「私がこよなく愛する服を復刻して、
皆さんにお届けすることができたらいいな」
ニットデザイナー・三國万里子さんの
そんな思いから生まれた一着です。
もとになったのは、
100年ほど前に一般的に作業をするときに
羽織られていたワークコートです。
三國さんは、フランスのものを扱う古着屋さんで
このタイプのワークコートを見つけ、
いくつかあったなかから試着した結果、
最もお気に入りのものを見つけたそうです。
「何が気に入ったかというと、
まず、襟のあき具合がちょうどいい。
シルエットがストンとしてる感じも程よくて着やすい。
裾のボタンの終わりのところまで留めると、
裾さばきが絶妙なところもいい。
すごく気に入ったので、
もうクッタクタになるまで着ました。
なので、もし洋服をつくらせてもらえるなら、
一番にこの服を復刻してみたいな、
と思っていたんです」
復刻にあたり、いくつか改良を加えました。
たとえば、三國さんのアイデアで
インディゴ染めにしたのも、そのひとつ。
布の段階でインディゴに染めて、
その後何度か洗いをかけています。
そのため、縫い目のところやカドの色がすこし抜け、
うっすらと濃淡のあるきれいな青に仕上がりました。
着ているうちに、さらに色が変化していくのも
たのしんでいただけます。
また、ボタンの数を1個増やして間隔を狭めたことで、
ワンピースとしてより着やすくなりました。
ほかにも、襟が首にきれいに沿うように
パターンを引き直したり、
袖口の折りたたみ方を変えたりと、
細部にわたって微調整しています。
「コートとしても着れますが、
ワンピースとして着るのもおすすめです。
歩くと正面のスリットから脚が膝くらいまで見えますが、
私、服ってセクシーさも大事だと思うんです。
お行儀よく服を着るのもいいけど、
ちょっとくらい見せる部分があったほうが、
女性らしさにつながっていいと思う。
袖口がキュッとしまってるので、
寒いときはこのままでもいいんですけど、
袖をめくっていただいたほうが動きやすいです。
私はだいたいめくって着ていますよ」
背襟には、蛍光ピンクの生地に白で
「Marikoala」と入れたタグをつけました。
脱いだときやハンガーにかけたときにも
アクセントになって、かわいいです。







