マス・イメージからハイ・イメージへ

  • 時間

    91
  • 音質

    河合塾名駅キャンパス16号館の
    オープニングで行なわれた。
    音源は客席から録音されたが
    比較的クリアに収録。

  • 講演日時:1987年7月16日
    主催:河合塾
    場所:河合塾 名駅キャンパス16号館
    収載書誌:河合文化教育研究所『幻の王朝から現代都市へ──ハイ・イメージの横断』(1987年)




ランドサット映像のいいところは、
ひとつの地図というものが
さまざまな歴史的時間を包括することができる
ということです。
たとえば神話時代の視線は、
村落の外れにある低い山や丘の頂から村落を俯瞰する、
500~600メートルくらいの高さからの
視線であったことがわかります。
この視線は歴史が発展するとともに
高度を増して現在に至っています。
現在、イデアルにいえば、
無限遠の高さからの視線を考えることができるわけです。
ごくふつうの人たちが
無限遠の高さからの視線を獲得できたとき、
現在900~200キロメートルの視線を
独占するかどうかで争っている、
ふたつの世界権力の視線を超えたことを
象徴すると思います。