ビビる大木さんのぜんぶ入り手帳。仕事と、家と、生活のぜんぶ。

ビビる大木さんの「ほぼ日手帳」には、
仕事のこと、家族のこと、趣味のこと、
いろいろなことが書かれています。
そんな大木さんでも、
もともと書く習慣があったのではなく、
「ほぼ日手帳」に書いているうちに
書くことが増えて習慣になったのだそう。
娘さんの日々の成長を喜び、
お仕事では反省を重ねている大木さんの
「LIFEのBOOK」をのぞかせていただきました。

※『ほぼ日手帳公式ガイドブック2020』で
ビビる大木さんに取材した内容を
「ほぼ日手帳マガジン」用に編集しています。

3「俺の一年」がわかる手帳

――大木さんはどうして「ほぼ日手帳」を
続けることができているんでしょうか。
初期の頃は、使い方で悩んでましたよね?

大木帰ったら書くとか、1日の終わりに書く、
という習慣になってきたんですよね。
反省とか、その日に見たものとか、
ちょっと日記っぽくなっちゃいますけど。
書くことは特に決めてなくて、
たとえば、3月4日に書いているのが、
「ザ・たっちをボディガードに従えて
ヒップホップができないか」とか(笑)。
妻と雑談していて思いついたことで、
こんなことやってみようかなっていうネタ。
だから、ザ・たっちはその場にいないんです。

――あのふたりが左右にいたら、
狛犬みたいになりそうですね(笑)。
手帳に書く時間は、
ひとりの時が多いですか。

大木家族が寝てから、ひとりで書く日もありますね。
あとは、娘が寝る前に、
俺が手帳に書いてると
覗きに来ることがあるんですよ。
その時はいっしょに書くチャンスなんで、
なるべく娘にも手帳を渡しています。

――いっしょに書く日もあるんですね。
手帳に書いている時間って、
どんな感じなんでしょうか。
集中して手帳と向きあっているのか、
他のことをやりながらなのか。

大木ああー、意外と他のことはやってないですね。
書く時は集中してパッと書いてます。
気分としては、
「今日も書かなきゃ」みたいな
義務感を感じるような日には、
「今日はだるい」とかだけ書いておいて、
翌日に2日分まとめて書くこともあります。
なるべく休まず続けたいなと思ってるんです。

――休まず書き続けていると、
いつか読み返すのもたのしみですね。

大木「10年後に見返すぞ」みたいなことは
今のところ思ってないですけど、
単純に自分の記憶を残しておきたくて。
たとえば、2年前にやった仕事のことも、
何かとっかかりがないと
はっきり覚えていられないんですよ。
でも、手帳に書いておけば、
この仕事で誰々に会ったなとか、
ロケで高知県行ったなとかわかるんでね。
後々振り返る時にいいなと思うんです。

――必ず書いていることはありますか?

大木仕事の入り時間のスケジュールを書いて、
夜にはその日の反省を書きます。
家で何かあれば、家族日記みたいなのを
ひと言ふた言書いていることもありますね。
あとは、巨人の試合結果、観た映画、読んだ本。
その日の体調とか気分とかも気づけば書きます。
「今日は眠いな」「なんか疲れてるな」
「オフだけど、何もする気が起きないな」とかも。
書くことに正解があるわけではないですけど、
時々書いているうちに変な気分になってくるんです。
「誰かが見ることを想定して文章を書いてるのか?」
みたいなことを思う時があるんですけど、
そんな想定して書いているわけじゃないからなって、
いつも考え直しているんです。

――これは読まれたらまずいな
ということも書いてますか。

大木仕事の反省を書いてるんで。
今日のロケのあそことあそこが、
家に帰ってきて振り返ったらやっぱり納得いかないとか。
あんまりそういうことを書いておくと、
読まれた時によくないなと一瞬思っちゃうんです。
でも、見せるために書くものじゃないですからね。
仕事で納得いかないって思っているのに
それを書かないのは違うと思うんです。
ぼくの手帳は、自問自答のために書いています。
「オマエがそう思ったんなら書けよ」って
自分で自分に言いながら、
今日の仕事の納得いかない点を書くんです。

――大木さんが自問自答するための手帳ですね。
反省はよく書いていますか。

大木ロケの反省はよく書いてますね。
「今日のロケ中のキレがないな」
「ぼんやりしてた気がするな」
「いいこと言わなきゃとか、
うまいこと言わなきゃになっていた」
「歴史が絡んだロケだとしても、
ユーモアを交えることを忘れてたんじゃないか」
という反省も書いてありますね。

――そこまで熱心に
仕事に向き合っていらっしゃるんですね。

大木これは昔からの癖なんですけど、
お風呂でいつも一人で
その日の反省会をしてるんですよ。
湯船で反省して、反省が終わったら上がります。
でも、この手帳を使いだす前だったら、
風呂で反省した内容をメモしてませんでした。
そう考えてみると、20代、30代で
思いついたこともいっぱいあったはずなのに、
メモに書いてなくて忘れちゃったものが
いっぱいあったのかなって思ったんです。
20代にしか思いつけないようなことも、
きっと、いっぱいあったはずじゃないですか。
ああ、もったいないなって思うんです。

――テレビに出ている方はみなさん、
そういう反省はしているものですか。

大木人それぞれですけど、
みんな、何かしら考えていると思いますよ。
ぼくの場合、反省すべきことを書いてるだけで。
たとえば番組でMCをやっていて
会心の出来という日も時にはありますけど、
そういう日にこそ「手放しでバンザイ!」で
終わらないようにしているんですよ。
その日ぐらい喜べばいいのにって、
自分でも思うんですけど、
そこは、勝って兜の緒を締める。
「オマエがいなくても回るからな、芸能界は」
ということは、常に思っていますから。

――大木さんのポジションでも、
そんなことを考えるんですね。

大木ぼく、芸歴25年目なんですけど、
テレビだとまだ若手のポジションなんですよ。
その日の出演者を見回して
「あ、今日は俺がいちばん若いのか」
という日もありますから。
子どもの頃に観ていた芸歴20年の人なんて、
大ベテランに見えたけどなあって思います。

――いろんなことを書いたりメモしたりする習慣は、
もともとあったんでしょうか。

大木コンビ時代にはネタ帳がありました。
コンビのネタを書くだけのネタ帳があって、
そういう時にメモはしてたんですけど、
それは手帳じゃなかったんで。
「ほぼ日手帳」を使うようになってから、
書くことはかなり増えましたよ。
最初は「手帳」だから、
ネタとか思いついたことを書くものじゃないと、
勝手に思っていたんですよね。
手帳だからやっぱり予定だろう、
あとは、その日の仕事の反省文ぐらいかなと。
でも、書いているうちに変わってきました。

――はい。

大木いや、やっぱりこれは
メモになったり、手帳になったり、日記になったり、
そう変えていったほうがいいんじゃないかって。
「この手帳を見れば、俺の一年がぜんぶわかる」
ぐらいなほうがいいなと思ったんです。
仕事の手帳を分けるよりも、
「仕事も家も生活もぜんぶ、この手帳に入ってます」
というほうが、俺にとっては合ってましたね。

――たとえば、スマホで予定を管理したり
記録に残したりすることはされないんですか。

大木ちょっとしたメモはスマホに残しますけど、
そのメモの内容も、家に帰ってから、
ちゃんと手帳のほうに書きうつします。
スマホにメモしていた内容を
間違って消しちゃって困ったことがあるんで、
デジタルメモをあんまり信用してなくて。
あと、自分で書かないと頭に入ってこないんで。
俺、考え方が古いんですよ。

――自分で古いと思いますか。

大木勉強でも自分でノートに書かないと
頭に入らないって昔から言われてたんで、
たしかになと思っていたんですよね。
お笑いのメンバーを見ていても、
手書きでお笑いのネタ帳を書いてる人と、
デジタルで書いている人だったら、
手書きのメモのほうがいいっていう説が
ちょっと出てきたりしたんですよ、不思議と。

――おもしろさの違いはなぜでしょうね。
気持ちの入り方なんでしょうか。
大木さんの手帳を見せていただいて、
仕事にも家族にも趣味にも、
真面目に向き合っている姿勢が
よく表れているなあと思いました。
お忙しいところ、ありがとうございました!

大木いえいえ、ありがとうございました。

(おわります)