第5話を観て
糸井 ハイ! そういうわけでございますけどね!
永田 突然、どうしたんですか。
糸井 たまには、こういうことも言ってみようかなと思って。
永田 あきらかに無理がありますよ。
糸井 ハイ! そういうわけでございますけどね!
西本 ハイ! もうたいへんですね!
永田 のるな、のるな。
糸井 TBSが総力をあげての開局55周年企画!
西本 豪華キャストでお届けしています!
糸井 ハイ! そういうわけでございますけどね!
西本 ハイ! もうたいへんですね!
糸井 ‥‥このあたりが限界かな。
永田 短っ!
糸井 FM局のアナウンサー的な人たちは
よくあの調子で元気に続けられるものだなあ。
西本 そういう場で育てばできるようになるんですよ。
糸井さんも、FM局に就職していれば
いまごろ、つらつら言ってるはずですよ。
糸井 そういうものかなあ‥‥。
ハイ! そういうわけでございますけどね!
そういうものかなあ‥‥。
永田 にしもっちゃんとかは
あっという間に順応しそうだね。
西本 それが仕事とあらば、いくらでも言いますよ。
ハイ! そういうわけで今日のお天気です!
気象庁の小松原さぁーーーん!!
永田 うるさい、うるさい。
糸井 じゃあさ、もし明日にでもさ、
糸井事務所がFM局に合併されたりしたらさ。
永田 「大が小を食う合併」ですね。
糸井 そうそう(笑)、
「大が小を食う合併」で。
西本 「イトイFM」になるわけですね。
永田 いや、「FMイトイ」だ。
周波数的には「FM1101」。
糸井 どっちでもいいんだけどさ、
そしたらみんなして
元気にしゃべりだすようになるわけ?
西本 そりゃそうですよ。
この「ほぼ日テレビガイド」なんて
お昼の痛快生トーク番組になるわけですよ。
糸井 ハイ! そういうわけでございますけどね!
西本 今週もはじまります!
ほぼにちーーーティーヴィーガイッドッ!
永田 それではここで道路交通情報です。
首都高速環状線は初恋インターを先頭に
3キロほどノロノロ運転が続いてます。
東名高速のぼりは馬面ジャンクションで
トラックが転倒しキャベツが散乱、
10キロほどの渋滞となっています。
つぎのお知らせは深夜2時ごろの予定です。
♪ワン、ワン、オー、ワン〜
 FMイトーーイーーーー。
西本 と、いうような感じになるんじゃないですか?
糸井 それは、無理だなあ‥‥。
西本 同感です。
ぜひ、その合併は阻止していただきたいです。
永田 リークしてでも阻止する方向で。
糸井 あっ、じゃあ、
「気まぐれカメら」を使って
リークするというのはどうかな?
西本 いったい誰の何をリークするんですか。
糸井 ‥‥すしとか‥‥犬とか?
永田 ていうか、それじゃ
リーク元がバレバレじゃないですか。
糸井 あっ、本当だ!
永田 バカなこと言ってないで
ドラマの話に移りましょう!
いっつもだらだら長くしゃべりすぎですから
今日は効率よくいきますよ!
西本 じゃ、ぼくのほうから
例によって関係ない話を。
永田 人の話を聞いてんのか。
西本 え〜、私、月曜日に
グラミー賞の発表をテレビで観ておりまして。
その番組のナビゲーター役が
じつは木村拓哉さんでした。
で、授賞式の最中に、いろんなミュージシャンが
イーグルスのカバーをやるという
「イーグルス・トリビュート・ライブ」が
あったんですけど、そこでなんと
『ホテル・カリフォルニア』を途中で端折って
『デスペラード』が演奏されたんです。
永田 えっ、『ならず者』が?
糸井 『デスペラード』のことを
『ならず者』って言ってるのは
いま、永田くんくらいだと思うよ。
西本 『ならず者』ではなく
『デスペラード』が演奏されまして、
ナビゲーター役の木村さんは
かなり盛り上がっておりました。
永田 へぇー、すごい偶然だなあ。
偶然だよね?
西本 まあ、偶然でしょう。
もし偶然じゃなかったら、
今回の『華麗なる一族』で
『デスペラード』をかけるくらいのことは
したでしょうから。
永田 あ、そういや今週はかからなかったね。
糸井 どうせなら毎週かけるという
お約束にしてしまっても
いいと思いますけどね。
永田 『離婚弁護士』におけるノラ・ジョーンズみたいに。
西本 もうそれ、誰も覚えてないと思う。
糸井 今週は事件が目白押しでしたから、
『デスペラード』タイムがなかったのかな。
西本 かけるとしたらどこだったでしょうね?
永田 キジを追って鉄平がひとり
森の中を行く場面なんかどうですか。
こう、木々の合間から光が漏れていて‥‥。
糸井 「♪デーースペラーードー」
永田 「♪ホワイ・ドンチュー〜」
ふたり 「♪ほにゃほにゃほにゃ〜」
西本 もうそれには、つっこみませんよ。
糸井 森の中はちょっとはまりすぎるなあ。
プロモーションビデオみたいになっちゃう。
永田 西田さんが亡くなるシーンだと
ちょっと重すぎるし。
西本 あ、じゃあ、そのあとの
病院のベンチはどうですか。
義父の死の余韻を引きずりつつ‥‥。
糸井 「♪デーースペ‥‥」
西本 つっこみませんよ?
永田 でも、あのベンチの場面はいいかもしれない。
時間の都合さえつけば、
流したかったところなんじゃないかとすら。
西本 ただ、そのあと、
たいへんなことになりますけどね。
永田 じゃんじゃん人が来ちゃうからね(笑)。
糸井 あのベンチはすごく
人をひきつけるベンチですよね。
あのベンチをみんなが
買ったらいいんじゃないかと思えるほど。
永田 わははははは。
西本 置いとくだけで人が集まるベンチ。
永田 重要人物が集うベンチ。
糸井 千客万来ベンチ。
西本 わははははは。
永田 置いて、そこに座るだけで、
もう、右から、左から。
西本 あるいは向こう側から
こう、回り込むように。
糸井 すごいベンチですね、あれは。
『まちぼうけ』でいうところの切り株ですね。
永田 (爆笑)
西本 あ、永田さんの好きな世界へ行きましたね。
糸井 こういうの好きですね、永田くんは。
つまり、あのベンチを置いておくと、
ウサギや相子がやってきて‥‥。
永田 ころりころげる、と(笑)。
糸井 もう、みんなやってきては、
ころりころげます。
永田 あはははははははは。
西本 今週、なにかというと現れていた
長谷川京子さんなんかは
ころりころげまくりですね。
永田 ダメだー、おかしー。切り株ベンチ。
ていうか、あの歌そのものがおかしい。
なんなんだ、あの歌は!
糸井 『まちぼうけ』ですよ。
永田 わはははははは。
西本 このまま『まちぼうけ』の話を続ける気ですか?
永田 そうしたい気持ちもありますが、
ドラマの話に戻りましょう。
糸井 今回、ぼくは久々に
「もしオレがあの役だったら」
を考えてしまったんですけどね。
西本 久々でもないような気もしますが。
永田 ま、うかがいましょう。
糸井 このドラマって、
タバコを吸うシーンがやたら多いですよね。
永田 そうですね。
糸井 で、それって、その役者さんが
本当にタバコを吸うかどうかとは
関係がないですよね。
たとえば、銀平はモクモクとタバコを吸いますが、
本来の山本耕史さんというのは
たぶん、吸ってないだろうと思われる。
まあ、知りませんけれども。
西本 ついつい鍛えすぎて、
筋肉で体の形が変わっちゃうような
ストイックな人ですからね。
糸井 吸わなさそうですよね。
でも、役の上では吸わなきゃならない。
永田 そうですね。
糸井 と、いうことを考えてみると、
役者さんというのはたいへんですよ。
あれがもしオレだったらたいへんですよ。
西本 ああ、そういうことか(笑)。
糸井 そういうことなんですよ。
ぼくはもう禁煙して3年になるわけですよ。
永田 たいへんな思いをして禁煙しましたね。
糸井 たぁーいへんでしたよ。
それまでのぼくといえば、
風呂に灰皿を持ち込んだことすら
あるような男だったわけです。
永田 昔、ぼくがゲーム雑誌にいたころに
糸井さんを取材したときはたいへんでしたよ。
子どもも読む雑誌ですから、原則として
「タバコを吸ってる人の写真はNG」
だったんですけど、糸井さんの取材後、
カメラマンが撮った写真を見てみたら、
なんとあらゆる写真でタバコを持ってる!
西本 いまでもこの人は
「タバコを吸うマネ」をやらせるとうまいですよ。
演技や小芝居はまったくできない人ですが、
「タバコを吸うマネ」だけは一級品の芸です。
指先にタバコが見えるかのようです。
糸井 (タバコを吸うマネ)
ふたり 吸ってる、吸ってる!
糸井 (灰皿を手元に寄せて灰を落とすマネ)
ふたり ある、ある、ある!
糸井 というほど、タバコを吸っていたぼくですよ。
それが、禁煙して、3年経って、
ようやく、「吸ってない人」になったわけです。
ところがです。
もらった台本に目を通してみると、
「銀平(糸井)、タバコを美味そうに吸いながら」
と書いてあるわけですよ。
永田 ああ、そりゃたいへんだ。
西本 いまは薬用の、のどの薬みたいな
無害のものもあるみたいですけど。
糸井 でも、リアリティーを追求する役者としては
やっぱり本物の紫煙にこだわりたいですよね。
というようなオレに、
タバコをモクモク吸う役が舞い込んできたら、
オレはそれを引き受けるのか?!
永田 率直にいって、
くだらないところで想像の翼を広げてますねえ。
糸井 「もしもオレだったら」シリーズは
そういうくだらないところにこそ広がるんですよ。
で、それをやることによって
ドラマの見方が非常に深くなるんです。
たとえば、『新選組!』における
まいど豊さんの‥‥。
ふたり まいどさんの話はもういいです!
糸井 ともあれ、タバコについては考えちゃったなあ。
西本 いまどきめずらしいですよね、
これほどタバコをフィーチャーしたドラマは。
永田 苦情とか来てるのかなあ。
西本 まあ、少なからず来てるでしょうね。
影響力のあるテレビが、みたいなことは。
永田 けど、それでやめるわけにはいかないよね。
このドラマのタバコはかなり意図的というか、
個々の人物を際だたせる演出として
タバコが機能してるから。
糸井 銀平と大介がしょっちゅうタバコを吸ってて
鉄平が吸ってないっていうのも
流れる血の違いというか、
「けだものの種類が違う感じ」を
醸し出してますよね。
同時に、葉巻とタバコで
ふたりの格の違いも表しているともとれます。
西本 美馬の、ちょっと細い茶色いタバコも
人となりを表してると思いますよ。
あの、妙な吸い方も、
吸い慣れない人がポーズとして吸ってるような
「美馬っぽい感じ」を出してる気がします。
永田 仲村トオルさんって、
実際は吸わないのかもしれないね。
西本 そんな感じしますよね。
糸井 出ますよね、やっぱり実体験って、演技にも。
永田 あの、余談ですけど、
昔、ある作家さんに取材したことがあって。
その作家さんの書く作品の中に
よくタバコを吸うシーンが出てくるんですけど、
ぼくは読みながらどうも違和感を感じてたんですね。
具体的にいうと、短いんですよ、
火をつけてから消すまでが。
小説の中のタイム感からいって。
で、ぼくはきっとこの作者はほんとは
タバコを吸わない人なんだろうと思ってたんです。
ところが、会ってみると吸う人だったんです。
でも、やっぱり、短かったんですよ。
こう、つけてすぐ消すタイプの吸い方だった。
糸井 へえー、おもしろいね、それは。
西本 吸ってる演技がいちばん自然なのは山本さんですね。
永田 あ、そうだね。
吸ってた時期があるのかな。
糸井 このドラマって、
タバコがなかったらもたないよな、
っていう場面もありますよね。
鉄平と銀平がバーで飲む場面なんて、
タバコがいい感じで間を埋めてましたよ。
あれ、タバコがなかったらたいへんだろう。
どうする? なかったら?
西本 こう、柿のタネ的なものをつまんで。
永田 もしくはキスチョコ的なものか、
アポロ的なものをつまんで。
糸井 ほら、なんだか知らないけど
ドラマのムードがぜんぜん変わってくるじゃないか。
永田 ていうか、酒飲めばいいんじゃないですか?
糸井 あ、酒か。
‥‥オレは、酒も飲めないな。
西本 酒もダメ、タバコもダメ‥‥。
永田 ギャンブルもダメ‥‥。
糸井 いまの糸井重里は
「けだもの性」が皆無だね。
永田 あるのは、すし欲だけ。
糸井 すし欲と、獣愛。
永田 「獣愛」(笑)。
西本 「獣愛」(笑)。
糸井 すし欲と獣愛の役者。
そんな役者、誰も使わないだろう!
永田 いや、使おうともしてませんってば。
西本 ていうか、役者じゃないし。
糸井 役者の話はさておき、
ぼくの好きな「けだもの性」「肉食」の部分でいうと、
今回のハイライトはやっぱりあれですね、
寝室で、上半身裸で、愛人に向かって
「そりゃぁ、いいぞ」とワッハッハッハ!
西本 あそこはほんと、おもしろかったな。
永田 おもしろかったおもしろかった。
糸井 おもしろかったねぇ。
永田 やっぱりこのドラマの寝室は
ことごとくおもしろい。
糸井 なかなかあの劇画な感じは
よそで観られるものじゃないですよ。
永田 横で寝てるのは黒い下着の愛人ですからね。
西本 一方の欣也さんは乳首まで出してました。
糸井 「乳首」(笑)。
永田 あれ、なんか、妙に恥ずかしいよね?
西本 そうなんですよ。
男の乳首なのに、なぜか観てて恥ずかしい。
糸井 いわゆる、体当たりの演技?
永田 そりゃちょっと違うような。
糸井 ともかく今週のぼくの見所はあそこでしたね。
で、今回、おもしろかったのは
そこから鉄平のベッドにつながったところです。
あっちのベッドは、もう、
ぜんぜん世界が違ってましたね。
西本 「けだもの性」のない感じで。
糸井 うん。こう、質素というか無機質な
モダン家具、みたいなベッドでね。
寝ている長谷川京子も背を向けて完全武装状態で。
永田 まちがえても
「ワッハッハッハ!」じゃなかったですね。
糸井 あのふたつのベッドの対比はおもしろかったなあ。
というあたりがぼくの注目ポイントですけど、
おふたりはどうでしたか?
永田 ぼくはやっぱり、序盤の西田さんですね。
亡くなる場面、西田さんに周囲が
どんどん引き込まれていく様子がすごかったなあ。
糸井 あそこ、西田さんの口の中が
妙に黒っぽく見えませんでした?
永田 ああ、そういえば、そうでした。
鼻の穴も、酸素が足りないのか
ぐわっと広がってるんだけど、妙に黒い。
糸井 あれはメイクでやってるのかなぁ。
なんにせよ、体弱ってる感がすごかったですよね。
西本 デスマスクっぽい感じですよね。
ふたり そうそうそうそう。
西本 短い時間でしたけど、
「死んでいく感じ」がありましたよね。
永田 しかも、すごいなあと思ったのは、
ぽっかり空いた黒い口が開いたままなのに
なぜか声は聞き取れるという。
あれは、どういうことなんだろう。
糸井 やっぱり、うまいということなんだと思いますよ。
永田 そうですね。
西田さんは、ああいう臨終のシーンを
いままでいったい何度演じたんだろうと
観ながら思いましたよ。
糸井 で、永田くんは、あの臨終のシーンを観て
どう感じました? 悲しかったですか?
永田 え? 悲しかったですよ?
糸井 ああ、そうですか。
永田 糸井さんは悲しくなかったんですか?
糸井 それがね、むつかしいんです。
このドラマに関しては、
自分が期待するほどに
自分の感情が動いてないんですよ。
永田 あら。へえ。そうですか。
糸井 これは、ちょっと悩んじゃうくらい。
あの場面でもね、
西田さんの演技に引き込まれながらも
最後まで「記事のリーク」にこだわるという
小さな死にしてしまってる気がして。
永田 はぁー、ま、わからないでもないですけど、
あの死が鉄平の動機になってもらわないと
いけないわけですから‥‥。
糸井 いや、理解しますよ、それは。
「無念じゃ‥‥」という死に方にしないと
ドラマが動かないですよね。
けど、そういうドラマの意図が
わかればわかるほど、
感情のほうが動きづらくなるんですよ。
永田 うん、それもわかりますが。
糸井 まあ、これからドラマが
動かしてくれることと期待してますが。
もともと感情が動かないタイプの
にしもっちゃんはどうですか?
今回の見所はどこでしたか?
西本 今回は、ずばり、長谷川京子さんですよ。
糸井 あ、明快(笑)。
西本 長谷川京子デーといってもいいですね。
永田 たしかに、
今回の影の主役は長谷川京子さんでした。
ずっとかわいそうでしたから。
糸井 そういや、ずっと出てましたね。
西本 CMにも出てましたよ。
ビール飲んでました。
永田 そういうのはいいよ。
西本 さらにずばりと言うなら、
悪いですけど、ぼくにとって今回は
長谷川京子ファッションショーでしたよ。
永田 わははははは。
糸井 そこまで、言いますか。
西本 言っちゃいます。
いろんなところで、長谷川京子さんが
ぽーん、ぽーんと、着替えてました。
永田 着替えてたわけじゃないけどな。
西本 まあ、ともかく、
長谷川京子さんを観ていた1時間だったと。
そして全体的な感想としては‥‥。
永田 感想としては?
西本 カシミアっていいな、と思いましたね。
糸井 なに言ってんだかね。
永田 なに言ってるんでしょうね。
糸井 ぼくとしては、どちらかというと
今回は長谷川京子さんよりも
鈴木京香さんに注目したい回でしたね。
いつものヒールっぷりに加えて、
生い立ちと人間性にスポットが当たりましたからね。
西本 弟は、意外に地味で実直な
宮川一朗太さん。
永田 ウッチャンじゃありませんよ。
糸井 宮川一朗太さんは、
ウッチャンじゃないんですね。
永田 ええ。宮川一朗太さんは
ウッチャンではないんです。
糸井 かといって
宮川一朗太さんがナンチャンかというと
それも違いますね。
永田 宮川一朗太さんは
あきらかにナンチャンではないですね。
似てもにつきません。
糸井 宮川一朗太さんはナンチャンよりは
圧倒的にウッチャンに似てますけれども
ウッチャンではないんですね。
永田 ええ、宮川一朗太さんはナンチャンよりは
ずいぶんウッチャン寄りですけれども
ウッチャンではないんです。
西本 もういい、もういい。
永田 でも、絶対、全国に何人かいると思うわ。
あれをウッチャンだと思って観てた人が。
西本 あと、「あ、宮川一朗太だ」って言おうとして
「広川太一郎だ」って言っちゃった人もいると思う。
永田 そりゃどうだろう。
糸井 「宮川一朗太だ」と言おうとして
「宮川大輔だ」って言った人もいるね。
永田 それはないわ。
西本 元チュパチャップスのほうの宮川大輔ですね。
糸井 そうそう、そっちそっち。
永田 なんの話をしてるんですか。
糸井 ええと、鈴木京香さんですよ。相子ですよ。
ついに相子の過去があきらかにされました。
西本 アメリカで挫折し、万俵大介に救われたと。
糸井 一生懸命な人でしたね、じつはね。
永田 なんか、さらに悪い人がいなくなっちゃいますねぇ。
糸井 そうですね。
もともと、北大路欣也に関しては、みなさん
「わるくない」と判断されますしね。
西本 欣也さんはわるくないです。
永田 今回はとくにわるくないですね。
むしろ、いい人といってもいいくらい。
西本 流れ弾に当たってケガしちゃったりして
かわいそうなくらいですよ。
糸井 あ、そうだそうだ、
それに関してはひとこと言いたいぞ。
あの鉄平の態度は、どうなんだ!
永田 はははははは。
糸井 鉄平、誤射にしろなんにしろ、
撃っちゃったんだから、
もっと謝んなきゃダメだろ。
西本 もっと、こう、おとうちゃんごめん的な、
あわあわした位置でいてほしかったですね。
糸井 そうだよ。頭だよ? 鉄砲だよ?
それをさぁ、逆ギレしてさぁ、
「何か撃たれるようなことでもしたんですか」って‥‥
おまえが撃ったんだろーーーーー!
永田 あれは、半年後くらいに言うべきセリフですね。
西本 事故が落ち着いて、完全に
「命に別状なくてよかったね」となってから。
永田 そうそうそう。
もう、傷も治って、かさぶたもとれてね。
糸井 お父さん、すっかり傷もいえましたね、と。
うっすら見えてるそれがあのときのやつですか、と。
西本 いやもう、あのときはヤバかったぞ、と。
永田 ちょっとずれてたら死んでたぞ、と。
糸井 鉄平の射撃が未熟だから助かったものの、と。
西本 それじゃまるでぼくが
狙ったみたいじゃないですか、と。
永田 ひと笑い起こって、
いや、あいつは狙ったに違いないぞ、と。
糸井 そこではじめて、
「それともお父さん、
 何か撃たれるようなことをしたんですか?」
西本 一同、爆笑。
永田 万俵家、爆笑。
糸井 と、いうのならわかるがっ!
永田 長いよ。
糸井 そういう意味では、ぼくはちょっと
鉄平が嫌いになりかけてます。
西本 やっぱまずは謝らないとね。
糸井 うん。大丈夫だと確認できても、
「かすり傷だとはいうものの心配です」
みたいな立場でいてくれなきゃ。
永田 ていうか、ほら、葉巻のせいじゃないですか?
欣也さん、ドアが開いたら、
いきなり、包帯にガウンに葉巻っていう
ひじょうに、けが人っぽくない感じで
登場しましたから。
西本 うん、あの葉巻はすごかった。
糸井 無限のバイタリティを表現してるんですかね。
永田 そんな常人離れした人から
「おまえはオレを殺そうとしたのか!」って
がーっと迫られたら、
用意してた「ごめんなさい」も引っ込んじゃいますよ。
糸井 引っ込めちゃだめですよ。
包帯に葉巻はたしかに迫力十分だけど
謝んなきゃダメです。
しかも、言うだけ言って
帰っちゃうっていうのもよくないぞ。
もっとこう、親子でわかり合ったうえで
白黒はっきりつけなきゃ。
永田 親戚のおじさんみたいなこと言ってますね。
糸井 おかげで散々な新年ですよ。万俵家的には。
西本 とくに美馬夫婦は、冷ややかな新年でしょうね。
永田 あ、そうそう、最後の原田美枝子さんが
「ほんとにあなたじゃないの?」と問いかけて
欣也さんが「一度だけ答えてやる」というシーンは
『ゴッドファーザー』でしたね。
一作目のラストシーン。
西本 ああっ、そうだ!
糸井 あーーー、そうだね。
永田 まあ、わざとわかるようにやってるというか、
完全にオマージュですよ、みたいなことでしょうけど。
糸井 やっぱり『ゴッドファーザー』
強く意識してるんだね。
西本 いわれてみれば、メインテーマの
哀しげな音階も似ているような気が。
永田 似てるよね。
そういう注文があったんだろうかというような。
糸井 一族の物語だしね。
そうか、そこまで意識的とは思わなかった。
永田 ただ、それを誰がやりたがってるのか、
っていうのがちょっとよくわからないんですけどね。
糸井 というと?
永田 たとえばこれが三谷(幸喜)作品とか
宮藤(官九郎)作品だったら、
ああ、三谷さんは、宮藤さんは、
『ゴッドファーザー』が好きなんだな、とか、
『ゴッドファーザー』を意識させといて
ほかにやりたいことがあるのかなとか、
「あえてそれをやる意義」みたいなものが
逆に立ち上ってくると思うんですけど、
この『ゴッドファーザー』は
誰の何の表れなんだろうか、と。
だって、山崎豊子さんではないでしょう?
糸井 そうだね。ああ、なるほどね。
永田 もしも、あの場面やテーマ曲への注文が、
『華麗なる一族』というドラマを
日本の『ゴッドファーザー』のようにしたい、
という気持ちの表れなのだとしたら、
そういうことじゃないでしょ、とも思う。
まあ、そこまで考えることじゃなくて
ちょっとしたオマージュでいいのかもしれませんが。
西本 このドラマが『ゴッドファーザー』だとすると、
欣也さんはマーロン・ブランドですよ。
やっぱり欣也さんは悪くないことになりますよ。
糸井 いや、あっちは一族を守っていく話だけど、
こっちは一族を敵に回す話だからさ。
永田 そういう意味でいうと、
鉄平はここから勝っていくわけですよね。
あきらかに負け続きで、
逆ギレしてケンカ売ってるような状態から。
糸井 その動機の獲得というドラマの問題も含めてね。
ああ、それは、いい見方だね。
正直、ちょっと鉄平のよさが薄れてて、
感情が動かなくなってきてたんですけど、
ここからどうやってスカッと勝つんだろうと
逆算して楽しみを数えていくのはいいね。
つまりあれだね、4回の表が終わって
7対1くらいで負けてる試合を
応援するような気持ちですね。
西本 まずは5回の裏に2点はとっとかなきゃ、と。
糸井 そうそう、逆算してね(笑)。
永田 9回はあいつが出てくるから
8回までに追いつかなきゃ、とか。
糸井 そうそう。ドラマで逆算すると、
まず、もう大川の後ろ盾はないぞ? とかね。
永田 ああ〜、たしかに。
どうするのかなあ、これから。
予告編観ると三雲頭取もなんだか怪しいしなあ。
西本 予告編では、銀平がフィーチャーされてましたね。
糸井 ちょっと感情的な感じでしたね。
あの人が動くとなにかが変わりそうですよ。
西本 ていうか、このドラマの予告編って
めちゃめちゃおもしろいですよね。
永田 いえてる、いえてる(笑)。
糸井 先週の予告編観てたときにさ
欣也さんが撃たれてる場面が流れて
「こりゃあ、夢だろう」って言ってたけど‥‥。
西本 きっちり撃たれてましたね。
永田 うん、完全に撃たれてた。びっくりだね。
糸井 侮れないですよ、このドラマの予告編は。
ま、ともかく来週からの展開に期待ですね。
個人的には鉄平のいい場面が観たいですね。
永田 ぼくは銀平の人間くさい活躍を。
西本 ぼくは長谷川京子さんに注目です。
糸井 たいしてつっこまずに終わりましょう。
永田 そうしましょう。
西本 ぼくは長谷川京子さんに注目です。

2007-02-16-FRI