あおてつさん/会社員[配送](カズン)

今日いちの新聞記事を
切って、貼って、ひと言を。

「ほぼ日手帳は楽しいです!」という
言葉と笑顔が力強い、あおてつさん。
3年間の試行錯誤を経て、たどり着いたのは、
その日いちばんの新聞記事を厳選して、
切って、貼って、ひと言を添えるスタイルでした。
だから、手帳が分厚くなっていました。
そのあたりのお話から伺いしました。

ほぼ日との出会いは3年前。

──
こんにちは。あおてつさんの手帳は分厚いですね。
あおてつ
えぇとですね。カズンを使っているんですけど、
新聞記事を貼るようになってからは、厚くなりましたね。
──
新聞記事を貼るために買ったんですか?
あおてつ
いやいや、3年間の変遷があって、
ここにたどり着きました。
──
お話を聞くのが楽しみです(笑)。
手帳をはじめたのは、どういうキッカケでしょうか?
あおてつ
2017年ですけど、
「ほぼ日が上場する」という話を知りまして‥‥。
それで、ほぼ日ってなんだろう‥‥。
「不思議な名前だな」と思って調べたら、
糸井さんが社長で「社長?」と驚いて、
どんどん調べていって、主力は手帳と知り
「手帳?」と思って‥‥。
手帳って、世の中にいっぱいあるじゃないですか。
──
まあ、そうですね。
あおてつ
「とりあえず自分で使ってみよう」と思って、
それが2月か3月だったんですよね。
それで4月はじまり版を知って、
とにかく、はじめたいから4月からはじめました(笑)。

バソコンやSNSに疲れて。

──
それまでは、どのような手帳を使っていたんですか?
あおてつ
全然、使っていなくて。パソコンに書いていました。
でも、それに疲れちゃって。
「なんかあったら、消えちゃって終わりだよね」
と思っていて、「心のなかで、紙に残したい」
という衝動が溜まっていたんでしょうね。
そこで、たまたま、ほぼ日手帳と出会ったんです。
──
「手帳を使いたいマグマ」が、フツフツと‥‥。
あおてつ
そう、そうなんですよ。
インターネットにも疲れていて。
SNSは、最初は楽しかったんですよ。
でも、人の反応みたいなのに疲れちゃって(笑)。
「これ、見てくれるのかな」とか‥‥。
──
気になりますよね。
あおてつ
誰も見てくれていない場合もあるんですけど、
見てくれる場合もあって、
むこうも気を使っているようで‥‥。
それで、「もう、そういうの、いいや」と思って‥‥。
──
手帳は、誰も関係ないですよね(笑)。
あおてつ
手帳は楽しいんですよ。とにかくね。
なにを書いたって、誰かに文句を言われるわけじゃない。
自分の世界みたいなワールドで楽しんでいます(笑)。

新聞記事の力に驚く。

──
はじめた頃の使い方はいかがでしたか?
あおてつ
最初は、なんですかね。
ただ、あったことを書いていたので、つまんないんですよ。
だんだんと写真や馬券を貼ったりして、
でも「なんかこれ、違うな」と思って‥‥。
──
そうなんですね(笑)。
あおてつ
そうそう。(ペーシを探しています)。このへんかな、
夏の高校野球の試合を見ていたんですよ。
──
テレビで、ですか?
あおてつ
そう、テレビで。
「このタイブレイクは日本初だった」と知って、
次の日、新聞を見たら記事がありました。
「残しておいたら、おもしろいんじゃない」と、
新聞記事を貼ってみたら、「なんかいい」と思って‥‥。
──
貼った感じが、ですか?
あおてつ
このザラっとしたモノクロの感じがいい。
それで新聞の活字や写真の力を、「すごいんだ」と思って、
2018年の秋から、そういう感じでガンガン行きました。
──
新聞記事はサイズが大きいのもありますよね?
あおてつ
そうなんですよ。
この頃はオリジナル(文庫サイズ)だったので、
窮屈さが増してきて。いろいろと貼りたいんだけど、
貼れないボツ作品がいっぱいありました(笑)。
──
では、この時期から、
来年はカズン(A5サイズ)と決めていたんですか?
あおてつ
「絶対、そう」と決めていて‥‥。(オリジナルだと)
嵐の解散の記事がはみ出しちゃっているんです(笑)。
──
確かに。
あおてつ
「こんな大事なことが、はみ出している(笑)」って‥‥。

今日いちばんの記事。

──
1ページに、ひとつの記事だから
選ぶのは、大変ですか?
あおてつ
いや、楽しい時間ですよ(笑)。
新聞を読んでいて、
「これは、あとで見たら、おもしろいよね」と
いちばんの記事を見つけたときは、うれしいですね。
奥さんからも新聞記事を探しているときは
「集中していて、声かけられない」と言われました(笑)。
──
最近だと、どのページですか?
あおてつ
ラグビーのページですね(笑)。
──
切り抜きには、ひと言を入れているんですね。
あおてつ
最近かな、ごちゃごちゃと言わなくなってきて、
写真に筆ペンで、ひと言を添えるみたいな‥‥。
自分自身に問うてみて、
「一発で行こうかな」みたいな感じですね。
──
ページの強さが増していますね。
「こういう切り貼りする楽しさ」って
どこにあるんでしょうか?
あおてつ
たとえば、このプロ野球のドラフトの記事だと、
ドラフト4位の選手が
将来、メジャーリーグで活躍するかもしれない。
まぁ、ネットで調べて振り返れば、
すぐにわかるんだろうけど、それでもなんか‥‥。
──
やっぱり、ネットじゃないんですね。
あおてつ
じゃないですね。こういう感じがおもしろいと思うんです。
手帳に、鈴木一郎と書いてあったら楽しいじゃないですか。
──
確かに。ネットで見るより、
「手元にある」っていうのが。いいですね。
あおてつ
10年くらいして「すっげえな、俺」と喜ぶと思う。
「イチローさんは、ドラフト4位だったよ」って。
──
毎日の新聞は決まっているんですか?
あおてつ
新聞は定期購読せずに、
そのときどきで、「今日は日経っぽいとか。
スポーツ新聞かな」と考えて、買いますね。
あと、喫茶店に行って、いくつか新聞を読んで、
お目当ての新聞を決めますね。
──
そういう新聞の買い方をする人は、
あまりいないと思います(笑)。
あおてつ
「いい写真ないかな」と思って(笑)。

未来のために。

──
記事を貼っている理由を言葉にするなら、
どういったことでしょうか?
あおてつ
これですか。
──
はい(笑)。
あおてつ
これはですね、もう未来のためですね。
──
未来のため(笑)。
あおてつ
完全に(笑)。
先ほどのドラフトの話だと、テレビで見ただけだったら、
「ああ、そういうことがあったな」で
終わってしまうと思うんですけど‥‥。
手帳に書くことで、将来、ドラフト4位の選手が
活躍したときに、昔の話がつながったりして、
「未来に続いていくんだ」と思うんです。
──
新聞記事を貼り続けて、世の中の見方が変わりましたか?
あおてつ
「時系列で、ぶつ切りになっている」と
思っていた話が、終わらないで続いている」っていうか、
すべてつながっていますね。
そう感じるようになりました。
──
なるほど‥‥。ありがとうございます。
後も、4月はじまりを続けますか?
あおてつ
続けますね。4月にはじめましたし、
やっぱり4月が好きなので‥‥。
それと仕事が配送なので年末年始は忙しくて、
4月が、はじまりの季節になっているんです(笑)。
──
これからも4月はじまり版をよろしくお願いします。
ありがとうございました。
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