終わりのない歌を、歌っていた。 ROGUE奥野敦士さんの 復活ライブが、本当にかっこよかった。

こんにちは、「ほぼ日」の奥野です。

ことしの3月に
「終わりのない歌を歌ってるぜ。」
というコンテンツを連載しました。

これは、事故で頚椎を損傷し
首から下の自由を失ってしまったボーカリスト、
奥野敦士さんにインタビューしたものです。

奥野さんは、1980年代に
ROGUE(ローグ)というバンドを組んでいて
わたくし「ほぼ日」奥野が
「出身地がおなじで、苗字もおなじ」という
勝手な親近感もあってファンになり、
CDを買って歌を覚えたりしていたんですが
大人になったりして
ずいぶん長い間ごぶさたしていたとき、
下の動画を見たのが、取材のきっかけでした。

なんだこれは、と思いました。
そして、めちゃくちゃかっこいい、と。

あとから「‥‥そうか」と思ったことですが、
「首から下が動かない」ということは、
歌を歌うときに必要な「腹筋」も
動かせないということです。

でも、奥野さんは、リハビリだといって、
「おなかにきつくベルトを巻き付け、
 声を出すたび、上体をぐっと前に倒す」
という独自の歌唱法を考え出して
ふりしぼるように、あの声を出しているんです。

それも、あんなに、茶目っけたっぷりに。

インタビューでは
「中学生のころに好きだったバンドの
 フロントマンへの取材」ということもあって
終始、心臓ドキドキしっぱなしでしたが、
やはり、いちばん心に残ったのは
「歌を歌うということ、
 そのことが、いかに奥野さんにとって大切か」
ということでした。

くわしくは
ぜひとも連載を読んでいただきたいのですが
そのなかで、奥野さん、
「いつか、ライブをやりたい」と
言っているんです。

そのときは、正直、その道のりって
どれくらいあるんだろう‥‥と思いました。

でも、それからたったの、9ヶ月後。
奥野さんは、ステージの上にいました。

2013年10月19日。
会場は、グリーンドーム前橋という大きなところ。

何千人だかわかりませんが、
車いすの奥野さんは、
そういう規模のお客さんの前で、歌っていました。

その姿が、ものすごーーーくかっこよかったので、
「無理言ってすみません、でもぜひ!」と
マネージャーさんにお願いして
当日の映像の一部を、お貸し出しいただきました。

それが、以下の1分くらいの動画です。
ROGUEの代表曲「終わりのない歌」の一部です。

奥野さん、感極まってしまっている場面ですが、
映像では聞こえてはいませんが、
このとき、数千人の会場が
「奥野さんの代わりに歌っていた」ということを
書き添えておきます。

「こんな身体だけど、絶対やれると思ってる。
 なぜかって言うと、
 ライブでは、かならず限界を超えられるから。
 歌って、お客さんもふくめた仲間たちが
 俺に、歌わせてくれるものだから、
 限界を超えられる。かならず」

「終わりのない歌を歌ってるぜ。」より)

ちなみになんですが、
「終わりのない歌」の全体は、こんな感じです。
参考までに、よろしければ。
(1989年の武道館ライブの映像です。若い!)

さらにさらに、すこし前に
ROGUEのベストアルバムも発売されていました。

代表的な曲がほとんど入っていますし、
個人的に好きな
「WIND~心の歌~」が入っていないのだけが
唯一、ちょっとだけ、残念ではありますが
ニューヨークでのライブ音源も収録されていたりして
ファンの人はもちろん、
ちょっと聴いてみたいなという方への入門編としても
おススメなのではないかと思います!

ROGUE / Best Album
easy go easy comes + Live at CBGB,NewYork 1989

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2013-11-25-MON