賢治の世界
──宮沢賢治生誕百年に因んで

  • 時間

    83
  • 音質

    宮沢賢治の生誕100年に当たる年
    に行われた講演。
    音源は主催者提供の
    VHSテープから音声を抜き出した。
    クリアに収録されているが、
    講演途中までの収録。

  • 講演日時:1996年6月28日
    主催:千葉県高等学校教育研究会国語部会
    場所:千葉県立銚子高校
    収載書誌:千葉県高等学校教育研究会国語部会『国語部会誌』(第34号)『宮沢賢治の世界』(筑摩選書)




宮沢賢治の作品は、
「初期の段階から中期に行って、後期はこうだった」
という考え方をとると
はぐらかされてしまうところがあります。
あくまで現在にいるのですが、
以前の自分の感性や体験したことが、
一種の考古学的な層として
基礎の方に横たわっているのです。
以前の考え方や書かれたものは、
下の層になってなかなかあらわれてはこないけれども、
層としてはちゃんとある。
そして、そういうものが重なったのが現在です。
だから、未開の時代の人類が考えたことを
自分のなかに再現することもできるし、
現在のことも再現することができると、
宮沢賢治は考えているのです。