人はなぜ料理をするの?なぜいっしょに食卓を囲むのかな。飯島奈美さんを囲んでの座談会。 『LIFE』のレシピには、家庭料理の未来がある。

「なんでもない日、おめでとう! のごはん。」
をテーマに、飯島奈美さんとつくってきた、
家庭料理のレシピ本『LIFE』。
うんとベーシックな料理を、
みんながいちばんおいしいと思うつくりかたで、
徹底的なこまやかさで編んだ本です。
ハードカバーのシリーズは全3巻。
副菜本などをふくめると6つのタイトルがうまれ、
販売部数は累計33万部越え。
現在もロングセラーをつづけています。

「飯島奈美さんと『ほぼ日』が、
つぎのステップに進む前に、
『LIFE』ってなんだったんだろう?
ってことを、いちど振り返ってみようよ」

ふと糸井重里が発したことばをヒントに、
『LIFE』を愛するかたにお声掛けをして、
座談会を開きました。

集まってくださったのは、作家の吉本ばななさん、
そして『dancyu』編集部の斉藤賢太郎さん。
食べることがとにかく好きで、
『LIFE』と飯島奈美さんの大ファンというふたりです。
そして、この本の担当編集者である
「ほぼ日」の武井も参加し、
著者であるフードスタイリストの
飯島奈美さんを中心に、
飯島さんの軽食をつまみながら、
たっぷりと語りました。

家庭料理の未来って、なんだろうね。
『LIFE』って、いったいなんだったんだろう?

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座談会メンバー

7「おいしいね」って言い合いたい。

斉藤
前回のばななさんと糸井さんの対談
料理の褒め方が美しくて。
ごはんを一緒に食べると
おいしそうなかただなという感じがしてましたけど、
やっぱり。
ばなな
すごいですよ、私の執念。
武井
執念なんですか(笑)。
ばなな
おいしい店を探していて、
みんな諦めて倒れそうなときでも、
「あと100メートル歩くんだ!」みたいな。
飯島
わかる。
何メートルでも
歩いちゃいますよね。
ばなな
旅行に行って、
食べることに情熱がない人だと、
別行動にします、きっぱりと(笑)。
飯島
そうですよね。
斉藤
ただ、それで別行動をしても、
みんなで集結して食べるときが
一番盛り上がりますよね。
武井
ひとりだと、
本当においしいのかなってところが、
わかんなくなっちゃうから。
飯島
「おいしいね」って言い合いたいですね。
ばなな
でも、ひとりもいいと思います。
5人のブロガーがひとりずつ、
いろんなところに食べに行く
ドキュメンタリー映画がありますよ。
世界中の三つ星レストランをぜんぶ回るっていう‥‥。
飯島
相当なお金持ちですね。
ばなな
いろんなことをやって
リタイアした人達なんです。
99分、世界美味めぐり』というんですけど、
いい映画ですよ。
ホントに食べることが好きって
こういうことなのかと感動しました。
オムニバス形式なんですが、
それぞれの人がものすごくて。
飯島
観てみます!
斉藤
ああ、わかります。
さっき自分で言ったことと逆じゃないか、
って自分で思うんですけど、
でも、わかります。
「みんなで食べるの楽しいよね」
っていうのはもちろん前提としてあるんですけど、
ひとりで食べるのも、
本当はすっごく楽しいんですよ。
武井
そう、どっちも否定できない。
みんなで一緒に食べていると、会話にまぎれて、
おいしさが堪能できないことがあります。
「あれ? しゃべってたら、
食べ終わっちゃったじゃないか!」
ってときがありますね。
ばなな
そうそう。
斉藤
このあいだ、
東京中の担々麺の店8軒を
1日で回ったんですけど‥‥。
ばなな
聞いただけで担々麺が食べたくなくなる(笑)。
斉藤
ですよね。
でもね、食べてるときは、
すっごいいろいろ考えてるんです。
「ここはこういう麺で、
最後こうやって合わせて‥‥」って。
だから、全然1人でも、
なんかこう、味に没頭してると寂しくない。
武井
斉藤さんの場合は、仕事だという使命感もあるし。
斉藤
そうです、そうです。
で、食べ終わったあとに
自分の携帯にバーって録音して、次、みたいな。
武井
メモじゃなくて録音なんだ。
「Xファイル」みたいですね。
斉藤
最近、言った言葉が
そのまま文字になる機能があるんです。
武井
あ、突然、LINEで
長い文章が送られてくるなと思ってたけど、
あれ、そうなんだ?
斉藤
そうです(笑)。
武井
ものすごく入力が速いんだなと思ってました。
斉藤
駅に行くまでの間に
バーってしゃべってるんです。
みんなに振り返られながら、
こうやって携帯に向かって
「麺がプツッとして、麺の番手が何番で‥‥」
ばなな
言ってることがおかしいよ(笑)。
飯島
怪しい人ですよ。
斉藤
ブツブツと。
でも、そういうふうに考えて食べると、
ひとりでも、それはそれで楽しいです。
ばなな
食べるためだけに行くって、
楽しいだろうなぁ。
その映画に出てくる人たちのことで
「わかるな」と思ったのは、
たとえば彼らは、スイスの山の中に
1軒だけあるレストランとかにも行くんです。
スイスでこれを見たいとか、観光したいとか一切ない。
飯島
それはわかります。
武井
激しく、わかります。
斉藤
みんな「わかる」って言ってる(笑)。
武井
飯島さん、そろそろ次の企画をやりましょうよ。
いま、漬物をやりたいね、って
話をしているんです。
斉藤
漬物。
飯島
漬物、食べない人けっこういますよね。
私は漬物が好きなんです。
地方に行くと買ってきて、
調味料がわりにも使ったりして、
いろいろ勉強しているんです。
武井
漬物のことを知って教わって、
さらに飯島さんが、
「今の時代に使える漬物のレシピを考える」
という企画をやりたいんですよ。
飯島
白菜漬けを鍋に入れたり、
あとはしば漬けチャーハンとかも。
斉藤
いい!
武井
来年はやりましょう、ぜひ。
‥‥こんなところでしょうか。
いつまでも話していられるんですけど。
斉藤
いやはや、ありがとうございました。
ばなな
私も、なんだかいただく一方で。
あ、そういえば
「ほぼ日」の海苔、うちの子どもが好きで、
何枚食べたかわかりません。
特に塩がついてるやつを
パリパリパリパリと、ひたすら食べる。
「ちょっと待って、そんなに」みたいな。
武井
ありがとうございます。
お子さんは味のり、好きですよね。
「海大臣」は普通の焼き海苔も味が
濃いからおいしいですよ。
しかも、今年の海苔レシピには
飯島さんの「サラミご飯」があります。
斉藤
サラミ?
武井
生サラミを刻んで、ご飯にのっけて、
バターのっけて、
海苔まぶして、しょうゆたらして、かっこむ。
正式には「生サラミバターライス海大臣まぶし」
っていうんですけど。
ばなな・斉藤
ヤバい、ヤバい、ヤバい。
ばなな
3回、言っちゃった。
武井
あれはおいしかった。
ばなな
誰も痩せることはないね、これは。
飯島
覚悟してついてきて! みたいな(笑)。
斉藤
ついていきます!
武井
ついていきます!
ばなな
大丈夫ですよ、いくらでも食べます。
飯島
ありがとうございます。
武井
みなさん、今日はどうもありがとうございました。

(おわります。最後までお読みいただき
ありがとうございました!)

2017-12-20-WED

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