『最後の親鸞』以後

  • 時間

    125
  • 音質

    ライン録音ではないがクリア。
    真夏の講演で、途中夕立が起こり、
    雨音や雷鳴も収録されている。
    質疑応答の最後で録音が切れる。

  • 講演日時:1977年8月5日
    主催:真宗大谷派関係学校宗教教育研究会
    場所:新潟県妙高市・東本願寺池ノ平青少年センター
    収載書誌:春秋社『〈信〉の構造 PART1』(2004年)




『最後の親鸞』もそうでしたけれど、
僕は親鸞の思想に重点をおいてとりあげようと思います。
信仰ということと思想ということはどこが違うかというと、
信仰の場合にはあくまでも内部の側にあって
語ることになっていくと思います。
けれども思想は、内部から語るというよりも、
内部と外部の境界に踏石をおいて、
ひとりの宗教家であった思想家をとりあげる、
ということです。
内部にも行くかもしれませんけれども、
外部にも行ってしまう、そういうところが
思想ということと信仰ということの違いといえます。
すぐれた宗教家であると同時に、
思想の立場からとらえても対象として充分に耐えうる
日本ではたいへんめずらしい思想家である親鸞を、
思想としてさらに問題にしたいと思っています。