本読む馬鹿が、私は好きよ。

電車のなかで本を読んでいる人を見つけると、
何を読んでいるのか知りたくなります。
自分は読んでなかったけれど、
たくさんのファンのいる作家については、
「どういうふうにおもしろいの?」って聞いてみたい。
読みたい本が増えるのって、うれしいことだから。

 

カート・ヴォネガット・ジュニア逝く。

ほぼにちわ、シェフです。
4月12日のニュースで
「カート・ヴォネガットの死去」を知りました。
そっかぁー‥‥、と思って
忙しくてまだそのニュースに気がついていなさそうな
社内にメールを流しました。
ふだん、そういう話はあまりしないのですけれど、
ヴォネガットの本を読んで、
すこしだけなにかちいさな影響を受けた人が
いるんじゃないかなと思って。
そしてそのメールを読んだ何人かが集まってきて、
「えっ?!」
「死んじゃったの?!」
「そうかぁ、もう、そんな年だったんだぁ‥‥」と、
青山のかたすみで、ニューヨークで亡くなった、
この偉大な作家の死をいたみました。

「ほぼ日」とヴォネガットに
どういう関係があるのかというと、
ない、といえばまったくありませんし、
とってもある、とも言っていいかもしれません。
糸井重里は『MOTHER2』をつくるにあたって
影響をうけたもののひとつとして
ヴォネガットの『タイタンの妖女』を挙げていて、
ぼくはそのことを「うれしいこと」として、
とてもよくおぼえていました。
そうか、「ほぼ日」のどこかにもきっと、
ヴォネガット的なものが生きているんだな、と。

『タイタンの妖女』については
これまでの「ほぼ日」に何度か登場しています。
たとえば、松井孝典教授による動画配信のコンテンツ
「タイタンに大興奮」第6講
これを受けて糸井重里が「今日のダーリン」に書いた
2005年1月の「今日のダーリン」には
こんな記述がありました。

興味深いことがあったら、急いで駆けつけて、
どこよりもおもしろい、どこにもないような企画として、
「ほぼ日」で配信する。
そんなことがしてみたかったのですが、
はじめての機会が、「タイタン」になったとは!
タイタンって、「爆笑問題」の所属している会社名です。
太田光さんが、カート・ヴォネガット・ジュニアが書いた
『タイタンの妖女』という小説に感激して、
社名にしてしまったということです。
この小説は、ぼくも、ものすごく好きなんですよ。
ほんとうにおもしろいです。
注意深く読んだら、『MOTHER2』に影響を与えている
部分も発見できると思います。

太田光さんは、ごぞんじ「爆笑問題」の太田さんで、
糸井重里とは『MOTHER1+2』の発売のときの対談
「家族をつくったゲーム」第7回のなかで
こんなはなしをしています。

糸井 そういえば、太田さんの
   事務所の名前(タイタン)って、
   カート・ヴォネガット・ジュニアの
   『タイタンの妖女』って小説から
   引用してるんですよね。
   ぼくもあれがそうとう好きで、
   まえに会ったときその話聞いて
   かなりうれしかったんだけど、
   最近、ヴォネガットみたいに
   おもしろがっているものって、
   なにかありますか?

太田 そうですね、いま、なかなか、
   う〜ん‥‥ヴォネガットほどのものは、
   その後出会ってないですねえ。。


太田さんと糸井重里がそんな風に語るのが、
ヴォネガットという作家であり、
『タイタンの妖女』という作品です。
未読のかたは、もしよかったら、
手に取ってみてくださいね。
早川書房から発売されています。

このページへの激励や感想などは、 メールの表題に
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postman@1101.comに送ろう。

2007-04-13-FRI

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