これまでのこと、ブタフィーヌさんのこと。

第2回 たかしまさん、ゲームをつくる。

── マイコンを買ってくれた
理解あるお父さんのお仕事は?
たかしま 親父はもともとサラリーマンだったんですけど、
そのころは、スナックみたいな飲み屋さんを
やってまして。
── 経営してた。
たかしま はい。
ホストクラブって言ってました。
── ええ?!
サラリーマンで脱サラして、
ホストクラブ?
いまで言うホストクラブですか?
たかしま いや、当時「ホストクラブ」って言ってましたが
今とは形式はちがうと思います。
営業時間中に行ったことはないんですけど
女性客をおもてなしする店ではなく
ふつうにおじさんたちが飲んでたはずです。
── ステージはありました?
たかしま ステージ、ありました。
楽器がいつも置いてあって。
── たぶんそれは、
歌手が来るような
いわゆる「キャバレー」の
系列だと思います。
たかしま そうかもしれません。
「ブルーチェ」っていう名前でした。
── ブルーチェ‥‥。
たかしま なんか、人から、
引き継いだみたいなんです。お店を。
うんと小さいころは
普通の会社員のお父さんでした。
でもだいぶ物心ついたときには、
その飲み屋さんをやってて。
あんまり帰って来ないんです、
夜の仕事なんで。
── そうですよね。
コドモとは生活時間が合わない。
たかしま あんまり会えないんですよ。
たまに会うと、お店で遊ぶ用なのかな、
スロットマシーンみたいなゲーム機の
小銭を持って帰って来て
「仕分けろ」
って言われて手伝ってました。
── 真面目な人だったんじゃないですか。
たかしま とても真面目でした。
お酒は好きなのに、
仕事ではお酒全然飲まないんですよ。
── そのお父さんに、
マイコンを買ってもらうんですね。
たかしま そうです。
── よく説得しましたね。
すっごくほんとに
欲しかったんでしょうね。
たかしま ぼくは小さいころから、
ちょっとした電池でモーターが動く
車をつくってみたりとか、
機械をいじるみたいなのが
すごく好きだったんで、
まぁ、なんでしょうね、
理解してくれたんでしょうかね。
── 最初につくったゲームは?
たかしま コースがランダムに出てきて、
そこをコースにぶつからないように
車で走るという、
すごい単純なゲームです。
それでも、テレビゲームなんで、
友達とか呼ぶと、
ものすごい喜んでくれるんですよ。
── そうですよね。
ゲームセンターに行けば
100円とか、かかっちゃうわけですから。
中1にはすごくうれしい話です。
たかしま ただ、ひたすら走るだけのゲームなのに、
もう、延々やってくれるんですよね。
それが、またうれしくて、
次のを作りたいみたいな。
── 中、高と、そんな感じだったんですか?
たかしま そうですね。
その機械をまたちょっと
グレードアップしてもらったりとかしながら、
ずーっとコンピュータは続けてて、
大学で本格的に勉強してみたいなって思って。
── それで浪人後山梨大学の計算機科学科に4年間。
ここまで、絵の話が一切でてきないですね。
たかしま ははははは。
そうですねー。
2008-12-09-TUE
(つづきます!)
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