ほぼ日の塾から生まれたコンテンツ。
このコンテンツは、「ほぼ日の塾 実践編」で塾生の方が課題としてつくったコンテンツをデザインし直したものです。
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わたし、超良いこと書いてる!

就活をすることになれば、
嫌でもエントリーシート(ES)を書く。

中には、書類選考はせず、
応募した全員を一次面接に呼んでくれる
企業もあるけど、そんな企業でも
事前に履歴書やESを提出する。

わたしは、ESを書くのが楽しかった。

書いている最中が楽しかったというよりは、
自分の伝えたいことを、どういう言葉や
文章にすれば伝わるのか、ということを
参考書も見ながら必死に考え抜いて、
書き上げたあとに
「うわー、わたし超良いこと書いてる!
すばらしい!これ絶対通るわ~。
よくぞこんな言葉生み出せたな自分!」
と自分をほめる瞬間が好きだった。

生み出している最中は、
むしろちょっときつかった。

志望動機を書いている最中に
「わたしのやりたいことって本当に
この会社でできるんだろうか‥‥」とか
「同じようなこと書いてる人
他にもたくさんいるんだろうな‥‥」
とか考え始めてしまったりすると、
今まで書いた文章が全部拙く思えて、
全部最初から練り直し。
それの繰り返しだった。

それから、手書きのESの場合は
当然だけど修正液の使用が許されない。
書き損じが続いた時のつらさといったら!

手は痛くなる一方だし、心はポッキリ。

せっかく志望動機や自己PRはうまく書けたのに、
自分の住所を書き損じた時のショックは
今でも忘れられない。

しかも、膨大な数の会社のESを
就活前半の2ヶ月で書くものだから、
やっと1社書き上げたかと思えば、
違う会社のES〆切が目前に!!
という状況がしばらく続いた。

正直、どうしようもなくなって
自分の納得のいかないまま
提出してしまったESもあった。

だけど、そんな困難を乗り越えて、
無事に書き上げられた時の、
「よくぞこんな良い言葉生み出せたな自分!!」
にもう一度出会いたくて、
毎日のようにESや履歴書を書き続けた。

そして、我が子を手放すような気持ちで
送り出したESが、
「選考通過のご連絡」となって返ってきた時の
喜びが、本当に気持ちよくて仕方ないのだ。
 
たとえ、
「ESなんてパラパラ~っとしか見ないよ」
とか
「顔も見てるよ。
そりゃ、かわいい方が目に付くから有利でしょう」
なんて言われても構わない。

自分で生み出したESのすばらしさは、
自分が一番よくわかっている。

(つづきます)
2016-09-07-WED