心について

  • 時間

    124
  • 音質

    雑誌「試行」が書店リブロで
    取り扱われることになり、
    書店の企画として行われた
    連続講演の2回目。
    音源は主催者提供。
    客席録音だが比較的クリア。

  • 講演日時:1994年9月11日
    主催:リブロ 西武池袋本店
    場所:西武百貨店 池袋本店
    収載書誌:筑摩書房「ちくま」1995年1月号、2月号




心の病というのは、人間の心の世界の大きさを
最大限に大きく見積もって考えれば、
病気じゃないといえばいえてしまうところがあります。
病気なんてもともとない、
人間の精神、意識の働き方の世界の可能性のなかの、
あるところに偏った意識の
偏り方の場所を閉めているのが病気だといってみたり、
異常だといったに過ぎないんだよ、
ということになると思います。
ただ、病気だといわれている状態は、
現在の日常生活にとっては
不自由な状態に違いないということになります。
「この境界を超すと正常だしこの境界を超すと異常だ」
という境界線に対しては、
さまざまな局面で自覚的で意識的になるというやり方が
いいんじゃないかと思います。
そういうことで、古典的な「心の病」の区別は
少なくなると思います。
それに代わるものとして、
ヒステリー症による人格転換ということと、
同性愛の問題は、
心の世界の問題をとりあげる場合に
欠くことができない問題になっていくと思います。