2匹のねこがやってきて、去ってった。〜牛と海苔の思い出〜あれは4月のことだった。我が家に2匹のねこがやってきた。誰に飼われているのか、名前も、性別も、年齢もわからない。わかっていることは、同じ家で飼われていたっぽいということだけ。5か月間の共同生活の記録を、「文と写真:ゆーないと」でお届けします。
第6回

海苔のやんちゃが、日を追うごとに、
仲が深まるごとに、グレードアップしていく。
わたしの腕と足は、傷だらけになっている。
ときには、流血。

「その傷どうしたの?」
と聞かれると、
「ねこがすごくてー」
と言う自分の、口元がじゃっかんほころんでいた。
痛いのはいやだけれど、
そこに、海苔の存在を感じて、
海苔のことを思い出して、にやにやしてしまうのだ。

▲海苔は段ボールが好き。

この子たちを預かるにあたっては、
いろいろな覚悟が必要だった。
もしかしたら、
この子たちの飼い主さんは現れなくて、
一生、いっしょに暮らすことになるかもしれない。
もしかしたら、明日、
飼い主さんから連絡がきて、お別れになるかもしれない。
どちらになってもいいような気持ちで、
「同居人」くらいのライトな気持ちで、
付き合わなくてはならない。

なのに、にやにやしてしまう自分。
どうしたものか。

▲上の写真のすぐあと、段ボールはこうなる。

とにかく、「今をたのしむ」ことにした。

(つづく)

2011-09-26-MON
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