OK! Yeah! ─── 『風が吹けば、桶屋が儲かる』
No.06
風が吹くと、
糸井さんの体温がうばわれる。
体温をうばわれた糸井さんが、
熱い味噌汁を飲みたくなる。
「ちょっと待てよ、
 自分でつくった味噌を使ったらどうだろう?」と、
糸井さんなら思うはず。
いっぽうそのころ、風が吹くと、
人々は「風が吹くと桶屋がもうかる」を思い出す。
「風が吹くと桶屋がもうかる」を思い出すと、
果たしてこの時代に桶屋なるものがあるのか議論になる。
議論の最中、たいていひとりはネットをチェックしはじめる。
「桶屋」が注目ワード1位になる。
そのことを、ほぼ日の永田さんが、
ジャムやあんこにつづいて味噌づくりをはじめた
糸井さんに伝える。
「味噌桶なのに、おしゃれでかわいい」
というキーワードを、糸井さんなら思いつくはず。
ほぼ日の新コンテンツ「桶屋」がスタートする。
んで、その桶屋がもうかる。 戸田昭吾(作詞家、シナリオライター・コピーライター)
 
 
風が吹くと、サテ、

桶屋がもうかりますかどうか、
サアお立会い。

風が吹くから花が散る
散れば花びら盃に
花びら浮かぶと句も浮かぶ
句だけじゃなくて蜘蛛浮かぶ
つまみになるかとつままれて
ほろ酔い蜘蛛が命乞い
ほろ酔い蜘蛛が命乞い

夜更けに蜘蛛が恩返し
女郎に化けて戸を叩く
昼間の蜘蛛とはついぞ云えず
桜の化身と嘘をつく
男は女郎を招き入れ
愛し愛しで糸まみれ
愛し愛しで糸まみれ

尻から糸出すもののけめ
男は女の首締める
気がつきゃ女郎はぐったりと
からすカアで夜が明けて
棺桶ひとつ届いたが
桶屋がもうかるほどじゃなく
桶屋がもうかるほどじゃなく

ゆうべの情事をのぞき見の
もてない男がいきり立つ
あんな上玉見たことネエ
糸に巻かれりゃ本望だ
お女郎の蜘蛛さんどこにいる
ふくべに酒入れ蜘蛛さがし
ふくべに酒入れ蜘蛛さがし

女郎のうわさは冒頭の
風とは別の風に乗り
我も我もと非モテたち
蜘蛛を捕るので蜘蛛不足
蜘蛛が減るから蚊が増えて
用水桶にはボウフラが
用水桶にはボウフラが

またもや桶が出てきたが
桶屋に注文あるじゃなし
それよりみなさんご存知か
蚊にも蛹(さなぎ)の時代あり
「蛹」は「桶」と似ているが
それはどうでもいいことで
それはどうでもいいことで

遅かれ早かれ蜘蛛滅ぶ
それを粗忽が聞きまつがい
お空の雲が滅ぶなら
雨も見おさめ飲みおさめ
流言飛語にまどわされ
汲みおき桶が売れまくる
汲みおき桶が売れまくる

ハイ、桶屋がもうかります。   戸田昭吾(作詞家、シナリオライター・コピーライター)
 
2013-05-07-TUE
このコンテンツのトップへ つぎへ
 
illustration:Toshiyuki Fukuda (c) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN