ほぼ日刊イトイ新聞
その8 yunahica おとなのための日常着を。

「ほぼ日」でもいっしょに仕事をしてきた
スタイリストの佐伯敦子さんと、
編集者でありライターでもある山崎陽子さんのふたりで
運営しているブランドがyunahica(ユナヒカ)です。

じつは佐伯さん、yunahicaを立ち上げる前に、
「自分が着るものを作ろうかなって気持ちになって」、
ちいさなブランドをひとりで立ち上げたのだそう。
「でも、ひとりでは限界があって、
2015年の初夏に、わたしの苦手分野を補うかたちで
山崎が参加をしてくれたんです。
そのときにあたらしく『yunahica』と、
言葉遊びでつけた名前ではじめました」

佐伯さんが得意なのは「つくること」。
こんな服があったらいいのに! というアイデアを、
つよい思いをもって、
ぐんぐんかたちにしていくタイプです。
いっぽう山崎さんは、マメで、こまやかなサポートが得意。
佐伯さんいわく
「経営のことからお客様対応まで、頼れる人なんです」。
しかも、洋服も和服も大好きで、
ベテランスタイリストの佐伯さんも一目置くほどの
センスの持ち主でしたから、
「こんな服をつくりたいなぁ」
「だったらこうすればいいんじゃない?」
と、クリエイティブのよき相談相手にもなってくれました。

山崎さんは、こんなふうにふりかえります。
「雑誌のファッションページの撮影で、
スタイリスト佐伯敦子、ライター山崎陽子っていう
仕事がいくつもあったので、
それでお互いの好きな服は何となくわかっていたんです。
ある時に、佐伯が作ったパンツを、
わたしに履いてみてくれないか、と。
佐伯は身長が170cm、わたしは154cm、
だから小さい人のことがわからないというんですね。
それで私が履いて、ここはもうちょっとこうしたら?
みたいなことを話したんです。
そんなスタートでしたから、yunahicaの服は、
1と2でサイズがずいぶん違う、
そんなブランドになりました」

そしてyunahicaの強みは、
「年齢を重ねてきたからこその服づくり、
リラックスして着られる日常着」にあります。
誰もがだんだん年をとってゆく。
そうすると、リーズナブルでいいものに
なかなか出会えなくなってくる。
それはもちろんサイズの問題もあるし、
若い時はコンパクトだったり、
細身だったりする服を着ていたのに、
年齢とともに何となくしっくり来なくなる。
そこでちょっとゆとりがあるものだったり、
着ていてストレスのない服を求めるようになる。
自分たちに訪れた変化を、前向きにとらえて、
たのしく気持ちよく着られる服をつくりたい。
そんな思いが、yunahicaのふたりには、あるようです。

「リラックスできる服ということで、
最初につくったのは、実は、パジャマだったんです。
そこからブラウスとパンツというふうに、
少しずつアイテムを増やしてきました。
そして、ほかのブランドと違うところは、
私たち、延々と同じものをつくっているんですよ。
在庫をたくさん抱えられないので、
少しずつ作っては、なくなってはまた作って、
ということを繰り返しています」
(佐伯さん)

「生地を変えたり、ギャザーの入れかたを変えたり
することはありますが、
基本的に廃番はなく、冬でも夏のものが買えるし、
夏でも冬のものが買えるんです。
というか、1年中着られるものばかりですから、
できたときに売るという感じですね」
(山崎さん)

販売は、yunahicaのウェブサイト
(これも山崎さんみずから製作!)と、
ふたりが仕事をしている雑誌が運営している
eclat premium(エクラプレミアム)というサイト、
そして数軒の卸し先でおこなっています。

「完売しても、すぐに増産ができないので、
ご迷惑をおかけしてるんですけど、
どうか待っていてくださいね、
という気持ちでつくっています」
(佐伯さん)

スイスローンを二重にしたフリルブラウス。

さて、今回「白いシャツをめぐる旅。」で扱う
ふたつのシャツを紹介しましょう。

こちらは、フリルブラウス。
うんと薄いスイスローン(スイス製のコットン生地)を
二重で使って「透けないブラウス」をつくりました。
前身頃、後ろ身頃、袖、すべて二重です。

「スイスローンはとてもいい生地なんですが、
そのままでは透けてしまい、それが苦手というかたもいる。
インナーをどうすればいいのか困るかたも多いですし。
だから、透けないけれど気持ちがいいものをと、
これをつくりました」
(佐伯さん)

つまり、ふつうのシャツにくらべたら、用尺が2倍!
(この用尺でこの仕様のシャツを
この価格に設定できたこと、
けっこうたいへんなことだなぁと思います。)

身幅はゆったりしていて、袖はラグラン。
肩の線がないので、小柄な人が大きなサイズを選べば、
チュニックのようにも着られます。
ちなみに二重といっても、
全体が重いということはありません。

そしてなによりも特徴的なのが、袖と襟の仕様です。
なんと、6枚のスイスローンを重ねて、切りっ放しにして、
わざと「くしゅくしゅ」にしているのです。
すっきりきれいなシャツですが、
袖と襟のこの仕様ゆえ、
とても女性らしい、かわいらしさのある
印象になっています。
この印象を強調したかったら、
前もって袖と襟を濡らして揉んで乾かすと、
くしゅくしゅ感がより出るそうですよ。
この日、佐伯さんはその襟を立てて着ていましたが、
そうすると「甘さ」だけじゃない
「格好よさ」が感じられる!
台襟に、ステッチがしっかりと入っているつくりなので、
ことさらそんな印象が出るのですね。

もう1枚は、あえて「透ける」素材の
「シャドウチェックシャツ」。

光の具合によって、無地にも見え、
チェックが浮き上がって見える
「シャドウチェック」(影格子)の
透け感があるコットン生地でつくったシャツです。
シンプルなシャツのかたちで、
身幅がたっぷりしています。

「年齢を重ねると、
襟のあるシャツが着たいときがあるんです。
たとえばわたしはショートカットということもあって、
首のうしろの日焼けが気になる。
このシャツは、
台襟なしのディオールカラーという仕様ですが、
襟でとてもきれいに、首を隠してくれるんですよ」
(佐伯さん)

「上まで留めてもいいし、
ちょっと下に何か着てもいいし」
(山崎さん)

「インナーがあればイヤじゃない透け感ですが、
透けないベージュのものがおすすめです。
あるいは好みで、インナーで遊んでいただいても」
(佐伯さん)

さきほどサイズが「1」と「2」があり
大きさがけっこうちがう、という話がありましたが、
2つのシャツは、肩と身幅がたっぷりしていますので、
そのちがいはあまり気にせず、
およそ6センチことなる「丈の長さ」で
考えていただければ大丈夫とのことでした。
つまり、身長のあるかたも、丈を短く着たければ「1」、
小柄なかたでもお尻をかくしてたっぷり着たい、
ということならば「2」、
そんなふうに選んでくださいね。

ボトムスは、「なんでも大丈夫」と、
スタイリストの佐伯さんから頼もしい答え。

「デニムでもいいし、
きれいに着たければ、普通のサマーウールパンツを
履いても大丈夫。こうでなきゃっていうことはないです。
ただ、ワイドなパンツを履く時は
インにして着ていただいたほうがいいと思いますし、
細身のパンツだったら、
アウトで着ても大丈夫なようになっています。
ちょっとゆったりしたデニムとかだったら、
あえてウエストマークをして、
ベルトして、っていうのでもかわいいかもしれない」
(佐伯さん)

佐伯さん、山崎さん、
どうもありがとうございました。
yunahicaの服って、なんというか
「小細工不要!」というのかな、
大人が自信を持って着られるかっこいい服、
そんな印象をもちました。
たくさんの数はご用意できないのですが、
ほしい人のところに、とどきますように。

(次回はHITOYOSHIのオリジナルシャツの紹介です!)

2019-04-04-THU

INFORMATION

「ほぼ日ストア」ページで
ことしのコレクションを紹介するのが4/12(金)、
「ほぼ日ストア」と伊勢丹新宿店、
三越伊勢丹オンラインストアでの販売スタートは
4/24(水)からとなります。

また、ことしはジェイアール京都伊勢丹でも
販売を予定されています。
くわしくは、各店舗にお問い合わせください。

どうぞおたのしみに!

■ほぼ日ストア 「白いシャツをめぐる旅。」
2019年4月24日(水)午前11時より数量限定販売

■三越伊勢丹キャラバン
 「白いシャツをめぐる旅。-見惚れシャツ―」

・2019年4月24日(水)-4月30日(火)
 伊勢丹新宿店本館4階=センターパーク/ザ・ステージ#4

・2019年4月24日(水)-5月21日(火)
 三越伊勢丹オンラインストア

・2019年5月8日(水)-5月21日(火)
 ジェイアール京都伊勢丹 5階=スタンダード&モダン SPOT

■伊勢丹新宿店本館4階=センターパーク/ザ・ステージ#4では、
ほぼ日ストアでのラインナップと合わせて、
さまざまな「白シャツ」をご紹介します。
白シャツと合わせるチノパンや、カットソー、
肌着、バッグ、アクセサリーをはじめ、
「自分だけの特別な一枚」に出会えるシャツの
カスタムオーダー会も実施いたします。

※くわしくは、こちらをごらんください

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