バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 


   

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アイスコーヒーが
いつの間にか当たり前に?

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アイスコーヒーが
いつの間にか当たり前に?

バブー

みなさん、ボンジュ~ル。
パリはすっかり秋冬の季節が到来して
最低気温は一桁。
あまりの冷え込みで、慌てて倉庫から
ダウンコートを出してきたくらいだよ。
来週はなんと「2度」なんていう
最低気温が並んでいるけれど!
そんな中ちょっと涼しい飲み物のお話です。

最近、パリのカフェでは、
氷たっぷりのアイスコーヒーを見かけることが
多くなったんだけどね、
これって、昔のパリでは、
とっても珍しい光景だったんだよ!
 

 

パリのどこのカフェでも大抵注文できるようになったアイスコーヒー。
23年ちょっと住んでいる間、いつの間にこんなことになった!

 

とのまりこ
日本だったら
「ホットにしますか? アイスにしますか?」
なんて温かいのと冷たいの
両方があるのが当たり前のコーヒー。
だから日本から来たお客様とカフェをしていても、
「アイスコーヒーはどれですか?」
「アイスコーヒーというものがないんですよ‥‥」
なんてやりとりをしたり、
メニューに載っていないアイスコーヒーを
一応頼んでみるものの、
「そんなのあるわけない」
という顔で断られるのが当たり前でした。
 

バブー
フランスで「カフェ」といえば、
熱いエスプレッソをキュッと一杯。
カフェのメニューに載っている
冷たいコーヒーといえば、
アイスとシャンティ(生クリーム)をのせた
デザートの「カフェ・リエジョワ」
くらいだったんだよね。
 

とのまりこ
そもそも氷そのものが昔はあまり身近ではなくて、
ジュースを頼んでも氷なしで出てくるのが
当たり前だったり、
スーパーに袋入りの氷が置いてなくて、
ワインの専門店などで買っていたほど。
それがいつの間にか、どこのスーパーでも
当たり前に氷が売られるようになりました。

そして同じようにいつの間にか、
大抵どこのカフェでも
アイスコーヒーが飲めるように。
メニューに書いてあるところも増えたし、
書いていなくても頼めば
「もちろん」と言って作ってくれるところが
ほとんどになりました。

 

もともと冷たいジュースを頼んでも、
なけなしの氷だけということも多いフランス。
氷の入りがあまく、なんだか生ぬるいこともたまにあるけれど、
カフェでアイスコーヒー頼めるようになっただけでも
すごい進歩!と、あたたかい目で見ています。

 

バブー
変化の大きなきっかけのひとつが、
スターバックス!
フランス1号店がオペラ大通りにできたのは、
2004年1月のことなんだ。
カフェ文化の国フランスに、
アメリカのチェーン店が上陸するということで、
まさに老舗のカフェと真っ向からの
正面衝突という雰囲気で、
大きな論争になっていたよ。
 
ところが蓋を開けてみれば‥‥
今ではフランス全土で260店舗以上!
街のあちこちにスタバがあるのが、
すっかり当たり前の景色になって、
フランス人たちにも受け入れられているよ。

とのまりこ
スタバには、もちろんアイスラテや
フラペチーノがあります。
透明なカップに氷たっぷりのドリンクを持って
街を歩く若い人を見かけるようになって、
「コーヒーは冷たくてもいい」という感覚が
少しずつ広がっていったように感じます。

そしてスタバだけではなく、
おしゃれなエリアに出現する
小さなこだわりのコーヒーショップも
どんどん増えて、
「アイスコーヒー」は
いつの間にか当たり前のメニューに。

 

レストランの食後のカフェでも、アイスコーヒー、
アイスカフェラテをリクエストできるところが増えてます。

 

バブー
そこに追い打ちをかけたのが、猛暑だよ。
今年の夏もヨーロッパの猛暑が
連日ニュースを賑わせていたのを
覚えている方も多いと思うけれど、
これも「特別な夏」ではなく、
猛暑が恒例になりつつあるんだ。

フランス気象庁によると、
1947年から観測された54回の熱波のうち
半分以上が、2010年以降の
15年ほどに集中しているとか。
エアコンのないアパルトマンも多いパリで、
猛暑の中、熱いエスプレッソなんて辛いもの。
氷いっぱいのカフェが飲みたいよね。

 

「アイスコーヒー」は「カフェ・グラッセ」、
「アイスティー」は「テ・グラッセ」。
みなさんぜひ覚えておいてくださいね!

 

とのまりこ
ちなみに、今回この記事を書くにあたって、
フランスでの「アイスコーヒー」の
位置づけを調べていたら
かなり深いつながりがあることが判明。

それが「マザグラン(Mazagran)」。
1840年、アルジェリアのマザグランという町の砦で、
フランス軍の兵士たちが
コーヒーを冷たい水で割って飲んだのが
はじまりと言われていて、
その後パリでも一時流行したのだそう。
パリ10区には今も「マザグラン通り」があります。

バブー
冷たいコーヒーを一度流行らせたのに、
いつの間にか忘れられちゃったのかな?
そして150年以上経ってから、
スタバや猛暑のおかげで思い出したのかな?!

というわけで、今では大抵どこにいっても
アイスコーヒーやアイスティーが
注文できるようになったパリだよ!
それでは今週もよい1週間を。

 

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

フランス雑貨のお店オープンしました。
バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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illustration:Jérôme Cointre