クッキー、ビスケット、クラッカー。 食べても食べてもぜんぜん飽きない 魅力的なお菓子をつくる人、 なかしましほさん。 そんななかしまさんから、じきじきに、 おやつ作りの基本を教えていただきました。 (うれしかった!) ちょっとしたコツとか、微妙なニュアンスとか、 教わったことをまるごとお伝えいたします。 すごーく「くわしいレシピ」を目指しますよ−。
なかしましほさんのプロフィールはこちら
とてもくわしい おやつのレシピ  先生は、なかしましほさん。

もくじ
 
その1 同じレシピのはずなのに‥‥?
2012-05-07-MON
その2 「黒ごまスティック」を、とてもくわしく。
2012-05-08-TUE
その3 なかしま先生のアトリエにて、 「黒ごまスティック」を動画でくわしく。
2012-05-09-WED
その4 「スマイルビスケット」を、とてもくわしく。
2012-05-10-THU


その1 同じレシピのはずなのに‥‥?

なかしましほさんにはじめてお会いしたのは、
編みもの作家・三國万里子さんの
展覧会へお邪魔したときのことでした。

『長津姉妹展』と題されたその催しは、
編みものとお菓子を展示・販売するという内容でした。
別々のものづくりをしている、姉妹の展覧会。
ちなみに「長津」というのは、そんなおふたりの旧姓です。


写真の右が、なかしましほさん。
この日、なかしまさんには、
姉・三國万里子さんのことをいろいろとうかがいました。
そのときのレポートは、こちらに。

この展覧会で食べた、なかしまさんのお菓子に、
ちょっとみんなで顔を合わせてびっくりしたのです。

さくさくしてて、素朴な味わいのクッキー。
噛むほどに奥から味が見えてくるようなビスケット。
これがもう、
どんどん、いくらでも食べられてしまう。
クッキー系のお菓子をこんなに続けて食べちゃうなんて、
経験のないことでした。

こんな、かわいい箱に入っている‥‥


▲絵文字でFOODMOOD

こういう感じの、焼き菓子たちです。


どんどん食べちゃうその理由を
その場でなかしまさんにうかがったところ‥‥

「わたしのお菓子は、
 バターや生クリームを使っていないんです。
 だからたくさん食べていただけるのではないでしょうか。
 ごはんのようにまいにち食べてもらえる、
 そんなお菓子を作りたいと思っています」

というお返事。
なるほど、ごはんのように‥‥。

なかしまさんは、
そのお考えそのものの、レシピブックを出されていました。

『まいにち食べたい“ごはんのような”
 クッキーとビスケットの本』。


※まいにち食べたい“ごはんのような”シリーズは、
 ぜんぶで4冊、主婦と生活社から出版されています。
 くわしくは、なかしまさんのプロフィールをどうぞ。

「つまり、この本があれば、
 あのお菓子を自分でつくることができる!」

「ほぼ日」の中で、しずかなブームが起こりました。
週末に本を見ながらクッキーを焼いては、
月曜日に会社へ持ち寄り、みんなでもぐもぐ。


「おいしー」
「だめだ、とまらない(笑)」
「こっちもほら、おいしいよ」

などとガヤガヤやっているとき、
だれかがぽつりとつぶやきました。

「なかしましほさんに、
 直接、お菓子作りを教えてもらえたらいいなぁ」

ざわざわざわ‥‥。

「細かいコツとかニュアンスをうかがいながら、
 それをほぼ日にそのままのせたら、
 お菓子を作る人はすごくうれしいかも」

‥‥それはそうかも。

というわけで、
おやつの作り方を教えていただくために、
なかしましほ先生を
「ほぼ日」のキッチンにお招きいたしました!

じゃーーーん。


教えていただいた、幸運な生徒は、
の3人。


▲かるくズッコケた人、すみません。
 かわいいおやつのコンテンツに男がまざってます。

それぞれ、手になにかを持っていますね。
これは「宿題」です。

実際に作り方を教えていただくにあたって、
なかしまさんから、ひとつの宿題が出ていました。

「黒ごまスティックを作ってきてください」

黒ごまスティックは、
先にご紹介した本にもレシピが載っている、
基本のクッキー。


▲これが、黒ごまスティック

『まいにち食べたい“ごはんのような”
 クッキーとビスケットの本』の、
12-13ページをじっくり見ながら、
われわれ3名はその「宿題」を
それぞれの自宅で気合いを入れてやってまいりました。
完成品が、こちら。

作者は左からです。

さあ、それではまず、
宿題の評価を、
なかしま先生にビシッとしていただきましょう!

ちなみに、なかしま先生の顔アイコンはこちら→なかしま

先生ご自身に用意していただいたイラストです。
(ふだんはめがねをかけていることも多いそうですよ)

なかしま ではさっそく、味見をさせていただきます。
一同 よろしくお願いします!
なかしま まず、この、山下さんのですが‥‥。
こんなかたちは初めて見ました。
弓なりになりました、こんな。

なかしま いままでたくさんの人が焼いた
黒ごまスティックを見てきましたけれど、
こんなのは初めてです‥‥
ふしぎ‥‥なんでこんなかたちになったんだろう?
オーブンが悪いんですかね。
なかしま 食べてみます。

なかしま ‥‥あ、はい、ナマ焼けですね。
がーーーん(笑)。
一同 ナマ焼けーーー(笑)。

そっかー。
いやー、でも、
それなりにおいしいと思って食べてたんですよ。
モギ (山下のを食べ)‥‥うん、微妙だよね。
たしかにしっとりしてるけど‥‥。
みちこ (山下のを食べ)こういうものだと思えば、
それなりにおいしいかも‥‥。
でしょ?
比較するものがないとね、おいしく思えちゃう。
でも正解はこれじゃないのかー(笑)。
なかしま では、モギさんのをいただきます。

モギ うわぁ、ドキドキだ。
なかしま (食べる)‥‥これは火が通っています。
ちょっと強く焼きすぎているくらい。
薄い部分はかたくなってますね。
でも、おいしいですよ。
みちこ (モギのを食べ)うん、さくさくしてる。
(モギのを食べ)おおー、ほんとだわ、
食べくらべると差がわかるわ。
モギ ‥‥なんか、うれしい。
ありがとうございます。

なかしま じゃあ最後に、みちこさんのを‥‥。

みちこ よろしくお願いします。
なかしま (食べる)‥‥あ、ナマです(笑)。

みちこ え? ええーーーー!(笑)

なかしま 割ったときの感じが、
もうしっとりしてるんですよ。
焼き切れてないんです。
みちこ レシピの時間通りに焼いたのに‥‥。
なかしま 粉にしっかり油が入ってなかったんですね。
油が入っていれば、ちゃんと熱が届くので、
しっかり火が通るんです。
みちこ なるほど、油が熱を届ける‥‥。
そっかー。
(みちこのを食べ)‥‥もちもちしてる。
もうすでに、勉強になってますね。
モギ (みちこのを食べ)うん、
やっぱりこれって微妙な差なんだ。
なかしま そうですね、
細かいニュアンスは
文字だけだと伝きれないこともあって。
どんなレシピでもそれはあると思います。
なかしま いろんなかたが、わたしのレシピで
おいしいお菓子を作ってくださっています。
ただ「もっとおいしくなる」可能性も
あると思ってるんです。
それを教えてさしあげたいなあって。

この「とてもくわしいレシピ」という企画で、
それをみなさんに伝えられるといいですよね。
モギ うん、ちょっとしたコツとか。
みちこ 「ほぼ日」を通してみなさんに。
できるだけくわしく、
ていねいにお届けしたいと思いますので、
なかしまさん、なにとぞよろしくお願いいたします。
なかしま こちらこそ、よろしくお願いします。
‥‥それでは、
黒ごまスティック、作りますね。

一同 はい!

(黒ごまスティックの、
 とてもくわしいレシピにつづきます!)

2012-05-07-MON

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