台湾・阿美族出身のミュージシャン スミンが気仙沼で歌うぜ。

7月27日から、もう1ヶ月経つんですね。
気仙沼のお茶屋さんの1階で
台湾原住民・阿美族出身のアーティスト・スミンが
すばらしいライブを聴かせてくれた日から。
(その夜の様子は、こちらからどうぞ)
言葉はつうじなかったかもしれないけれど、
スミン独特の、
しなやかなで力強い声で歌われる音楽に
聴いていたぼくたちは
ずいぶん、元気をもらいました。
あのあと、東京へとんぼ返りしたスミンから
メッセージがとどいていたので、掲載します。
そして、カメラマンの今津聡子さんが
スミンと気仙沼のようすを動画で追いかけいて
ドキュメンタリーを作ってくれました。
その動画も、このページにアップしますね。
ぜひ、ご覧になってみてください。

 

スミンからのメッセージ

今回、日本でのライブスケジュールはビッチリで、
すごく疲れたけど、すごく特別でした。
こんなにたくさんの人と初めて仕事をし、
初めて日本のテレビにも出て、
海外の被災地でも初のライブ体験。
スタッフとなってくれた日本のみなさん全員に感謝。
言葉が通じなかったけど、
でも、どのライブもすごくスムーズでした。
印象的だったのは、被災地の女性たちで、
電力も水も足りない状況で
愛情たっぷりの御馳走をたくさん準備して、
食べさせてくれました。
台湾に帰ったら絶対に台湾人全員に
台湾に感謝していることを伝えるようにも言われました。
おばさんたちも現地のスタッフも
目に涙を溜めていたので、名残惜しかったです。
恩義への感謝の気持ちが、
異国の地で自分に幸せを感じさてくれました。
台湾に帰ります!

 
 

読者のみなさん& ご協力くださったみなさんからの感想

うるうるくるほど良かったです。
CD買いたくなりました。
こんなミュージシャンを知るきっかけを
つくっていただいて
ありがとうございました。
(Y.)

スミンのライブたのしかったー。
手拍子して、おはしで茶碗叩いてました。
涙も出ました。
会場も盛り上がっていましたね。
スミンさんはじめ
台湾の人たちがどんなに日本を思っていてくれるか、
ありがたいです。
謝謝。表示非情感謝、台湾各位朋友!!
(猫の人間のおかあさん。)

仙台在住です。
スミンさんのことも、トーテムのことも、
台湾のことも全く知りませんでしたが、
ライブ本当に良かったです。
スミンさん、
スタッフのみなさんありがとうございました!
台湾の人たちが
こんなにも日本を想ってくれていることに
感謝です。
(匿名さん)

スミンくんと由香ちゃんのustream中継、
ありがとうございました。
気仙沼には友人夫妻もいるのに、
震災後まだ訪れていません。
スミンと由香ちゃんが
忙しい中
気仙沼を訪れてくれて本当にうれしかった。
台湾の人たちからのメッセージ映像、
由香ちゃんならではの、
普通の高さの目線のインタビューだから
心にしみますよね。
台湾の人たちが、みんなかわいい。
台湾の人たちからの「がんばれ」は
温かくて心に明かりが灯るようです。
(匿名さん)

陸前高田市在住です。
昨夜の気仙沼でのスミンさんのライブを
聴きに行きました。
仕事をしてから
気仙沼市にある夜間の看護学校に通っていますので、
授業が終わって急いで会場に向かい
最後3曲くらいしか聴けませんでしたが、
なんだか気持ちがほっとする、
あたたかくてなつかしいようなライブでした。
とても良かったです。
(金野さん)

初めてスミンを自力で日本に連れて来たとき、
小さなカフェで
友だちを集めてのイベントでも
スミンはカタカタ震えていたんです。
重い楽器を東京中引きずって
親戚のうちやカプセルホテル、
知り合いの家の風呂場に泊まって
小さなツアーをやっていたのが嘘のようです。
今は、スミンも堂々としていて
たくさんの人にサポートされて
自分の歌に集中できるようになったのか、
スミン独自の成長もあってか
今回はどのライブもすごく心がこもっていました。
もう、ビックリです。
昨日、スミンが、ある人から
「いちばん信じていることは何?」と
質問を受けていました。
スミンの答えは「行動を起こすこと」。
やりたいと思ったこと行動に移せば
絶対何かが得られる、
それを信じているんだそうです。
失敗しても、経験になる。
スミンは、
5〜6年前から部落の子供たちを夏休みに呼び戻し
阿美族の文化を教えています。
大人たちは、無理だとあきらめていたことが
今年は100人近くの子供が村にもどりました。
「なせばなる」ですね。
まだ、台湾にいらっしゃったことのないみなさん。
ぜひ、遊びに来てください。
10月の頭に原住民のすごい公演があります。
興味がありましたら、
それと合わせて、遊びにきてください。
(青木由香さん)

斉吉です。
スミンさんを知らないで行ったのに‥‥。
素晴らしい時間に、私たちも参加させていただき
ありがとうございます。
すっかり引き込まれました。
歌、覚えたい。台湾へ行ってみたい。
もっと知りたい‥‥などなどです。
なんだか不思議と懐かしいような
力強いけど優しい、20代の気持ちで聴きました。
ありがとう。ありがとうございます。(49歳デシタ)
(斉吉商店・斉藤和枝さん)

今回の気仙沼での映画上映とライブは
本当に楽しく、素晴らしい時間になりました。
スミンくんの歌や
映画のなかで語られた言葉は、
台湾と日本、そして気仙沼で暮らす多くの人たちの心に
響くものだったと思います。
このメールを書きながら、また歌を聴いています。
(ライブ会場となった齊藤茶舗・斉藤道有さん)

ちいさなお茶屋さんでのちいさな奇跡は起こった。
みんなの想いがぎゅっとつまったステージで
私が作詞した「いつかの港町」を
気仙沼でスミンくんと一緒に歌えたこと、
Ustreamで
「台湾のみなさんにありがとう」を言えたこと、
思い出に残るとっても素敵なライブだった。
参加できて本当に良かった。
関係者のみなさんありがとうございました。
(小山裕隆さん)

先日のスミンくんのライブはお世話になりました。
みなさんのおかげで
本当に素晴らしい経験を
気仙沼の皆さんとともにさせていただきました。
東京から強行日程で、
しかも、多くがボランティアに近い形で
来ていただいたことに心から感謝しています。
(宮城県庁・山田康人さん)

気仙沼でのスミンくんの映画上映と
ライブの話が持ち上がってから、
実現するまで、たった2か月ちょっと。
きっと、たくさんの思いや言葉が、
ぎゅっと詰まった2か月ちょっと、
だったと思います。
気仙沼と東京。東京と台湾。台湾と気仙沼。
ひとり、ひとりがつながっていくことこそが
大事なんだとあらためて気付かされました。
気仙沼のみなさん、スタッフのみなさん、
おつかれさまでした。
スミンくん、素敵な歌声をありがとう。
また、近々、気仙沼に行こうと思います。
(編集者・伊藤総研さん)

道有くんやスミンの垣根のないようすは
ここ何年も味わえなかった
「子供同士で出会えた感覚」でした。
このことは、とても大切にしていきたいです。
(写真家・若木信吾さん)

台湾でベストセラーとなった 青木由香さんの本、日本でも出版されます! 記念にトークショーもあるそうです。

今回のスミン@気仙沼ライブの実現に
惜しみない協力をしてくださった
「台湾でいちばん有名な台湾ラバー」青木由香さんが
台湾でベストセラーとなった
『奇怪ねー台湾』の日本語版を出版することに!
あわせて、
大阪・京都・東京でトークショーも開かれます。
ご興味のあるかた、ぜひ。

●9/2(金)19時〜 
 スタンダードブックストア心斎橋 カフェ
 大阪市中央区西心斎橋2-2-12 クリスタグランドビル1F BF
 TEL:06-6484-2239

●9/3(土)14〜16時
 恵文社 一乗寺店
 京都市左京区一乗寺払殿町10
 TEL:075-706-2868

●9/4(日)17〜19時
 青山ブックセンター 本店
 東京都渋谷区神宮前 5-53-67 コスモス青山ガーデンフロア
 TEL:03-5485-5511

◎『奇怪ねー台湾』特設サイトはこちら。  
  立ち読みができます!
◎Facebookファンページ『奇怪ねー台湾』はこちら。 
  本&著者にかかわる最新情報を更新中〜。
◎青木さんのブログは、こちら。 

台湾のロックバンド「トーテム」とは

ヴォーカル&ギター スミン(阿美族)
ヴォーカル     チャーマーカー(排灣族)
ギター       アシン(排灣族)
ベース       アウェイ(漢族)
ドラム       アシャン(卑南族)

スミンくん プロフィール

台湾には現在でも「原住民」と呼ばれる人々が暮らし、
政府認定では14の部族に分かれ、
それぞれ固有の文化や風習を大切にしています。
トーテムも、メンバー5人のうち、
ベースのアウェイ以外の4人が、原住民出身。
大きな音楽祭で大賞を受賞するなど、
台湾では、高い人気を誇るロックバンドなんです。
ロック、ヒップホップ、レゲエから
カフェっぽいおしゃれな音楽まで
幅広い曲を演奏します。
もちろん、民族の伝統音楽も演奏します。
映画『トーテム』予告編の動画も
用意しておりますので
ライブ本番までに、ぜひ聴いてみてください。
なお、石川直樹さんの連載『世界を見に行く。』でも
阿美族の老人を撮影していますので、
もしよかったら、見てみてくださいね。
写真家・若木信吾さんに訊く 「スミンって、こんな人」
3年間にわたってトーテムを追い続けた
ドキュメンタリー映画『トーテム』の監督、
写真家の若木信吾さんに、
「スミンってどんな人?」と聞きました。

「原住民出身という自分のルーツや
 アイデンティティを、
 とても大事にしている人。
 自分の言葉を、ちゃんと持っている人。
 阿美族の文化や歴史も勉強しているみたいだし、
 すごく、まじめな人だと思います。
 反面、たがが外れると
 ずいぶん自由奔放になっちゃうっていう(笑)、
 その両極が、見ていて飽きない人。
 しかも、トーテムでやっている音楽は
 民族音楽一辺倒じゃなく
 ボサノバとかレゲエだったりもして、
 その意外性が、
 おもしろいなとも思いました。
 以前、スミンの歌を聴いて
 なんにも知らない日本人のオーディエンスが
 踊りだしちゃうのを見たことがあって。
 気仙沼のライブでも
 そんな雰囲気になったらおもしろいですよね」

若木信吾さん プロフィール

台湾でいちばん有名な台湾ラバー日本代表 青木由香さんに聞く
台湾で『奇怪ね〜』というベストセラーを出し、
台湾のテレビ番組にも出演するなど
台湾をこよなく愛する日本人・
青木由香さん。
そもそも、若木さんにトーテムを紹介したという
青木さんに
「トーテムってどんなバンド?」と聞きました。

「トーテムもスミンも、驚くほど自然。
 カッコいいミュージシャンじゃなく、
 カッコ悪い人たち。
 でも、自分のやりたいことを人目を気にせず
 自信をもってやる。
 やっていることにハートがある。
 そして、もちろん、音楽が良かった。
 こんな田舎っぺを紹介したら、
 みんながなんか感じるんじゃないかなと思って
 会う人会う人に紹介しはじめていたころに
 若木さんが、感じてくれたんです。
 そんなトーテムのイメージは、
 スミンがつくっているところが大っきいです。
 自分で作った歌を何度歌っても
 感動でウルウルして
 鼻とかつまリ気味で歌っています」

青木由香さん プロフィール

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2011-08-31-WED
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