バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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改札がないのに、
タッチしないと罰金?!

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改札がないのに、
タッチしないと罰金?!

バブー

 

 

バブー
みなさん、ボンジュ〜ル。
パリのメトロやRER(近郊電車)では
最近、駅の入り口がすっきりしてて
「あれ? 工事中なのかな。
そういえば切符をピコンってしなかったのに
もうホームに着いちゃったね‥‥」
となってしまう駅が増えてきたんだ。

だけどこれ、気をつけなくては
いけない『罠』! 『罠』だからね!

 

とのまりこ
そうなんです。
パリのメトロの改札といえば、
日本では遊園地の乗り物の入り口や
大きな会場の入場口でたまに見かける、
回転バーと金属製のがっつりした扉がついた
「ガチャン」と体を押し返してくる改札機が
お馴染みだったのですが、
じわじわと姿を消しつつあるんです。

多数の観光客が使う駅のひとつ
『リヨン駅』
(地方からの鉄道が乗り入れる大きな駅)も、
最近では改札機が撤去されて、
駅の通路がすっきりと開放的になっています。

 

メトロの改札機が、順次新しくなっているパリ。
例えばここは今日現在の「リヨン駅」の改札口。
改札機が撤去されていますが、
いくつかある「切符をピッとするマシン」で
有効化しておかないと、後悔することに。

 

バブー
ここで「あれ、タダで入れちゃった? ラッキー!」
なんて知らずに通り過ぎて
メトロに乗ると、後から後悔することに。

タダになっているわけじゃないんだよ。
改札機がなくなった代わりに、
近くの壁や柱に立っている
「Valideur(ヴァリドゥール)」
という小さな読み取り機に、
ナヴィゴカード(乗り物のチケットを
チャージするカード)や
切符をチャージしたスマートフォンを
タッチする義務があるんだよ。

 

改札機の代わりはこのマシン。
「チケットを有効化しなさい」と書いてあるけど、
気づかず通り過ぎる人多数。
特に観光客は知らないから知らずに通り過ぎて、
罰金を払わされてる人をたくさん目撃します‥‥涙。

 

「この線より先は切符を有効化させなさいよ」
と書いてあります。

 

とのまりこ
そんなの知らない人が多いから、
これがなかなかの「罠」でして‥‥。

改札機がある場合には、ピコンとタッチしないと
物理的に通れなかったわけですが、
改札機がなくなっている駅では、
タッチをしなくても
すんなり通ってホームに行けてしまうので、
観光客の方や慣れていない方は
「あれ、改札口なかったよね?
もうホームに着いちゃったけど、
タダってこと??」
なんて素通りしてしまいがちなんです。

バブー
そしてそこに
検札官(contrôleur)がやってきて、
「チケットを見せてください」
となる。

改札機が撤去された横にポツンとあった
読み取り機にタッチした記録がなければ、
たとえ定期券を持っていても、
正しい切符をもっていても、
たとえ悪気がなくても──その場で罰金! 
ってなっちゃうんだよ。

 

このちょっと汚れている床部分が、
もともと改札機が設置されていたところ。
知らずに通り過ぎてそのままホームに着いて、
「あれ、タダなの?」なんて勘違いする人続出。

 

とのまりこ
罰金の金額は、その場で支払う場合で
70ユーロ(日本円で約12500円)。
「あとで払います」という場合は
さらに高くなって、
遅延払いだと最大180ユーロ
(日本円で約32000円)に
達することもあるのです。

「知らなかった」「うっかりした」では
済まされないのが、フランス流の厳しさ。
パリの右も左も分からない観光客にも
容赦ないのが、フランス流。

 

地方からの電車も乗り入れる、巨大な「リヨン駅」。
自動券売機での切符の買い方がわからない
観光客がたくさん窓口に並んでますが、
買った後で改札機はなく、
有効化マシンが置いてあることにも気づかずに
そのまま入ってしまう人多数。
これからしばらくパリの改札口は注意が必要!

 

バブー
なぜ改札機がない場所ができているかというと、
いくつか理由があるんだ。

ひとつは、長年使われてきた紙の切符が
段階的に廃止されて、
「ナヴィゴ」と呼ばれるICカードや
スマートフォンのタッチ決済に
完全移行しているから。

新しいシステムに対応して、
新しい改札機に変えていってるんだって。

とのまりこ
そしてもうひとつが、
バリアフリーへの対応。

以前の回転バー式のがっつりした改札機、
大きなスーツケースを持った旅行者や、
ベビーカー、車椅子の方には
かなり大きな障害でした。

通れない場合は横にあるインターホンを押して、
大きな扉を特別に開錠してもらうシステムなのですが、
インターホンを何度押しても
誰も応答してくれないことも多く、
呆然と困り果てている人を
見かけることもしょっちゅう。

これらの理由から、
古くなった改札機を撤去して、
最新型のバリアフリー対応改札機へ置き換える
工事をしている移行期間がいま。
だからなのです。

(ただし新しい改札機も、
車椅子が通れるほどの幅のある
広い改札機がない駅も多いようなので、
完全なバリアフリーとはいえませんが)

 

こちらが新しく設置されている改札機。
透明の扉が開くだけなので、さばけるスピードも上がり、
混雑が減り、スーツケースやベビーカーなど
今まで通れなかったものも通りやすくなるという
メリットがあるそう。

 

レバーをガチャンと回して前の扉も開けて
通り過ぎるタイプだった、以前の改札口。
改札口を飛び越えてただ乗りする人の対策としてあった、
この頑丈でガチャンとした改札機でしたが、
新しいものではただ乗り対策はどうするのか、
これからを見守ります。

 

バブー
計画では、パリと郊外にて、
メトロとRER合わせて
371駅、約3,600台の読み取り機を
順次新しいタイプに刷新していく
予定なんだって。

パリ20区のパリ市内も、おそらく
すべてがこのタイプに変わっていくよ。

だけど『凱旋門』『シャンゼリゼ』
『ルーブル』『リヨン駅』など
多くの観光客が利用するメトロ1番線も
次々と新しい改札に変わりつつあって、
改札機の代わりに切符を有効化するマシーンが
あることを知らずに通ってしまい、
検札官に捕まって罰金を払わされているシーンを
見かけることもすごく多くて、ちょっと心痛むよ‥‥。

注意書きもあるんだけど、全部フランス語。
そんなの観光客の人はわからないよね!

わざと皆が間違うような駅を狙って、
検札員がチェックしてたりもするからね。
ちょっと意地悪だよね‥‥。

とのまりこ
つまりこれから先、パリのメトロでは
「改札機がない駅」が
どんどん増えていくということ。

フランスあるある、
ゆっくりな工事の進み具合を考えたら
相当時間をかけて移行工事が行われそうなので、
この『罠』が出現している期間は
かなり長くなる気がしています。

パリを訪れる日本の方は、
とにかく「改札がないように見えても、
必ず乗る前にタッチする場所を探す!」を
ぜひ覚えておいてくださいね。
罰金とられないための鉄則です。

 

改札機がないときも「ラッキー!」なんて思わずに、
必ずピッとするのを忘れずに!

 

バブー
あのガシャンとごつい改札機がなくなって
見た目はスッキリ美しくなっている
パリのメトロだけど、
知らずにスムーズに通り過ぎたら『罰金』!

悲しい思い出になっちゃうから、
とにかく乗る前に必ずタッチ!
これだけ忘れないでね。

それでは今週もよい1週間を!

 

 

*とのまりこさんの本*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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illustration:Jérôme Cointre