こんどの「JAZZ」、どうする?

第17回 目の前で、音楽ができあがっていく。

糸井

それでは、えー、ちょっとまとめますと、
ジャズに興味があるんだよね、って人に
来てほしいつもりなんだけども、
決して「ジャズ原理主義」じゃあないぞ、と。
やっぱり「音を楽しむ」、
すばらしいコンサートであるということが
基本になってきますよね。

タモリ

ええ、そうですね。

糸井

あるいは「楽しむを楽しむ」‥‥これか。

山下

うん、あとは「ジャズにはある」けど
「他の音楽にないもの」を見てほしいなぁ。

糸井

つまり、インプロビゼーション(即興演奏)。

タモリ

目の前で「音楽ができあがっていく」、
その現場に居合わせられるのが、ジャズです。

 
糸井

なるほど‥‥たしかに、ロックでもなんでも、
レコーディングして
ビジネスにするって前提があるから、
ウケたものは
必ず自分の「特許」にしちゃいますよね。

山下

ああ、そうなんですか。

糸井

つまり、「再現性」というか。

タモリ

決まったフレーズをやってますよね。
アドリブとは言ってるけれども。

糸井

「あの、おなじみのアドリブが!」(笑)。

タモリ

その場ででき上がったライブも、
その場かぎりで、終わり。
次のときにはまた違うって音楽はね、
ジャズだけでしょう。

糸井

うん、違わなきゃいけないんですよね。

山下

昨日と同じことやったら、
お客さんというよりも、
まず一緒にやってる仲間にバレます。

糸井

ああ‥‥。
そういうところで、戦ってるんですね。

山下

また同じことやってやがるな、なんて
仲間に思われるのは、覚悟しないと。

糸井

「あのときウケたと思って!」とか?
うわー‥‥すごいなぁ、それ‥‥。

山下

いや、まあそれでもいいんですよ。
つまり、「あれがお前の切り札だよね」って
思われればね。
「昨日出たあれ、いいからもう一度やって」って、
メンバーにそれとなく伝えることもあります(笑)。

糸井

それはもう、仲間と共犯になるわけだ。

山下

うん、共犯、共犯。
あれをもういちど、
今日のお客さんにも聴かせてやってって
思うんです。

糸井

逆に、どうやっても
「まったく同じになんかなりっこない」っていう
ジャズメンとしての自信も、あるわけですね。

山下

それは、そうです。

今日しかできないことを
いろいろやるなかで、
どこかで自分の決め技が出てくる。

でもどこでどう出てくるのか、出てこないのか、
そのへんは、永遠にスリリングなわけで。

糸井

その‥‥なんていうんだろう、
いま、いちばん「世の中にないもの」だと思うんです。
そういう「不確定なもの」って。

山下

ああ、なるほどね。

糸井

うん、そんなのみんなのまえに
出しちゃいけないという感じさえある。

音楽番組なんか見てても、
リハーサルでつくりこんで、
こうしたほうが安全だから
こういうふうにしましょうっていうのを
繰り返してるだけじゃないですか。

何が出るか分からないものって
出ちゃいけないとされてる。

山下

うん、うん。

糸井

でも、ジャズって、その真逆。
同じことやったら「バレる」わけですから。

タモリ

これはねぇ‥‥スリリングですよ。
現場に居合わせないと、わからない。

 
< 続きます >

あなたの質問に、壇上の3人が答えます!

前回の「はじめてのJAZZ」では、
みなさんから募集した「ジャズに関する質問」に、
山下さん、タモリさん、糸井重里が答えるという
コーナーをもうけました。

山下洋輔カルテットの実演もとびだすなど、
たいへん盛り上がった企画だったので、
今回もまた、やりたいと思います!

「ジャズ」についての質問・疑問があったら、
どんなことでもOKですので、
ペンネームをお書き添えのうえ、
メールにて、どしどしお送りください!

質問をおくる
たとえば、前回の「はじめてのJAZZ」には
こんな質問が寄せられました。
ジャズって勉強が必要ですか?
ついきいてしまうCDを教えてください。
ぶっちゃけ、
スウィングするというのが、
いまだにわかりません。
どういった感じなのですか?
なんか、今さらすいません。
ジャズをどうきけばいいのでしょうか?
イメージではソファーなどで座って
足を組み、グラス片手に目をつむり、
音をわかってるふうに
ちいさくリズムを取るというか。
手拍子や合いの手、掛け声などは禁止。
服装は、ドレッシーなんでしょうか?

なお、みなさんからいただいた質問は、
イベントのときだけでなく、
後日、このページでもご紹介したいと思っています。

ジャズについて、3人に聞きたいことがあったら
どうぞお気軽に、お送りくださいね!


2007-10-15-MON

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