生活のたのしみ展

三國万里子さんが ロンドンとエジンバラで みつけたもの。 ハリネズミ店長とまりこが紹介します。 presented by 生活のたのしみ展

その
3
セーターの袖を切った話。

ハリネズミ店長

ステキなセーターね!
ステンドグラス模様というか、
蜂の巣模様というか。
それは、手編み?

まりこ

手編みですね。
それも売るためではなく、
自分自身か、家族や友人のために編まれたものだと思います。
タグがついていないし、作りが
なんというか、アマチュアっぽいから。

ハリネズミ店長

それは、どこを見てそう思うの?

まりこ

おもに「とじはぎ」と、糸始末です。
でもアマチュアが作った傑作だと思います。
技法も手が込んでいる。

ハリネズミ店長

色の配分にセンスを感じるわね。
でもまりこ、これ、
ちょっとプロポーションが普通と違わない?

まりこ

気づきましたか。
実はこれ、袖を短くしたんです、わたしが。

ハリネズミ店長

あらまあ。

まりこ

もともと男性のLサイズくらいで、
女性が着るには、袖がかなり長かった。
エディンバラの古着屋さんのウインドウでこれを見つけた時、
みちこさんとちょっと悩んだんですよ。
これを着たい、と言ってくれる大柄な男性のお客さんが
現れれば、それがベストだよね。
でもその可能性は低いかもしれないね、と。
「生活のたのしみ展」の会期は5日間限りだし、
うちのお店は女性のお客さんが圧倒的に多いから。

ハリネズミ店長

そうねえ。

まりこ

でもすっごい、いいセーターだよね、
置いていくのは忍びないよね。
じゃあさ、わたし、袖、短くしちゃっていい?と
みちこさんに訊いたんです。

ハリネズミ店長

それは普通にやることなの、
セーターの袖を切って短くするって。

まりこ

どうでしょう。
でもみちこさんは了解してくれました。
「いいですよ、それならきっと売れると思います。
袖丈はかなり長いけれど、
着丈は女の子がたっぷり目に着て
ちょうどかわいいくらいだし。
買いましょう!」
と言ってくれました。

ハリネズミ店長

みちこさんがお財布をにぎってたのよね、
今回の旅は。

まりこ

そうです、
それもかなりでっかいお財布を。
わたしが「あれ買って」、「これ買って」、と言う係。
みちこさんがサクサク支払いをする係。

ハリネズミ店長

夢のようね。
っていうか、まりこ、時々ほんとにそういう夢、
見るでしょう。

まりこ

はずかしながら…。
古着屋や骨董屋でステキな見つけものをする夢は、
わたしの夢の定番です。
……で、何はともあれ。

ハリネズミ店長

何はともあれ。

まりこ

今日、みちこさんとの約束通り、
セーターの袖を切りました。

まりこ

このように、ぱつん、と。

ハリネズミ店長

オー・マイ・ゴッド。
切り口がほどけそうじゃない?

まりこ

はい。
だから、まず切った編み地の端っこをミシンで縫って、
ピロピロとほどけないようにしました。
そして手首の緑の編み地は、
編み直し用にほどいて丸めました。

ハリネズミ店長

切り取った袖にもミシンをかけたの?

まりこ

ええ、そこは捨てないことにしたんです。
なんだか惜しくって。

ハリネズミ店長

何かに使えそうよね、
ずいぶんたっぷりとした幅のある袖だし、
いい柄だし。

まりこ

そうでしょう。
でもまずは、袖口を編みました。
端ミシンをかけた袖から編み目を拾って、
一目ゴム編みを編みました。

ハリネズミ店長

袖の内側、ミシンをかけたところがうねってるわね。

まりこ

そうなんです。
残念ながらうちには「ロックミシン」がなくて、
ニット地に、まっすぐいい感じに
「かがり縫い」ができなかったんです。
買ってくださる方には申し訳ないけれど、
ミシンが下手なのには、目をつぶっていただこうかな、と。
でもね、袖口の仕上がりはなかなかですよ。
袖丈も女性にちょうどいい感じになりました。

ハリネズミ店長

気に入ってくれる方がいるといいわね。

まりこ

そうですね。
着るとさらにかわいいんです。
身幅と丈がたっぷりしていて、袖が短い、
そのプロポーションが
不思議に今っぽいというか。

ハリネズミ店長

あら、これ、さっきの袖の「余り」で作ったのね?

まりこ

そうです。

ハリネズミ店長

これは……これは、帽子?

まりこ

ぶ、ぶー、
違います。
これは「ティー・コージー」。
ティー・ポットのセーターです。
色違いで二つ作りました。

ハリネズミ店長

なるほど、
とてもイギリスらしいアイテムよね、
ティー・コージー。
これも「たのしみ展」で売るの?

まりこ

はい。
「たのしみ展」では、
ティーカップやティーポットといった
お茶にまつわる品もたくさん並べる予定なので、
その中に置いてみようかな、と。

ハリネズミ店長

「Miknits」でずっと扱っていた
「Brown Betty」のポットにもぴったりね。

(つづきます)

2017-11-03 FRI