「ネコがでますよ。」はこちら。

読者のみなさん、覚えていますか。 かつて木曜日の「ほぼ日」に 『ネコが出ますよ。』というマンガが 連載されていたことを‥‥。 それは、シーンに「長編ギャグ」という 新たなパラダイムを提示し、 「次こそ、次週こそ出るのかな?」と 読む者をモンヤリさせながら けっきょく最後まで ネコは出なかったというストーリィ‥‥。 あれはいったい、何だったのか。 連載終了から半年あまり、 改めてラヂヲ先生に語ってもらいました。 何かと大げさで恐縮です。 うかがったのは 4年間にわたり担当させていただいた 「ほぼ日」奥野です。
第1回 衝撃の「出なかった理由」。
第2回 映像化は不可能。
第3回 ラストも変わる‥‥?
第4回 また会う日まで。

和田ラヂヲ関連コンテンツ
ネコが出ますよ。 和田ラヂヲのあやしい者ではない。 戦車とラヂヲ 和田ラヂヲの大喜利王への道


第1回 衝撃の「出なかった理由」。


ラヂヲ 今、唐突に思い出したんですけど‥‥。
── ええ。
ラヂヲ モンキー・パンチさんの担当の人がね。
── はい、あの『ルパン三世』の。
ラヂヲ モンキー・パンチさんのことを呼ぶのに
「モンキーさん」か「パンチさん」かで
すごく悩んでいたのを、思い出したなぁ。
── ははは、脈絡のなさがハンパないです。
ラヂヲ で、オレが思ったのは
それは「モンキー・パンチさん」で
いいんじゃないかと。
── そうですよね。ありのままで。
ラヂヲ モンキーじゃ猿ですもんね。
── お笑いの人じゃないんですから‥‥。
ラヂヲ それどころか「大家」ですよ。
── じゃあ、ぼくも唐突に思い出したこと、
言ってみてもいいですか?
ラヂヲ なんでしょう。
── 連載初期、松山へおうかがいして
取材させていただいたじゃないですか。

その珍道中のようすは
「和田ラヂヲのあやしい者ではない。」
というコンテンツになったのですが。
ラヂヲ ええ、ええ。覚えてますよ。

松山城に登ったり、観覧車に乗ったり、
誰も見たことのない「ラッセン」が飾られた
うどん屋でうどん食ったり、
東京ラブストーリーのロケ地を訪ねたり。
── はい、本当に楽しい旅でした。

コンテンツも、おかしなものができまして
とても思い出深いのですが‥‥
あのとき、最後まで
ラヂヲ先生が、むかし組んでいたバンドの名前を
教えてくれなかったんです。
ラヂヲ ‥‥そうだっけ。
── 最後の最後、駅でお別れするときに
教えてくれるのかと思ったら
やっぱり、教えてくれませんでした。

そのことを、急に思い出しました。
ラヂヲ ‥‥言えと。
── いえいえいえ、
そういうわけではないんですけど。
ラヂヲ 今、3回も「言え」と言った。
── い、や、いやいやいや、言ってないです。
知りたいのは、やまやまですけど。
ラヂヲ おもしろくないよ?
── はい、バンド名がおもしろいはずないと
思ってますので、そこは大丈夫です。
ラヂヲ ‥‥‥‥‥‥。
── 連載も終わってしまったことですし
最後の出血大サービスで、とか。なんて。
ラヂヲ ‥‥‥‥‥‥。
── ‥‥‥‥‥‥(ゴクリ)。
ラヂヲ ‥‥ギールックスて言うんですけど。
── え?
ラヂヲ ‥‥ギールックス。
── ギールクス。
ラヂヲ いや、だから、ジャギールックス。
── ‥‥‥‥‥‥あ、ああー‥‥。
ラヂヲ こらこらこら。

曖昧なリアクションやめてくれよ。
で、聞かなかったことにしないでくれよ。
── はい、つまり「ギザギザみたいなオレたち」と。
ラヂヲ つまんないんでしょ。
── だって、かっこいい系ですもの。
ラヂヲ そう。笑えないのが、イヤなんですよ。
── でも、若いころに組んでいたバンド名、
なわけですものね。
どれくらい、ご活動されてたんですか。
ラヂヲ 3年くらいかなぁ‥‥。
── 先生のパートは?
ラヂヲ ベース。
── どなたがその名前をつけたんですか。
ラヂヲ ボーカルの人。
── 松山で活動されてたんですよね。
ラヂヲ そう、松山で‥‥ってやめてくださいよ!?
掲載だけは。バンド名の掲載だけは。
── でも、昔のバンド名が気に入ってる人って
あまりいないと思うんです。

つまりその、成功した人たち以外では。
ラヂヲ たしかに。
── 何でなんでしょうね、あの心理って。
ラヂヲ やっぱり
名前ってあとから輝くものだから。
── おお、また太字にしたい言葉が。
ラヂヲ 売れて有名になったからこそ、
名前に重みと説得力が出てくるんでしょう。
── 先生も「ラヂヲ」というお名前ですが‥‥。
ラヂヲ 多少でも知ってもらえてるから
いいようなものの、
これがまったく売れてなかったとしたら?
── はい。
ラヂヲ 肝が冷えますね。
── 名前のせいにとか、されちゃったり‥‥。
ラヂヲ そうそう。
ラヂヲとか言ってるからダメなんだとか。
── はー‥‥ちなみに「ギザギザ」というのは
何と言うか、どのあたりが?
ラヂヲ もう、ええっちゅうねん。
── チェッカーズ的な方向性ですか。
ラヂヲ やかましわい。あっちは「ハート」じゃ。
── ギザギザなのが。
ラヂヲ オレらは「ルックス」じゃ。
── そのときの写真、見てみたいです。
ラヂヲ あるよ。
── わー、見たい見たい。
ラヂヲ 髪の毛フッサフサしてるよ。
── 音楽性は?
ラヂヲ ストーンズっぽい感じ。
── つまり、リズム・アンド・ブルースですね。
オリジナル曲‥‥ですか?
ラヂヲ そうっスね。

‥‥ってオレ、
何でもかんでも答えてしまってるやん。
── いやあ、4年ごしの気がかりが晴れまして
本当にスッキリしました!
先生と、もっと仲良くなれた気もしました。
ラヂヲ ‥‥だ、だったらいいんだけどさ。

でも、読者のかたにおかれましては
ぜひ「ナイショ」にしておいてほしいです。
── わかりました、お願いしておきましょう。

読者のみなさん、
ラヂヲ先生のむかしのバンド名については
決して口外しないようお願いします。
ラヂヲ ツイート等、どうぞご遠慮ください。
── ‥‥そろそろお時間ですね。

すみません、最後はまったく関係ない話に
なってしまいました。
ラヂヲ いつものことでしょう。
── 今日は、本当にありがとうございました。

そして、4年もの長きにわたる連載、
担当させていただいて、すごく楽しかったです。
ラヂヲ こちらこそ、お世話になりました。

こんな時代ですから
描ける場所を与えていただいただけで
ありがたかったです。
── そんなそんな、とんでもないです!

先生のおかげで、
ぼくらも
楽しい思い出を作ることができました。

今は、さみしい気持ちでいっぱいです。
ラヂヲ イトイ新聞に描けてよかったです。
── 単行本、楽しみにしてますね。
ラヂヲ がんばってやります。
── それでは先生、また会う日まで。
ラヂヲ みなさん、さよなら。
── ネコは、いつしか、出るんでしょうか。
ラヂヲ どうでしょう。
  <終わります>


前へ 2013-03-29-FRI  





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