京都をベースに活動するブランド、
GRANDMA MAMA DAUGHTER
（グランマ ママ ドーター）。
カトー（KATO`）デニムの
レディスラインとしてスタートした、
デザイナー・宇和川恵美子さんのひきいるチームです。
ブランド名は、女性が三世代着続けられるような服を、
という思いをこめて名付けられました。

いちばん最初のコレクションは、シャツとデニムだけ。
現在はスカート、ワンピース、カットソー、ニットへと
アイテムの幅をひろげてきましたが、
「白いシャツ」は、ずっと。
グランマ ママ ドーターの人気アイテム。
「ほぼ日」では「O2」で
Ｔシャツづくりに参加いただくなど
ご一緒してきましたが、
「白いシャツをめぐる旅。」ではひさしぶりの登場です。
この日は東京にいらしていた宇和川さんと、
同じくブランドデザイナーである
秋吉孝信さんにお話をうかがいました。

宇和川さん、お目にかかっていないあいだ、
なにか変化はありましたか？

「ブランドとしては、
以前はもっとカジュアルの要素が強かったんですけど、
大人の女性にも着ていただききやすい、
でもカジュアルを忘れてないような、
そのミックスした感じになってきていますね。
３世代、というのは、
そんなふうに着てもらえたらいいなと思っていましたが、
ほんとうに70代のグランマ世代の女性がが着てくださったり」

つくる服の感じは、どんな変化が？

「シルエット的に、大きなサイズを好んで着られる
お客様が増えたなと思います。
以前は肩ジャストで、ぴちっと着る人が多かったので、
ずいぶん大きくなったなって思います。
もちろん、定番のシャツもつくっていますが、
バストダーツがあって、
タイトにシルエットに沿う感じでしたけど、
今はそのダーツを取って、普通のボックスになりました」

そんな宇和川さんたちがつくる今回のシャツは、
シャツとしてぴちっと着るというよりは、
「ちょっと羽織るもの」の感覚です。

このシャツ、今シーズンの新作です。
すごーく、たっぷりしています。
メンズシャツのように大きい。
じっさい、男子も着られるサイズです。
そして「かわいい」！
まず目に入るのがボタンです。

「ループボタンといいます。
ジャケットで使われることがありますが、
こうしてシャツで使い、
しかも数が多いのが特徴です。
すこし古着っぽいディテールですね。
ボタンそのものも、樹脂の、厚手のものを使いました」

今シーズンのグランマ ママ ドーターは、
「アンダー・ザ・スカイ」がテーマ。
「外に出て楽しく服を着ましょう、ということで、
ふんわり羽織れるものをつくったのだといいます。
襟は、バンドカラー。この感じも、古着的。
そしてポイントとして、リボンがついています。
リボンといっても甘い感じのものではなく、
「ながい紐がついている」というような。

「これは飾りでつけました。
結んでいただいてもいいですし、
ボタンを留めずに開けて着るときは、
垂らしたままでもいいんですよ」

肩はドロップショルダー。
だいぶ落としています。
この肩と身幅の広さ、
ディテールに凝っているけれども甘すぎない感じが、
男性も着られそう、と思うゆえん。
ただ男性だと、ちょっと袖が短いかもしれません。
（めくって、どうぞ。）

カフはみじかめ、そこにギャザーがたっぷり。
カフのボタンもループです。
前身ごろがちょっと短めで、
後ろ身ごろのほうが長く、ボックスシルエットに。
ヨークの中心線がはぎあわせになっていて、
センターにギャザーを寄せています。
うん、後ろ姿も、かわいいです。
洗いざらし（いちど洗ってからお届けです）なので、
全体のトーンが落ち着いていて、
独特のアーティスティックな表情がある。
ヨーロッパ的のような気もするし、
でもどこか無国籍な感じもする、
ふしぎなシャツなんです。

素材は綿麻。

「コットン70、リネン30です。
ちょっとシャリッとした感じの生地ですが、
一見、リネンだとはわかりにくいかもしれませんね」
（秋吉さん）

「ノースリーブの上からばさっと羽織っても、
カットソーの上に羽織っても、
きっとかわいいと思いますよ」

このシャツ、じつはぼく（＝武井）、着てみました。
胸囲100、おなかも出てますが、
おかしな感じではなく着られましたよ。
うーん、グランマ ママ ドーターに
きょうだいブランドでメンズがあればいいのにな。
「グランパ パパ サン」とか！

宇和川さん、秋吉さん、ありがとうございました。