ、いちばん未知数というか、
どうなるか見通しが立たないのが‥‥。
あやや 藤原紀香さん。
森下 なるほどー。
あやや でも、わたしこれ、絶対観ますね。
森下 わたしも。これはおもしろそう。
荒井 うん。いいかも知れませんね。


(続きます)

2009-10-18-SUN

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