HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN

WILD MOTHER PARTY

うれしいご縁がふたつ、
『MOTHER』でつながりました! 
新日本プロレスの大スターで、
現IWGPヘビー級王者のケニー・オメガさん。
ロックバンド「マキシマム ザ ホルモン」で、
バンドの全作詞作曲を担当するマキシマムザ亮君。
それぞれの世界で大暴れするおふたりから、
「『MOTHER』の大ファンです!」
という声をほとんど同時にいただき、
ならばということで、
糸井重里と『MOTHER』について、
大いに語っていただける場をご用意いたしました。
せっかくなので、ほぼ日まわりにいる
それぞれのファンにもお声がけをして、
ちゃっかり記念Tシャツまでつくって、
みんなでこの出会いをおもしろがってみました。
泣く子もだまる120分1本勝負! 
いや、エンディングまで、泣くんじゃない!

第4回 音楽へのこだわり。

糸井:
ゲームをつくるときって
「どうやったらおもしろくなるだろう」は、
みんな考えると思うんです。
でも、ほんとうは
「おもしろくないところ」を、
どうつくるかも大事なんです。

つまり、「おもしろくないところ」が
ちゃんとできてないと、
おもしろいところには目がいかない。
ケニー:
あぁ。
亮君:
たしかに‥‥。
糸井:
じゃあ、おもしろくない部分を
どうつくるかというと、
それって「絵をかく前に、
キャンバスに白い絵の具をぬっておく」
みたいなことだったりするんです。

ぼくが『MOTHER』をつくったとき、
アメリカの背景だったから、
主人公の女の子の家を教会にしたんです。
それで「エイトメロディーズ」をつくるときは、
「讃美歌をつくってほしい」と頼みました。

そもそも讃美歌って、
みんなが「わぁ、おもしろい!」って
興奮するようなものじゃなくて、
みんなが心を穏やかにするものです。
そういうベーシックな表現の上に、
「ゲップー」や「どせいさん」のような、
いろんなクリエーションを乗せています。

『MOTHER』というゲームは、
じつは「そこが大事なんだよ」ということを、
きょうの話を聞きながら思い出しました。
ケニー:
私は「ギーグ」のときの音にも、
すごくビックリしたんです。
すごくヘンな音がいっぱいあって‥‥。
糸井:
ギーグのときの曲は、
ぼくの頭の中ではビートルズの
『REVOLUTION 9』がありました。
どこかに連れていかれちゃうような、
ああいうヘンな感じを出したかったんです。
亮君:
糸井さんは『MOTHER』のなかで、
どの曲が好きなんですか?
糸井:
まさにさっきの
「白い絵の具」という意味でいうと、
スノーマンの曲はとくに好きです。
寒いし、白いし、あの上に
いろんなものを乗せていけばいいんだという。
あの曲を聴くと、なんだかほっとします。
亮君:
昔、『MOTHER』のサントラを買ったら、
8ビットの原曲じゃなくて、
ボーカルの入った本格的な曲になっていて、
すごくビックリした覚えがあります。
糸井:
あれはイギリスのスタジオで、
すべて新しく録音し直したんです。
亮君:
あのボーカルバージョンも大好きですが、
ファミコンの8ビットの音も、
やっぱりいいんですよね。
操作のときの「ピピピッ」というコマンドの音、
あれもBGMみたいに思っちゃいます。
糸井:
ゲーム音楽がどれだけ大事かというのは、
最初からかなり意識にありました。
ファミコンソフトの総メモリ量なんて、
ほんのちょっとしかないのに、
もう非常識なくらいに
音楽データにメモリを割いてましたから。
ケニー:
私は「ポリアンナ」という曲が好きです。
糸井:
ポリアンナ、いいよね。明るくて。
ケニー:
はい、カラオケでよくうたいます(笑)。
会場:
(笑)
亮君:
いまの「歌」の話で思い出したんですが、
昔、『MOTHER』に背中を押してもらった
できごとがあって‥‥。
糸井:
ええ。
亮君:
ちょっとネタバレみたいになるので、
まだやってない人は
耳を塞いでほしいのですが‥‥。

『MOTHER』には
「歌の力が世界を救う」みたいなところが
あるじゃないですか。
糸井:
ああ、そうですね。
亮君:
当時、中学生だったんですが、
その頃ってじぶんが選ぶものすべてが
正解だと思っていた時期で、
なんでもじぶんと結びつけては
自己肯定するようなこどもだったんです。

そんなある日、ぼくの中学校に
不良軍団が攻めてくるという連絡があって‥‥。
ケニー:
なんかすごいね(笑)。
亮君:
ぼく、ラグビー部のキャプテンだったから、
「俺たちのラグビーを邪魔するな!」とか言って、
スポ根マンガのキャプテンみたいに
不良軍団をやっつけたかったんです。
でも、その日、ぼくは学校を早退しちゃって‥‥。
糸井:
ああ。
亮君:
そんなじぶんがすごく情けなくて、
それで「俺はラガーマンとして失格だし、
かっこいいキャプテンには一生なれない。
じぶんはもうロックしかない、歌しかない」って、
そう思うようになっていったんです。

そんなときに『MOTHER』をやってたから、
なんかすごく影響を受けちゃって、
クリアしたときなんて
「やっぱ歌なんだよ! 
『MOTHER』が俺にうたえって言ってる!」って。
会場:
(笑)
ケニー:
それはもう運命だね(笑)。
糸井:
ぼくは「歌が力を持つ」っていうのは、
やっぱりあると思ったんです。
それは「歌にはすごい力があるから、
みんなで立ち上がれ!」じゃなくて、
「歌を聞いていたら、
なんかイヤになっちゃった」みたいな。
亮君:
はい。
糸井:
『MOTHER』というゲームは、
どのくらい殴ったとか、何点とったとか、
ふつうの勝ち負けだけじゃない、
そういう世界の話にしたかったんです。
ものすごく早い段階のときに、
そうしようというのは決めてましたね。

(つづきます)

ケニーさんからのお知らせ!
2019年1月4日(金)
『WRESTLE KINGDOM
13 in 東京ドーム』
ケニー・オメガ選手と
棚橋弘至選手が激突!
新日本プロレス最大のイベント、
通称「1.4(イッテンヨン)」。
今年のイッテンヨンには、
王者・ケニー選手と挑戦者・棚橋選手との
タイトルマッチが組まれています。
この試合、お互いのプロレス観のちがいを主張する
「両者のイデオロギー闘争」とも呼ばれていて、
今後の新日本プロレスの未来を決める
大注目の一戦なんだとか。
ケニーさん、がんばってください! 
くわしくは特設サイトからどうぞ。
マキシマムザ亮君からのお知らせ!
マキシマム ザ ホルモンの最新作
『これからの麺カタコッテリの
話をしよう』、
好評発売中!
新曲CDとマンガ一冊がセットになった
マキシマム ザ ホルモンの最新作が発売中です。
すでに17万部を突破しており、
12月10日付のオリコン週間BOOKランキング
「コミック・エッセイジャンル」で1位を獲得! 
さらに総合BOOKランキングでも堂々の2位! 
収録されているマンガ
『マキシマムザ亮君の必殺!!アウトサイダー広告代理人』は、
マキシマムザ亮君が監修・脚本を手がけています。
購入特典も4つ付いて、お得感もメガテンコ盛り! 
お買い求めは、全国の書店か大型CDショップまで! 
くわしくは特設サイトからどうぞ。
ほぼ日からのお知らせ!
「WILD MOTHER PARTY」
開催記念Tシャツ、
30名様にプレゼント!
本企画の実現にあわせて
「それぞれのファンにプレゼントしたいから」
「単純にじぶんたちが欲しいから」
という理由で特別に制作した、
ケニー・オメガさん、マキシマムザ亮君、
『MOTHER』のロゴ入り記念Tシャツを、
30名様にプレゼントします! 
S、M、Lを各10枚ずつ、計30枚ご用意しました。
本編でケニーさんやセコンド陣が着ていたものと
まったく同じデザインですよ。

エントリーは1人1回まで。
応募者多数のときは、抽選とさせていただきます。

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たくさんのご応募ありがとうございました。

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