今日の小ネタ劇場でおなじみ、5人の猛者が集結して怒涛のおしゃべり!常連投稿人たちの座談会。

第10回
夢ってすごい。
──
なぼちんさんは、いろんなコーナーに、
幅広く投稿してくださってますよね。
なぼちん
もともと、おもしろいことがあったら
姉と教えっこしていて、
その延長で送ってるという感じですね。
──
今日、こんなヘンなことがあったよと。
なぼちん
姉の家庭はもっとすごくて、
同じことを家族全員でやってるんです。

食卓でネタを披露し合うみたいな。
タナボタばんざい
わぁー、その食卓、おもしろそう!
──
フクさんちのご実家と、同じ‥‥。
なぼちん
おかげで、子どもたちまで、
うまいことを言うように育ってます。

ちなみに姉は姉で、
あんまり小ネタ劇場には送ってないけど、
「言いまつがい」には
3冊すべてに掲載されている人です。
──
すばらしいご一族だと思います。
ぬばたまの
本当に。
──
あと、これは印象なんですけど、
みなさんがまさにそうですけど、
地方在住の方が多いような気がしてます。

東京の人って、わざわざ、
東京に住んでるって言わないだけかなあ。
なぼちん
たしかに、
北の庄さんのバスの話じゃないですけど、
田舎って
電車に乗っていても呑気な雰囲気だから、
しょっちゅうカオスが発生しますね。
ぬばたまの
おとなりのおしゃべりも聞こえるしね。
なぼちん
東京みたいにギュウギュウ電車だったら、
愉快なことも、言ってられないでしょう?
──
たしかに、朝の満員電車のなかとかでは、
その余裕は持ちづらいですね。
北の庄
わたしは、
家から学校までバスに乗ってる間じゅう、
背後のおばちゃんたちが、
ずーっとうちの父親のウワサ話をしてて、
それを
えんえん聞きながら行ったことあります。
なぼちん
田舎って、そんな感じですよね(笑)。
北の庄
ツッコミ甲斐のある人が、多いのかも。
ぬばたまの
東京は、匿名常連さんたちが多いとか?
──
あ、なるほど。
なぼちん
たしかに、そうかもしれない。
北の庄
よくハンドルネームを
投稿そのものの「オチ」にしてる人が、
いらっしゃるじゃないですか。

ああいう投稿が、
都会派の投稿なんじゃないですかね?
ぬばたまの
そうかも(笑)。
北の庄
ハンドルネームがオチになっていると、
洗練されるじゃないですか、印象として。

ちょっと都会派って感じがするんです。
──
大胆な仮説!
でも、あながち見当外れじゃないかも。

こんどハンドルがオチの投稿を見たら、
「都会派かも」
というような目で見てみます(笑)。
タナボタばんざい
ちょっと話が変わるんですけど、
個人的に好きなのが「今日の夢」なんです。

たまに、星新一か安倍公房か、
みたいな幻想的の世界の話があったりして。
──
たしかに「今日の夢」は
他とくらべて異質な感じがしますよね。

ただおかしいのとは、ちょっとちがう。
タナボタばんざい
猿之助のお女中さんの話、すごい好きです。
──
夢の中で、わたしは
市川猿之助(現・猿翁)家の女中

であった。
猿之助は40代くらいで独身。
時代は、なんとなく太平洋戦争前。
わたしは黒に近い、紫がかったお仕着せを
きっちり身につけた小太りの中年女で、
この家に来て間もないのだが、
今日も玄関で出かける猿之助をチラ見して
「絶対この家の後妻に入ったる!」
と心に誓うのであった。
少々高ぶった気持ちのまま座敷に入ると
誰もいない。
と思うと、座敷の壁が、
箱が開くように四方に倒れ、
あっという間もなく
足の下には北斎の
「波間の富士」のような
渦巻く海が広がった。

わたしは1枚の畳の上に乗っかり、
「お、お」と言いながらも、
白い足袋の幅広の足でしっかり畳を踏みしめ、
ぐんぐん波の上を行くのであった。
(pink)
フク
あ、あれは続きが読みたくなりますね。
──
文章自体にも雰囲気があって。
ぬばたまの
ショートショートみたい。
──
ちなみに「今日の夢」への投稿で
「ほぼ日」乗組員の間で人気だったのは、
「焼き肉」の‥‥。
タナボタばんざい
あぁ、わかった。「焼き肉名刺」だ。
──
はい(笑)。
──
新しい上司と、お得意さまにあいさつ回りに行くと
上司の名刺が「焼肉」でした。

タレまみれの、ベタベタする焼肉名刺を
タッパーから取り出し、

上司に代わって差し出すのがわたしの役割でした。
(雪あかり)
北の庄
あれは、作業の手が止まりましたね。
タナボタばんざい
どういう状況なんだっていう(笑)。
──
夢って、ふつうの思考回路では、
ちょっと思いつけない展開ですよね。
フク
ほんと、すごいと思う。夢。
なぼちん
無意識って天才(笑)。
──
あと、芸能人がよく出てきますよね。
一同
(笑)
フク
柴田恭兵さんが大学の教授だった夢、
おもしろかったなあ。
──
柴田恭兵さんが大学の恩師で、
わたしは
密かな恋心を抱くシングルマザーの教え子でした。
想いを伝えぬまま卒業し、
火急の用事で広島に向かう途中のわたしは、
大阪で途中下車、
母校の学食で柴田教授に告白をします。
教授は静かに
「ありがとう。でも、聞かなかったことにします」
と言って、別れ際にわたしに手紙を渡します。
駅に着いて手紙を読むと
「貴女の書いた子育ての論文は素晴らしかった。
 いつの間にか
 大人の女性になっていた貴女が眩しかった」
とありました。
切なさに涙するわたしでしたが、その手紙は
達筆な字で書かれた
1メートル近い「巻き文」でした。

(minorimama)
──
あー、フクさん、好きそう(笑)。

ぼくが好きなのは
道端でケンカしてる人と野次馬の顔が
全員「片桐はいりさん」で、
でも、そのなかの、ひとりだけが‥‥。
──
片桐はいりさんが

路上でケンカをしていました。
はいりさんは
コテンパンに言い負かされて大泣きしています。
心配してどんどん人が集まってきました。
近所のおばちゃん、大家さん、登校中の小学生、
ラジオ体操帰りのおじいちゃん。
みんな、はいりさんと同じ顔です!

恐れおののきながらよーく見ると、
一人だけ違う顔が。
斎藤洋介さんでした。

(匿名さん)
なぼちん
斎藤洋介さん‥‥ってやつですよね。
タナボタばんざい
よくできすぎてる(笑)。
フク
あんな状況、考えつこうと思ったって、
ちょっと無理ですもんね。
北の庄
しかも、そこにいる全員が完全に真剣。
──
客観的に見てどんなおかしな状況でも、
全員が全員、常に真剣ですね。夢は。
ぬばたまの
そうそう。本当にすごいなあ‥‥夢。

<つづきます>
2017-03-15-WED
──
2017年3月31日午前11時まで開催している
「ほぼ日ブックスフェア2017」期間中に
全4巻組の「ぜんぶセット」をお求めいただくと
通常の購入特典である
「6種のきせかえカバー+金のカバー」に加えて
「酒井駒子さんのマグカップ&コースター」が
もれなく、ついてきます。この機会に、ぜひとも!
──