ほぼ日酒店 YOI

江戸桜

東京・芝の酒蔵「東京港醸造」と
「ほぼ日」がタッグをくむ
「トーキョーの日本酒。」第二弾は、
オリジナルのお酒です。
名前を「江戸桜」(えどざくら)といいます。
じつは「江戸桜」は「染井吉野」(そめいよしの)の別名。
稀少な酒米である「愛山」の
とれたての新米をぜいたくに使い、
低温で長期間じっくり発酵。
芳醇な甘みと旨みをもつ「純米吟醸原酒」がうまれました。
出会いと別れがある桜の季節、
うれしさもかなしさもあるこの時ですけれど、
笑顔で乾杯したくなるお酒、
あたらしい何かがはじまるこの季節をことほぐお酒です。
‥‥といっても、クセがあったり、
ツウにしかわからない、というお酒じゃありません。
日本酒になじみがない、という人でも
すなおに「わぁ、おいしい!」と
言っていただける飲みやすさがありますよ。
江戸からつながる東京のお酒、
ぜひ、一献。
03

ラベルは、菅原一剛さんの湿板写真。

「ほぼ日」で「写真がもっと好きになる。」の連載を
長くつづけてくださった写真家の菅原一剛さん。
今回「江戸桜」のラベルには、
菅原さんのライフワークである
「湿板写真」という手法による
とくべつな桜の写真を使わせていただきました。
菅原一剛(すがわら・いちごう)

1960年生まれ。
大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業後、早崎治氏に師事。
フランスにてフリーの写真家として活動を開始して以来、
数多くの個展を開催すると同時に、
広告写真およびにCFなども手掛ける。
撮影監督を務めた映画「青い魚」は、
1997年ベルリン国際映画祭にて
正式招待作品として上映された。
2005年には、アニメ「蟲師」の
オープニングディレクターをつとめるなど、
その活動領域は、従来の写真の領域を越え、多岐にわたる。

●菅原一剛さんのウェブサイト
https://ichigosugawara.com/

●写真がもっと好きになる。
https://www.1101.com/photograph/index.html

湿板写真、というのは、古典的な写真の技法。
いま、ほとんど失われてしまったこの技法を、
現代のものとして復活させ、
みずからの作品として発表をつづけているのが
写真家・菅原一剛さんです。

湿板写真というのは、
あの「坂本龍馬」の肖像写真をイメージしていただければ
わかりやすいかもしれません。
およそ150年前に日本に渡来した写真の技法で、
フィルムが発明される「以前」の技術です。
ガラスの板にコロジオン溶液を塗布し、
硝酸銀溶液に浸すことで感光性を持たせます。
その湿った状態で撮影をおこない
(像を結ぶまでには時間がかかります。
数秒から数十秒ということも!)、
現像には硝酸第一鉄溶液をつかい、
シアン化カリウム溶液で定着させ‥‥という、
(わかりにくいですよね)
とってもたいへんな方法なのです。

菅原さんがこの技法を使う理由、
研究をかさねて実現させたかった理由は、
銀塩写真に比べて、紫外線に強く反応するという特徴ゆえ。
湿板写真には「ひとの目に見えない光」が写るのです。

(くわしいことは、このふたつのコンテンツをどうぞ。)
桜の花びらが、はらはらと散る理由。
目に見える光と、目に見えない光。

今回の「江戸桜」のラベルは、
まさしく菅原さんの湿板写真による
桜の花がベースになっています。
場所は、東京都小金井市と
小平市・西東京市・武蔵野市にまたがる
都立の「小金井公園」。

「江戸時代、小金井公園の
すぐ横を流れる玉川上水に、
多くの山桜が植樹されました。
おそらく今では、その桜たちの子孫が
公園内の桜となっているのでしょう」
(菅原さん)

現在では、山桜を中心に、
染井吉野、霞桜、大島桜、里桜など、
50種類、約1700本の桜が拡がっている小金井公園。
それを写した湿板写真は、
「江戸桜」のデザインにぴったりだったのです。

「桜たちのキラキラと輝くすがたを写したくて、
江戸時代に渡来した
湿板写真という古典技法を使ったんです。
もちろん、いまでも、
この桜たちを撮り続けていますよ」
(菅原さん)