ビビる大木さんのぜんぶ入り手帳。仕事と、家と、生活のぜんぶ。

ビビる大木さんの「ほぼ日手帳」には、
仕事のこと、家族のこと、趣味のこと、
いろいろなことが書かれています。
そんな大木さんでも、
もともと書く習慣があったのではなく、
「ほぼ日手帳」に書いているうちに
書くことが増えて習慣になったのだそう。
娘さんの日々の成長を喜び、
お仕事では反省を重ねている大木さんの
「LIFEのBOOK」をのぞかせていただきました。

※『ほぼ日手帳公式ガイドブック2020』で
ビビる大木さんに取材した内容を
「ほぼ日手帳マガジン」用に編集しています。

1ビビる大木存在論

――大木さんは「ほぼ日手帳」を
使いはじめる前から、
手帳は使っていたのでしょうか。

大木うちの会社(ワタナベエンターテインメント)には、
社員が取引先に配っている手帳があるんですよ。
その手帳をぼくも使っていたんですけど、
そろそろ変えようかなって探していたんです。
で、そう言えば「ほぼ日手帳」って
何年も前からあったなって思い出して。

――そこで思い出していただいたんですね。

大木ちょうどその年、
増田セバスチャンさんが
カバーのデザインをしていたんで、
ためしに買ってみたんですよね。
うちのワイフ用にも同じものを買って。

――奥さまも同じカバーで?

大木「これ、もしよかったら使ってみて」って、
ふたりで使いはじめたのがスタートでしたね。
でも、最初は使い方が全然わからなくて、
どうしようか困りました。
みんなはどう使っているんだろうって
ネットで調べてみたら、
とんでもない使い方ばかり出てくるし(笑)。

――マジメに考えすぎると難しいですよね。
本当に、自由に使っていただいたら
いいんですけどねえ。

大木俺、毎日できるのかなって不安になったんです。
でも、無理に使いこなそうとすると
続かないと思ったんで、
とりあえずは、仕事の集合時間を書くとか、
以前の手帳でやっていた使い方から
試してみることにしたんです。

なんとなくスケジュールだけ書いていくうちに、
スペースが余っちゃうなって気になって、
娘の成長日記のひと言も書いてみようかなって。
そうやっているうちに、
書くことがだんだん増えていきました。
スケジュールを書こうが、
日記になろうがいいかなと思って、
なんかいろいろとメモしてました。

――たとえば、どんなことを?

大木毎月の最初にページがありますよね。
その月に見たり、聞いたり、読んだり、
いい発言だなと思うものをメモしています。
そういえばあんな言葉があったよなって
読み返すことがあります。

――途中から自分流の使い方が見つかったんですね。
大木さんの手帳、けっこう書き込んでますけど、
どんなことが書いてあるんですか。

大木覚えておこうかなっていう言葉は
忘れないように書いてますね。
テレビで観た銀座のママの名言なんですけど、
「銀座は東京のシャンデリア」
こんなの、何の役にも立たないでしょう?

――その話、大木さんは
どこかで使ったことあるんですか。

大木いや、使ってないです。
今日、ようやく日の目を見ました、1年かけて。

――役に立つばかりじゃないですよね。
ほかにはどんなことが書かれてますか。

大木たとえば、この年の4月だったら‥‥、
「いちばん強いのは長生きしたやつ」
って書いてありますね。
いちばん長生きした人が、
「あの時代でいちばん強かったのは、
みんなAって言うけど、本当はBだよ」
と言うとするじゃないですか。
結局それが定説の話になるんです。
だから、いちばん長生きした人の話が強い。
その話を聞いて、なるほどなって思って。

なんでもいいから手帳にメモしてみると、
「あ、ひょっとしたらみんな
こういうことを手帳に書いているのかな」
みたいなことがわかってきましたね。

――「勝った負けた」の話が
とりわけ多く書かれている気がするんです。

大木スポーツ番組(『SPORTSウォッチャー』)を
やらせてもらうようになってから、
勝ち負けに関する発言とか、
アスリートの考えが好きになりましたね。
もともと野球とプロレスが好きだったんで、
よく見ていたんですけど、
メモするようになったんですよね。

――書いている時間は、その日の夜ですか。

大木スケジュールは決まったものから
事前に書いておきますが、
日記とかメモは夜に振り返りながら。
あと、その日の巨人の結果も書いてます。
スコアと先発ピッチャーの名前を書いて、
あとで見返してみると、
ローテーションが見えてくるんですよね。
先週は菅野が投げたから、
今日はあのピッチャーだなって。

――大木さんの場合、
お仕事につながっている趣味がありますよね。
野球も、幕末のことも、お城のことも。
そういった好きなことって、
まとめて書いていたりするのでしょうか。

大木いや、普段からは書いてないかな。
でも、歴史絡みの仕事でどこかへ行った時に
新しく知ったことがあれば、
手帳に書くようになりましたね。
「今日、坂本龍馬の何々を見た」とか。
あっ、そうだ。
仕事について、ハッとしたことがあって。
糸井さんの言葉を読んだ時に、
これはまさに俺の存在論だと思って、
そこにメモしたんですよ。

――「ビビる大木存在論!」
日々の言葉も読んでくださってるんですね。

大木いつも読んでますよ。
こういう言葉がヒントになるんですよね。
あと、観たドラマとか、映画とかは、
タイトルを書いてますね。

――わっ、たくさん観てますね。

大木いや、まだ全然です。
数年前から年間で100本観るって
決めていたんですけど、
今見ると2017年は45本で終わってます。

――目標の半分以下だったんですね。

大木娘が生まれる前は
100本行けていたんですけどね。
こうやって過去の手帳に書いてあると、
減ったことも露骨にわかるから。
翌年はがんばろうってなります。
いくら忙しいとはいっても、
翌年は83本まで行きましたよ。

――おおっ、劇的に増えてる。
ここに書かれているのは
映画館で観たものだけですか。

大木劇場、DVD、あとは動画配信サイト。
基本的にCMが入らない、
カットされていない作品を観た本数にしています。
だから、テレビで流れている作品は、
CMが入る映画はカウントしないんです。

――集中してずっと観られるものだけですね。
他にはどんなことを書いていますか。

大木あとは、読んだ本も書くようになりました。
自分が読んだ本のタイトルを忘れちゃうので。
で、読んだ本のリストを改めて見てみると、
俺、エグい事件じゃないと
読まないんだなってわかってきました(笑)。
たとえば、凶悪殺人犯の事件で、
読み進めないと犯人が誰だかわからないとか。

――趣味嗜好が浮かび上がってきたんですね。
誰かが読んでいる本を一覧で見られるのって
おもしろいなと思いました。
たとえば「私のおすすめの一冊」だと、
旬なものとか喜ばれるものとか考えちゃいますけど、
読んだ本が並んでいると、
そこから大木さんの人物像が浮かび上がってきます。

大木読み終えた本だけを書くようにしているんですが、
「手帳に書きたいから読む」だと
目的が変わっちゃうんで、
そこだけは気を付けてます。
どうしても、去年の自分に勝ちたくなるから。

(つづきます)