『よる花火』/ほぼ日オリジナル

よる花火

プロダクトデザイナー・鈴木啓太さんによる、
扇子のデザイン。
ニッポンの象徴・富士山のシルエットが、
扇骨と扇面にまたがって大胆に描かれています。
反対の面には、薄いシルバーで雲の模様が入っています。
光に透かしてそちら側から見れば、
雲の向こうに霞む冨士という幻想的な美しさが‥‥。
モノトーンの扇子なので、
いろいろなファッションにマッチしそう。
モードな方や、男性への贈り物にぜひどうぞ。
外国の方へのおみやげにももちろんピッタリ。
「ザ・ジャパネスク」なデザインです。

価格4,320円(税込・配送手数料別)

大きさ
約22.5cm(扇骨)
約12.5cm(扇面)
重さ
23g
材料
竹/和紙
※紙扇子にはシクラメンの香りがついています。

出荷時期 : 1~3営業日以内

  • この商品のあらかじめ知っておいてほしいこと

扇子のデザインというと、基本的には、
「どういう柄にするのかを考える」
ということだと思うのですが、
もっと‥‥なんていうんでしょう、
ひとつの立体物として全体をデザインできると
おもしろいなと思ったんです。
たとえば、扇骨をどうするのか。
この、紙の下の部分、ここの骨は、
扇子を開いたとき、隙間がないようにしたかったんですね。
富士山のシルエットに、隙間を入れたくなかった。
ところが、ここに隙間がない紙扇子っていうのは
今まで作ったことがなかったようで‥‥。
そういう意味では、
地味な部分でずいぶんわがままを聞いていただきました。
細かいチューニングのようなやりとりを繰り返して、
サンプルを何度か作っていただいて、
ご苦労をおかけしながら、
ひとつの立体物をつくることができたと思っています。

モチーフを富士山にしたのは、
扇子ってすごく日本的なものだから
そこにはやっぱりストレートに日本のものがいいかな、と。
定番のシンボルを、
扇子の全体におおきくレイアウトしたら
おもしろいんじゃないか、という思いつきもありました。
そしてなによりも、
「あっぱれ感」があるといいなと思ったんです。
今ってほんとうに、必需品というよりは、
「持っていたらたのしいもの」がよろこばれますよね。
単純に、扇子を開いたら、「あっぱれ」って感じる。
そういうものが作りたかったんです。
富士のうしろに後光がさしているようにも見えて、
「あっぱれ」ですよね。

裏側から見る様子もポイントです。
「透かし」を考えたモデル。
光にかざして裏から見ると、
霞の中に富士山があるように見えるんです。

ピーター・マクミランという、
「新・富嶽三十六景」というのを
描いているかたがいらっしゃるんです。
新しい、今の日本の富士山を描いている。

(ピーター・マクミラン/版画家、杏林大学客員教授。
 アイルランド出身で、1987年に来日以来、日本に暮らす。
 現代版浮世絵としてパリやニューヨークで好評を得た
 「新・富嶽三十六景プロジェクト」は、
 日本文化における富士山の素晴らしさを国内外へ発信)

そのピーターさんが、こんなことを言ってたんです。
「富士山についていろんな句が詠まれているけれど、
 いちばん美しい句は松尾芭蕉の、
 『霧しぐれ 富士を見ぬ日ぞ おもしろき』
 という句なんだ。
 霧の中にある見えない富士山が、いい。
 これは、日本の美意識を象徴するような句だ」と。
なるほど、そうだなぁと思いました。
ですからこの扇子の裏側は‥‥
じつは、こっちが表なのかもしれませんね。

この扇子をどういう人に使ってもらいかというと、
やっぱり総理大臣(笑)。
日本を代表する人に使っていただいて、
恥ずかしくないようなものになるといいなぁと、
ずっと思っていたので。
‥‥というのは、極端な望みで、
もちろん、みなさんに使っていただきたいです。
扇子を使うのは
ちょっと恥ずかしいと思っていた人とか。
ビジネスシーンでも、いいですよね。
スーツの人たちがサラッと使えるようになると
おもしろいと思います。
シンプルなモノトーンなので、当然女性にも。


1982年愛知県生まれ。プロダクトデザイナー。
金沢美術大学製品デザイン学科客員教授。
2006年多摩美術大学プロダクトデザイン専攻を卒業後、
NECデザイン、イワサキデザインスタジオに勤務。
2012年にPRODUCT DESIGN CENTERを設立。
「緻密に緻密をデザインする」をテーマに、
スタートアップ企業やメーカーとのイノベーション開発、
漆のお椀からスマートフォンまでの新製品開発に携わっている。

good design companyの水野学、
中川政七商店の中川淳と共に設立した「THE」の企画運営も行う。

(さらに詳しいプロフィールはこちらをどうぞ)

「PRODUCT DESIGN CENTER」Web Site
『THE』Web Site

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この商品のあらかじめ知っておいてほしいこと

お使いいただくにあたりご注意いただきたいこと

●扇子は全て自然の竹を使用した職人による手作りです。
製品によってはほんの少し竹の色が違ったり
曲がり方が違ったりすることもございます。
自然のものを使っている証ですのでご了承下さい。
また、印刷柄の位置が多少ずれたりすることもございます。

●扇子の開き方を間違いますと
破損やケガの原因となります。
破損したり扇子の骨に傷が出来た場合は
危険ですのでご使用をおやめ下さい。

●扇子の骨は竹を使用しています。素材の特質上
ささくれや割れが生じることがあります。

●扇子が雨や汗でぬれますと、塗骨・染骨、
手描き・手染めの扇面は色落ちする場合がございます。
場合によっては他のものを汚すおそれがありますので
ご注意ください。
また間違って水に浸けてしまった場合、扇面が剥げ
扇骨が曲がり使用することができなくなります。

●開閉は出来るだけ両手で丁寧にしてください。
片手での開閉や扇子を振って広げることは
破損の原因になる恐れがあります。

保管についてご注意いただきたいこと

●高温多湿・直射日光を避けた状態で保管ください。
自然の素材ですので変形や色あせ・色落ち、
カビ・虫がつく場合がございます。

●扇子はお使いいただくうちに多少ゆるんできます。
長期間保管する場合はセメ(扇子をとめる紙や平ゴム)を
つけていただくと折り目が整います。

●扇子は広げた状態で放置しますと、
仕立がくるうことがありますのでご注意下さい。