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| まぁ、とりあえずね、最初は、 永田くんへの批判から はじめてみたいわけですけど。 |
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| あ、そうですか。 | |
| もうだいぶ前になりますけど、 WBCのメンバーが発表されはじめたころ、 永田くんにWBCについて訊いたら、あなた、 「まぁ、WBCは、あんまり 重きを置いてないんですよね」 なんて言ってましたよね。 |
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| 「重きを置いてない」じゃなくて、 「楽しみ方がよくわかんないんですよ」と。 |
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| ま、ともかく、はじまる前は、 「WBCだぜぃ!」っていうんじゃなかったよね。 |
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| そうですね。 | |
| 野球もスポーツも あんなに好きなのに。 |
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| そうなんですよねぇ。 で、それ、糸井さんに言われてから どうしてそうなんだろうと考えたんですけど、 要するに、ぼくが好きな スポーツのパターンっていうのは、 「そのとき」のために、準備して、練習して、 努力を重ねて、重ねて、重ねて、 ついに「そのとき」がくる、 それを全力で応援する、っていうものなんですね。 |
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| うん、うん。 | |
| というときに、多少乱暴にいうと、 ふつうの野球選手というのは、 必ずしもWBCのために 努力をしているわけではない。 |
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| なるほど。 | |
| というあたりを、 どうとらえたらいいんだろうな、 っていう感じで、「WBCだぜぃ!」って なれなかったんだと思うんです。 もちろん、試合がはじまれば、 根本的には野球ファンですから、 ガツンと入れるわけなんですが。 |
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| じゃ、オリンピックの野球は? | |
| オリンピックの野球もおんなじです。 | |
| あ、そういえばそうだった。 | |
| そうそう。 だから、北京オリンピックの野球で 日本がメダルをとれなくて、 糸井さんがけっこう落ち込んでたときに‥‥。 |
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| うん。あんまり落ち込んでなかったね。 | |
| 「オリンピックの一部分が野球なんですよ」 みたいなことを言ったじゃないですか。 |
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| 言われたわ、それ。 つまり、プロ野球ファンとしての デフォルトの価値基準は、 永田くんとしては、あくまでも ペナントレースにあるんだね。 |
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| そうですね。 それはもう、長年、そういうふうに プロ野球を観てきちゃいましたから。 |
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| 似た話でいうと、村松友視さんは、 「世界の最高峰の野球を争うもの」って、 やっぱりメジャーリーグだろうって おっしゃってるんですよ。 |
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| あー、うん、うん。 デフォルトの価値として。 |
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| うん。で、まぁ、WBCっていうのは、 そこに価値観として ちょっかいを出すものっていうか。 |
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| わかります。 | |
| おれも、それはよくわかるんだ。 だけどね、自分の場合は、 もう、体が勝手に惹かれちゃうからね。 つまり、誰かがバンドを組む目的が 「女の子にモテたい!」であろうと、 いい音楽がそこで生まれたら ぼくはそこに身を任せちゃうわけです。 |
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| それもよくわかります。 だから、具体的に試合がはじまってからは もう、ぐいぐい「WBC!」に。 |
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| 多くの野球ファンも、一般の人たちも、 そういう感じだったよね。 もっと言えば、テレビ局もそうだし、 メディアもそういう感じだったし。 |
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| そうですねー。 | |
| だから、ひと足先に、浮ついちゃって、 WBCにソワソワした自分としては、 まずは、永田くんにひと言、 「ほぅら、おもしろかったじゃないか!」と。 |
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| はははははは。 おもしろかったですよー。 |
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| おもしろかったねー。 具体的には、どこから見方が変わった? |
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| どこ‥‥どこだろうな‥‥ 東京ラウンドは、やっぱり、 おもしろさや楽しみ方を探りながら、 それでも目の前のプレーには興奮する、 という感じでしたね。 |
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| 初戦の中国戦をいっしょに観に行ったけど、 そういう感じだったね。 じゃあ、アメリカに行ってから。 |
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| そうですね‥‥あ、わかった。 あの、ぼくにとってのプロ野球って、 ペナントレースっていうリーグ戦が基準だから 基本的には負けても大丈夫なスポーツとして とらえているんですけど、 それが「もう負けられない」ってなってから トーナメントに切り替わっていくんですよ。 それは、選手も、観るほうも。そこからです。 |
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| ってことは、キューバ戦だ。 | |
| そうです。2戦目のキューバ戦。 | |
| 岩隈が先発した試合ね。 雨だか霧だかで、もやっと煙ってる。 |
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| そうです、そうです。 | |
| 緊張感あったねー、あそこからはね。 | |
| もう、あそこからのWBCは、 ま、韓国との順位決定戦がひとつありましたけど、 基本的には「負けられない」という 甲子園の見方で観てました。 |
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| そうか、甲子園っていう 「負けられない野球」の楽しみ方もあるわけだ。 |
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| それはそれで大好きですから。 ついでに言っちゃうと、 ぼくは、日本の野球が強いのは 絶対、ひとりひとりの選手の血に 「甲子園」が流れてるからだって、 信じてるんですね。 |
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| あ、いい! それはいい意見だ。 | |
| (笑) | |
| その意見が聞けただけでも この雑談、やってよかったわ。 |
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| ま、この考えは、 ぼくのロマンがだいぶ入るんですけど。 |
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| そのロマンはOKですよ。 つまり、甲子園の遺伝子ですよね。 |
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| そう。日本で野球を目指す人って、 絶対、甲子園が刻まれるんですよ。 出た人はもちろん、 出られなかった人も、 出られなかったということで 血の中に甲子園が流れる。 |
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| いいわー、それ。 | |
| 甲子園というのは、つまり、 「試合に負けた瞬間に 3年間の青春の日々が 終わりになってしまう」という 強烈な価値観だと思うんです。 それを全員が揺るがない事実として 納得して野球に取り組んでいるという。 |
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| そのとおりですね。 それが血に流れてるチームは 強いよね、やっぱり。 |
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| そう思うんです。 | |
| それはね、メジャーリーガーに きちんと説明したら 「わ、そうか!」って言うと思うな。 |
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| その、極端に張り詰めた感じというのは メジャーリーガーには ないんじゃないかなぁと。 |
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| ないだろうね。 象徴的なところでいうと、 WBCの直前にね、 メジャーリーグの人たちは、 サイン会をやってたんだよ。 |
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| ああ、WBCを盛り上げるために。 | |
| うん。で、それはちっとも悪くないし、 「WBCをよろしく」「野球をよろしく」 っていうのは、いいことだと思うけど、 少なくとも、日本チームの人たちは それをいちばんには思ってないわけで。 |
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| そうですね。 | |
| あえていうと、王さんなんかは そういう意義を感じてるかもしれないけど。 |
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| 結果的に振興になるのはいいことですしね。 賞金の半額がそれに使われたりとか。 |
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| 実際、振興につながるのは間違いないけど、 野球の振興のために戦うとは思ってないよね。 もっというと、メジャーの人たちも 野球の振興のために必死になってるわけじゃなく、 もう、なんていうか、町内会の当番みたいに 「野球よろしく」ってサインしてるだけだから。 |
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| 今年は顔出しとくわ、みたいな。 | |
| そうそうそう(笑)。 で、そうやってサインしてる人たちがいる一方で、 国の期待を重く背負ってる人たちもいるわけで、 そのへんは温度差があるよねぇ。 |
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| 日本は、どっちがメインでもないですよね。 スポーツ振興も、国の代表ということも ないわけじゃないけどメインじゃない。 |
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| あえていうなら「勝つ」ということに ぜんぶを集中しているというか。 あ、まさに「甲子園」だね。 |
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| そうなんですよ。 | |
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| そういう流れとちょっと関係するんだけどね、 「サムライJAPAN」という呼び方が、 ぼくはどうも、気になっててさ。 |
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| もともと、糸井さんは、 「サムライ」っていうことばを 安易に使いすぎてるんじゃないか、 っていう意見ですよね。 |
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| うん。で、初戦の中国戦を観たとき、 勝ったものの、あまりに重い試合展開に、 「サムライじゃなくてもいいから もっとたのしく試合してくれ」って スポーツ新聞の原稿に書いたんだけど。 |
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| もともとサムライなんかじゃないんだから、 野球小僧に戻ってやってくれと。 |
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| そう、そう。まわりが、 国家の品格みたいな流れで 「サムライ」って使い出したら やりづらいだろうなぁって。 |
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| 奇しくも、大会直後の会見で イチロー選手が 「『サムライ』ということばが ハードルになった」と言ってましたが。 |
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| うん。だからといって 「ほらね!」って言うつもりはないんだけど、 なによりも、やっぱり、優勝したときの 川崎選手とか片岡選手とか中島選手とか、 サムライっていうよりも 「野球小僧」の顔してたじゃないですか。 |
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| ああ、そうですね。 | |
| あと、いいなぁと思ったのは、 シャンパンファイトのときに、 原さんが、ちょっと感極まりながら、 「ほんとに、おまえさんたちは、 強いサムライになった」って 言ってたでしょ。 |
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| 言ってました(笑)。 いい場面ですよねー、あれは。 |
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| あれはもう、町人目線のことばだよね。 呉服屋の旦那というかさ。 |
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| (笑) | |
| つまり、たくましくなった 野球小僧たちに向かって、町人が 「おまえさんたちゃ、サムライだよ!」 って言ってるわけだよね。 その収まり方はね、いいなぁと思った。 |
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| なるほど。 | |
| だから、「サムライJAPAN」っていう ストイックな集団じゃなくて、 こう、町人や農民がサムライと混じって 一丸となってる感じならいいと思うんだよね。 あ、だから、まさに『七人の侍』だね。 |
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| ああー、はい、はい。 | |
| ぼくの好みを言わせてもらえば 「七人の侍JAPAN」。 |
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| 雨の中で農民といっしょになって 泥臭く戦うサムライ。 |
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| そうそうそうそう。 それなら、日本チームに近いね。 |
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| ちなみに、原さんが 「チームに呼び名をつけてくれ」って リクエストしたっていう話は聞きました? |
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| 観た、観た。ドキュメントでやってたね。 | |
| 選手はやりづらかったかもしれないですけど、 原さんは、ああいう呼び名があったほうが よかったのかもしれないですね。 |
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| 決勝戦の翌日の原稿にも書いたけど、 今回の日本チームって とってもよくまとまってたんだけど、 軍隊っぽさとか、兵隊っぽさがなくて とってもよかったと思うんですよ。 |
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| うん、うん、そうですね。 | |
| 駒とか、消耗品として 選手を動かしてないというか。 それは、やっぱり、原さんの存在感というか、 「いかた」が影響として大きいんだろうなあと。 |
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| わかります。なんていうか、選手が、 「従ってる」というより、 「納得していっしょにやってる」という。 |
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| たぶん、明確なんだろうね。 言ってることとやってることが。 |
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| そういう感じがしました。 選手の選抜も、起用も、 「コンディションで選ぶ」って明言してましたし。 |
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| たぶんね、その日その日の調子っていうのは、 現役で野球している人だったら、 現場で感じ取れるんだと思うんです。 だから、こいつが調子いいに 決まってるじゃないですか、 っていう選手を使ってる。 |
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| うん。 | |
| だから、意外なオーダーも、 自信たっぷりに思えるんですよね。 いちばん最初の強化試合かなんかで、 四番が稲葉選手だったとき、 びっくりしなかった? |
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| 意外でしたね(笑)。 もちろん、実績も実力もあるんですけど、 誰もが認める全日本の四番、 というイメージはなかったので。 |
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| ところが、それがちゃんとハマる。 | |
| そう! | |
| 説得力、あるよねぇ。 だって、たしか最年長だよ、稲葉選手は。 それを、精神的支柱みたいな役どころじゃなく、 「つなぐ四番」として機能させるんだから。 |
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| その一方で、国際経験豊かな選手、 実績あるベテラン選手が代表からはずれたり。 |
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| 要するに、実績やポテンシャルがあっても、 現場で「使い倒せない選手」っていうのは 外さざるを得なかったんだろうね。 |
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| そうですね。 で、「使い倒せる選手」って 具体的にどういう選手かというと、 体がよく動いて、複数ポジション守れて、 っていうバランスのいい若手選手になる。 |
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| けっこう、高いんですよね、 要求されてる最初の水準が。 |
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| それで思い出したんですけど、 ヤンキースのジーター選手(アメリカ代表)が 試合後におもしろいことを言ってたんですよ。 インタビューで 「日本チームはどこが強かったですか?」 って訊かれて、ちょっと冗談まじりに、 「日本はひどい。みんな足が速いんだ」 って答えてたんです。 |
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| (笑) | |
| そりゃそうなんですよね。 選ばれてる時点で足が速いというか、 ヒットで2塁から帰ってこれないような選手は 最初からはずされてるから。 |
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| 足が遅いのは キャッチャー陣と村田選手くらいかな。 |
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| で、それって、1点を争う短期決戦では すごく重要じゃないですか。 だって、日本は、勝負所で塁に出たときに 代走を送らずにすむ選手ばかりなんです。 |
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| もともと、日本のチームカラーは 「安定した投手力」で守り勝つっていうもので、 それはチーム結成当時から 原さんが言ってましたからね。 そうなると、1点勝負になるのは必然で、 代走が必要な選手がいたんじゃ困るんだよね。 |
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| そうですね。 | |
| ピッチャーも、そうだね。 個人的な印象だけど、どの投手も 「行け」と言われたところで行くというか、 文句を言わない人たちが そろってたような気がする。 だから、藤川投手にしても、 最後はダルビッシュにゆずる形になったけど、 いろいろアドバイスしてあげてたみたいだし、 ほかにも出番の少なかった選手はいるけど 納得はしてるんじゃないかなぁ。 |
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| けっきょく、まったく出番のなかった選手は いないんですよね。 |
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| たしか、そうですね。 内海ー阿部の巨人バッテリーなんかも 韓国との順位決定戦でうまく先発させたりして。 |
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| 韓国との4戦目ですね。 あの試合は、なんていうか、 うまくしのいだというか、拾ったというか。 |
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| そう、あの試合は難しい。 | |
| 難しいですよね。 勝っても負けても準決勝だから、 選手を休ませたいところなんだけど、 負けるのはやっぱりチームにとってよくない。 |
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| で、新しいバッテリーで先発させて、 たしかすごく早く内海を引っ込めるんだよね。 |
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| そう。3回3分の2くらいで、 登板のなかった小松投手に代えて、 そのあと小刻みにつないでって勝つんです。 |
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| 終わってみれば、見事でしたね。 勝っても負けてもいい試合を 勝っても負けてもいいっていうふうに 簡単に考えるんじゃなくて、 機会を増やしながら、勝ったという。 |
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| はい。 | |
| 準決勝を見据えて、 勝ってホームチームのアメリカとやるのと 負けてベネズエラとやるのと どっちがいいのかっていう話もあるでしょうけど、 「どっちのほうが勝ちやすいかな?」って 考える時点でチームがおかしくなるよね。 |
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| そうですね。 そもそも野球って、いや、 どんなスポーツもそうかもしれないですけど、 「勝つんだ」という前提をくつがえしちゃうと ぜんぶがバラバラになっちゃうと思うんです。 |
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| それはもう、いちばん最初に 取り交わすべきルールだよね。 ぼくは、モノポリーをやってた経験で 知ってるんだけど、 ひとりでも「勝たなくていいや」っていう人が 混ざった瞬間に、 ゲームってグチャグチャになるんです。 |
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| あー、場が荒れるんだ。 | |
| そう、そう。だからやっぱり、 準決勝のどっちと当たるのが得か? って考えるのはよくないなぁと思って。 |
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| 原さんからも、 そういう発言はまったくなかったですね。 あの、アテネ五輪で 日本が金メダルを逃したときに 「正直に全勝しようと思うから 決勝に行く前に力尽きたんだ」 っていう批判が一部であったんですが、 東京ラウンドで韓国に負けたとき 「全勝するつもりだったので残念です」って はっきりコメントしてましたし。 |
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| 原監督っていう人は、 そういうところの野球観が まったくブレない。 |
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| ブレないですねー。 | |
| この大会はこういう性質だから、 こう戦っていくというんじゃなくて。 |
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| そう。それこそ、 アマチュア時代からの真剣さで取り組んでいく。 |
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| それこそ、「甲子園」からの精神で。 | |
| いや、そうそうそうそう、ほんとに。 それはご自身の東海大相模での経験や、 その監督であるお父さんからの 影響も大きいと思いますけど。 |
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| 思えば、甲子園って、 全勝したチームが優勝なんですね。 |
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| そうです。 日本中でただ1チームだけが全勝する。 |
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| そうなんですよね。 いや、それは、なんていうか 痛快だよね。 |
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| みんな全勝をめざしてやるんで。 | |
| 「全国でうちの高校だけが全勝する確率は?」 って考えるんじゃなくて、 全勝することがありうるんだから 目指すわけだよね。 それは、なんていうか、原監督のなかに 流れているものなんだろうなぁ。 |
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| あの人は、エリートといっていい 野球人生だと思うんですけど、 そのなかで育まれた野球哲学のまま 余計なことを考えずに まっすぐ野球をし続けてると思うんです。 監督になって以降の高い成績っていうのは それがチームを率いていくうえで うまく作用するんじゃないでしょうか。 |
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| あの、冗談みたいなポジティブさと。 | |
| そうそう(笑)。 | |
| でも、それは、大事な試合になればなるほど 活きてくる精神ですよ。 あのね、西武が日本シリーズで 勝ち続けてた時代ってあったじゃない? |
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| はい、はい。 | |
| あの時代にね、西武側の人たちが、 「日本シリーズは2戦目が重要なんだ」って 言ってたじゃない? |
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| はい。いまも言われてますよね。 | |
| うん。でもね、あんなのは なんの根拠もないんだって、 いまごろになって西武の人たちが 認めてたりするんだよ。 つまり、1試合目を負けたりすることもあるんで そういうふうに言ってたらしいんだ。 ところが、勝ち続けてる西武がいうと 「なるほど、2戦目必勝主義」って思っちゃうわけ。 でも、根拠はなくても、現場では その気持ちがとっても重要らしいんだ。 |
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| なるほど、なるほど。 あの、野球のそういう標語みたいなものって けっきょく、全部、 「現状をポジティブに言い換えるもの」 ばっかりなんですよね。 |
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| そうだね、そうだね。 | |
| 「野球はツーアウトから」なんて 「ツーアウトでランナーないけど 頭を切り換えてがんばろう」だし、 「三振前のバカ当たり」だって、 「すっごいいい当たりのファール打たれたけど、 きっと三振だよ」ってことだし。 |
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| そういうふうに駆り立てることで 選手がのっていくってことだよね。 原監督が試合前のミーティングで しゃべるところをドキュメントで観たけど、 「後ろ向きなことは言わない。 つねに前を向いていく。以上」 みたいなことしか言わないんだよね。 |
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| 観ました、観ました(笑)。 古くさいっちゃ、古くさいですよね。 |
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| そう。でも、あれしか言ってないけど、 選手がちゃんと信じてる。 |
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| そうですね。 | |
| で、そういう人ばっかりを 集めてるとも言えるわけだよ。 |
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| ああー、そうか、そうか。 | |
| イチローが、もっとニヒルに 「1勝1敗でOKですから」みたいなことを 言う選手だったら、 あの場にいないと思うんだよね。 そういう意味でいうと、 イチローのあの「悔しがり」な性格と、 原監督のまっすぐさというのは‥‥。 |
|
| ああ、似てます、似てます。 違うものかもしれないけど、 少なくとも、相性はいいはず。 |
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| 「全勝!」って言えるふたりなんだよね。 ある意味、イチローはクールだけど、 ものすごくポジティブでしょ。 だって、本人、あれだけ不調だったのに 自分を実況したりしながら 打席に入ってるわけだから。 |
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| 思えば、すごいコンビだったんですね(笑)。 | |
| うん。あとね、原監督を観ていて 「これはオレにはできないな」って 思えた場面が、あってね、 なにかっていうと、 選手が送りバントを失敗したところで 「よし!」って拍手してるんだよ。 |
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| 観ました、観ました(笑)。 カメラが切り替わると、 もう、監督の頭が切り替わってるんですよね。 |
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| そう。もう、こんなんなって、 激しくパンパン拍手してるんだ。 「ここはなんとか送ってくれ」っていう 重要な場面でバント失敗した直後だよ? |
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| ははははは。 | |
| ポーズとしてあれをやる監督は いると思うんですよ。 つまり、目が残念がってて、 手だけ「ドンマイ」ってやってるような。 でもね、原さんは違う。 |
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| 目がポジティブ。 | |
| そうなんだよねー。 いや、オレもね、ある程度やってる自信はあるよ。 たとえばスガノがわかりやすいヘマをして 「どうぞ私を罰してください」みたいに なにかを報告しに来たときに、 ぜんぜんそれを罰しない、 ってなことをしてる自信はある。 |
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| WBCのバント失敗と 焼きが回ったスガノを並べますか。 |
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| でも、あそこまで活き活きと 拍手ができるかっていうと、難しいなぁ。 |
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| あの、原さんのブログを読んでると、 「選手がバントを失敗した場合は、 バントをさせたオレが悪い」 っていう考え方なんですよね、あの人。 |
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| ああ、そうですね。 | |
| だから、それがちっともきれいごとじゃなくて、 そのまんまなんですね。 きれいごとがブレないというか。 |
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| そのブレなさは、岩田さん (任天堂社長、岩田聡さん)に 通ずるものがあるね。 |
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| ああー、そうですね。 | |
| つまり、選手と同じ当事者として ふつうに試合に臨んでるんだよ。 |
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| あの、ぼくは、個人的な野球の見方として、 「打てなかった」「抑えられなかった」 ということは批判の対象にしないんですね。 というのは、野球って、 田口選手もおっしゃってるように 「三割五分打つ人が一流」っていう とっても不確定な競技ですから、 そこでの打った打たないには、 激しく一喜一憂はしますけど、 その選手が悪いとかは思わないんです。 |
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| なるほど。 | |
| というときに、重要に感じるのは、 「勝つために手を抜かなかった」とか 「勝つ方法をしつこく突き詰めた」ということで 逆に、「勝つことを突き詰め切れてない」 っていうのが、ぼくにとって、 「よくない野球」なんです。 で、今回でWBCで原さんたちがやったのは、 とにかく、しつこく勝つところまでを きっちり前向きに突き詰めていったということで。 |
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| 原さんがなにかというと口にしてた 「胸と胸をつき合わせて」っていうのも、 そういうふうに 「突き詰めたという自信を持って臨む」 ということなんだろうね。 |
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| あーー、そうですね。 | |
| キューバにも、アメリカにも、 「胸と胸をつき合わせて」だったからね。 「がっぷり四つに組んで」とかね。 |
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| シーズン中も大事な試合の前には そういうことをおっしゃいますね。 |
|
| ブレないんだよねー。 で、実際に、 胸と胸をつき合わせてたわけだからね。 そのへんは、なんていうか、素敵だったよね。 |
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| 素敵でしたねー。 | |
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| なんだか、ずっと原さんの話に。 | |
| なっちゃいましたね(笑)。 | |
| ま、個々の選手の話はね、 もう、できるに決まってるんで。 |
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| いくらでもできますね。 | |
| 川崎選手の名ゼリフとかね。 | |
| 「ベンチの中で試合に出てました」ですね。 | |
| いいよねー。 あと、ぼくがひとり、今回の日本チームを 象徴する選手を挙げるとしたら岩隈投手ですね。 あの、しれっと笑っちゃう感じがね、 サムライっぽくなくて、いいなぁと。 |
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| ぼくは、誰だろうなぁ。 やっぱり、青木選手かなぁ。 |
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| 青木ね! よかったね! | |
| 『筋肉バトル』のころから 応援しててよかったですよ。 |
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| うん。あのショットガンタッチはすごかった。 | |
| 青木選手は打つほうもすごかったですけど、 何気にライン際の守備とかもすごかったですよ。 「もう、そこにいるんだ!」って感じで ツーベースをシングルにとどめてた。 |
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| 守備はほんとうによかったですね。 | |
| ほれぼれしました。 決勝戦も、内川選手のあのファインプレーとか。 |
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| あれは、もと内野手の動きですよね。 | |
| あ! そうか、そうか。そうですね。 | |
| あの突っ込み方とすくい方と踏ん張り方。 | |
| ああ、たしかに。 | |
| あと、松坂投手の逆ダマの話って聞いた? キューバ戦で、キャッチャーが構えると ベンチから声で指示が出ることを逆に利用して 城島のミットと違うところに わざと投げてたっていう。 |
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| 聞きました、聞きました。 たしか、アテネか北京のオリンピックで そのことに気づいたので バッテリーで示し合わせて構えたところと 違うコースに投げてたらしいですね。 |
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| まぁ、そんなに何球もないんだろうけど、 そういう、ちょっと漫画っぽい 「作戦」って、わくわくするよねー。 |
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| あ、松坂投手で思い出した、 優勝の瞬間、松坂投手が どこにいたか知ってます? |
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| ん? どこだっけ。 | |
| ブルペンにいるんですよ。 松坂、あの試合は投げられないんですよ? |
|
| へーーー。 じゃあ、なに、盛り上げに? |
|
| 勇気づけに行ったんですよ、たぶん。 なにかできることがないかっていう 動きだと思うんですよね。 |
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| ブルペンに誰がいたのかな。 | |
| いや、延長がどこまで続くかわからないから それこそ、みんないたと思いますよ。 |
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| ああ、なるほどね。 でも、ブルペンで、 あの緊張感の中で準備してて、 松坂が来てくれたらうれしいよね。 |
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| そう思うんですよね。 投げられないんだから、 2点差がついてたら ベンチから飛び出したいと思うんですけど、 ブルペンにいたっていうのは なんか、すごいなあと思って。 |
|
| いわゆる「投手会」的な動き。 | |
| そうそうそう(笑)。 | |
| はぁー、いいチームだね。 | |
| いいチームですねー。 | |
| シャンパンファイトのときにもさ、 いろんな人が胴上げされてて すごくよかったんだよ。 かと思うとマーくんが呼ばれて 胴上げされるのかと思ったら みんなに踏まれたりしててさ。 「まさお」とか呼ばれてさ。 |
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| はははははは。 | |
| で、松坂がマイク向けられて、 「いまのうちにつぶしとかないとね」って。 ああいう仲のよさが。 |
|
| いいですよねー。 大会後の記者会見でもマーくんが 「つぎの大会では18番を つけられるようになりたい」とか言って、 松坂が「まだ譲らないよ」みたいなことを 返したりしてて。 |
|
| あれ、ダルビッシュがマーくんに けしかけたらしいよ。 「言え、言え」って。 |
|
| いいなー。ドキュメントで、 アメリカチームの選手のビデオを 岩隈がチェックしてるところ、観ました? |
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| あ、それ観てない。 | |
| 岩隈が「うわ、こいつヤバイ」とか 言って観てるところに マーくんがやってきて、 「そいつ、めっちゃヤバイんですわ」 みたいなことを言うんですよ。 もう、そのコントっぽい 先輩後輩な感じがいいなあと思って。 |
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| いいなー、それは。 そういうにおい、ぷんぷんしてますね。 片岡とか、中島の顔とかにも現れてたよね。 |
|
| 野球部っぽいんですよね。 | |
| そうそう。 ああいうマンガがあったらおもしろいね。 |
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| このWBCがマンガだったら最高ですよ。 | |
| 最高だよねー。 イチローが2巻分くらいつかって 悩んだりするんだろうね。 「そのころ、一弓(イッキュウ)は‥‥」 みたいな場面があったりさ。 |
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| 愛犬も出てきますか。 | |
| 「がんばれワン」なんつってさ。 | |
| 一弓、しゃべるんですか。 | |
| ま、そういうところで、 きりがないから終わりましょうかね。 |
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| じゃ、突発的な雑談としてばばっと掲載します。 | |
| どうしてもやりたかったので、すいません。 | |
| ゲストもなしに、すいません。 | |
| ああ、でも、すっきりしたわ。 しゃべれて、よかった。 みんなも誰かとしゃべるといいぞ。 |
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| どうでもいいことを最後に言っていいですか。 | |
| どうぞ、どうぞ。 | |
| 野球選手にかぎらないことですが、 アスリートは自分の子どもと チューをしすぎじゃないですかね? |
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| 知らん! | |
| (おしまい) | |
| 2009-03-27-FRI | |








