ソコオレリさん/主婦(カズン)

幼児語など消えていく
思い出を書き残しています。

おととしは、長男のヨシくんの幼児語を
ほぼ一日一語で記録していた、ソコオレリさん。
そのほぼ日手帳を見せていただくと、
年間インデックスに、月間カレンダーに週間カレンダーに
1日1ページと、すべてのページを使って
こどもの成長が書き残されていました。
手帳とともに、子育てをポジティブに楽しんでいます。

1年のはじまりは4月。

──
ヨシくんもご一緒に、ありがとうございます。
カズンを3冊も持ってきていただき、重かったですよね。
子育てを書き残すのはカズンがいいですか?
ソコオレリ
いっぱい書きたいので、カズンですね。
こどもの成長っていうのは、
私にとってプラスなことなんですね。
嫌なことも、しんどい日もあるんですけど、
基本的にはポジティブで書きたくなります。
ポジティブ日記は、たぶん初めてじゃないかなと‥‥。
──
ソコオレリさんの悩みは出てこない?
ソコオレリ
悩みも書くんですけど。ねちっこく書かないです。
「母、動揺する」とか、「母、反省する」とか、
そんな感じで簡単にまとめちゃう感じです。
──
ちなみに4月はじまりの理由はありますか?
ソコオレリ
もともと手帳が大好きで、中学校1年生のときから、
4月はじまりの手帳を使っていて
1年のはじまりは4月と、
自分のなかで感覚が定着しています。

幼児語を記録。

──
おととしは幼児語を記録していたんですね。
ソコオレリ
幼児語は、2歳前ぐらいが多かったので、
ほとんど1日ひとつぐらいの勢いで
語彙が増えていって、
年間インデックスページに書いていました。
──
たくさんありますね。
ソコオレリ
犬のことを「マンマン」って言っていて、
電車や自転車を「マンバ」って言っていました。
初めて「自転車」って言えたときは、すごく驚きました。
──
そういうのは突然なんですか?
ソコオレリ
突然ですね。寂しい気持ちになりました。
──
母としては、成長を感じてうれしいのでは?
ソコオレリ
「もう、あれを聞けないんだ」と思うと‥‥寂しいですね。
言えるようになってしまったかって‥‥。
今のところ残っている幼児語は
おまわりさんが言えなくて、「おままりさん」や
エレベーターが言えなくて、
「エベベーター」とかですね(笑)。

書いて、落ち着く。

──
最近はどんな使い方でしょうか?
ソコオレリ
年間インデックスには3歳の息子の成長の記録、
月間カレンダーには自分の読書の記録、
週間ダイアリーには食事の記録、
1日1ページは、大きく3分割していて、
24時間軸を使って
左に子どもの生活を細かく記録して、
右に生活や家事とかを書いています。
下半分が日記的なことですね。
──
手帳を見せていただくと、
ほぼ日手帳のすべてのページに詳細に書いていますね?
ソコオレリ
もともと、記録癖があって、手帳はなくてはならない
日常生活の装置みたいなものなんです。
書くことによって頭のストレージに覚えさせておく。
モヤモヤしたときも、
「書くと気持ちを落ち着けられる」という装置なんです。
ここに書き留めたから、
「良しとするか」みたいなところがあって。
──
そうなんですね。
ソコオレリ
それに、こどもの記録をつけることが、便利な面もあって、
お医者様にかかるときは、いつから熱が出ていますとか、
最後の排便はいつですとか、伝えることができます。

手帳は、リビングの出窓に。

──
書くのは楽しいんですか?
ソコオレリ
楽しいです。
でも、あまり書く時間を捻出できなくて‥‥。
いつも、リビングの出窓に手帳を置いて、
立って書いています。
──
忙しいんですね。
ソコオレリ
「お母さん、お母さん、こっち来て、
なにしてるの、いつ書き終わるの」って、
「ヨシくん、10数えて待って」とか‥‥。
短いときは、通りすがりに、
「いま、トイレしました」と
ピッて感じで書いています。
長いときは、20分ぐらいかな。
「アンパンマンが終わってしまう」って
思いながら書いています。

ヨシくんの名場面。

──
ヨシくんの名場面のページはありますか?
ソコオレリ
ココア豆乳事件ですね。
こどもが2歳になって、いやいや期の頃です。
夕飯のときに、ココア豆乳を飲ませたらブーっと吹きだして。
なのに、「もっと、もっと」って言うんですよ。
その後に、父親がリンゴを食べているのを見て
「(リンゴとバナナを間違えて)ヨシくんもバナナ食べたい」
と言って結局、
ココア豆乳もリンゴもバナナも食べずに‥‥。
食器を変えたら、ご機嫌がよくなって‥‥。
ひとりで大騒ぎして完結してしまって
家族で大笑いした事件です。
──
成長の節目を書くときは
モチベーションが上がるんですか?
ソコオレリ
忘れそうなことを書いているので、
意外と「大事なことは書かない」という悩みがあって。
思い出したら、慌ててアーカイブとして
書いたりしています。
たとえば、赤ちゃんの3カ月検診のことを思い出して、
お医者さんに、「あーん」って言われて、
その器具をパクってかんじゃって。
──
急に、そのシーンを思い出したんですか?
ソコオレリ
そう、なぜか突然に思い出して、絵を描きました。
──
絵を描くのは、昔からですか?
ソコオレリ
昔から絵は描いていて。
昨日、描いていて思ったんですけど、
絵で描くほうが早い気がします。
字を書くより、早い気もするし。見返しやすいです。

私のために書く。

──
誰のための手帳なんでしょうか?
ソコオレリ
こどもは、短いスパンで、すごく変化がありますね。
この時間は今だけかなと‥‥。そのことが楽しくて‥‥。
完全に自分のために書いていますね。
別に、こどもに見せようとかは思っていません。
──
子育てを残しておきたい?
ソコオレリ
3人のこどもを育てた人に話を聞いて、
「お風呂に、どうやって入れていました」って聞いたら、
「3人を同時に入れていたはずだけど、覚えてない」
って言われて。
それは、もったいない。
「そんなに苦労したのに覚えてないんだ」と思いました。
──
そうなんですね。
ソコオレリ
ケチな根性みたいなのもあるかもしれません。
私は、苦労しているから記録しなければって‥‥。
──
ちゃんと人生を生きている感じです。
ソコオレリ
もっと、おおらかに構えたいんですけど。
──
今のままで、いいと思います。
いつまで書く予定なんですか?
ソコオレリ
4月から幼稚園に入るので。
使い方は大きく変えることになるかな‥‥。
まだ、ちゃんと決めてないので、手探りです。
もう少し、自分のことを書くようになるかもしれません。
育児日誌は今の感じで、小学校までいけますかね?
本人に嫌がられるかな(笑)。
──
ヨシくんだったら、いけると思います。
今日は、ありがとうございました。
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