できあがったカレーを試食するために
お皿を出したり
お茶をついだりします。
そのあいだにも、
レミさんとのおしゃべりはつづきます。

ほぼ日ハラマキ鼎談
土屋耕一さんの本などで、
いつもお世話になっている
旦那さまの和田誠さんのことに、
話はやっぱり及んでしまいます。

和田さんは、レミさんとご結婚なさったときに
「あと何千回、レミの料理が食べられるのかな?」
とおっしゃったのだそうです。
そこでレミさんは
「この人、食べることに命かけてんな!」
と感じました。だから
「よし、思い切りやっちゃおう」と思ったんですって。
すごいなぁ。

そして、和田さんはいまでも、
レミさんのお料理をめしあがって
「うまい」とひと言、おっしゃるそうです。
和田さんは(レミさんが言うには)、
とても静かな方なので
「うまい」というひと言が、
ふつうの「うまーーーーーい!!!」に
相当するということで‥‥
こんなふうに“静かな和田さん”の話が
つづいていきました。
それが、すごくおもしろかったのです。
今日は料理の手順は出てきませんが、
ぜひ、動画で
レミさんによる「和田さんのお話」を
おたのしみください。
ロマネ・コンティのくだりは、すごい‥‥。

ところで、結婚して
「この人、食については本気よ!」と感じたレミさんは
できあいのおかずを家に買ってきたことが
一度もないのだそうです。

「よそで買ってきたおかずはつまり、
 よそのおじさんやおばさんが作った味。
 それは、その人のベロの味でしょ?
 あたしのベロの味じゃないのよね」
家族の口に入るものは、
自分の味を通して運びたい、という気持ち。
(「ほぼ日」担当者は、その喜びを
 すっかり忘れておりました)

今回のレシピも、レミさんは
何度も試行錯誤なさったそうです。

「いままでいろんなタイプのカレーを作ってきたけど、
今回は鍋ひとつで簡単にできて、
おいしいって思えるのを考えたの。



 このカレーもさ、
 豚でやったり牛でやったり
 挽肉でやったり、いろいろしました。
 いちばんサッとできてバッチリだったのが
 クミンとオリーブオイルで下味をつけた
 鶏肉だった、というわけです。
 こういうの考えてるときって、大大大〜好きなの」



いつも食事を作ってるから、
和田さんは、たとえパーティーに行っても
家に戻ったあとに
ごはんを食べたりするのよ。
結婚して、最初に料理を
一所懸命やりすぎちゃったもんだから、
あとあとたいへんになっちゃった(笑)。


知らないってことは、いいことよね。

(つづきます。次回はいよいよ試食。
 それと‥‥レミさんが
 1週間ごはんを作らなかったお話を)

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2012-01-09-MON