LIFEのBOOK ほぼ日手帳2018 よこく

8/17
のニュース

糸井重里、ことしの思い。

ほぼ日手帳はいつも、ニュースをもたらすものでありたい。   糸井重里

ラインナップ発表をいよいよ明日にひかえた
「ほぼ日手帳2018」。
今日は、糸井重里に聞いた、
いまのほぼ日手帳への思いをご紹介します。


ほぼ日手帳をつくっている自分たちは、
手帳のことをなんでもわかっているかのように
しゃべっていることが多いんだけど、
実際にはどうも、そう思わないほうが
いいんじゃないかと気づかされた1年でした。
『ほぼ日手帳ミーティングキャラバン』
というイベントを開催して、
いろんな街でほぼ日手帳を使っている方と会いました。
ぼくが一番知りたかったのは、
「他の手帳は続かなかった人でも、
ほぼ日手帳だと続くのはどうしてですか」ということ。
大阪でこの質問をしてみたら、
「丈夫だからじゃないですか?」
という答えが返ってきてビックリしました。
ぼくたちは、すっかり基本を忘れていたんだなと。

一年中付き合っていくためには、
付き合っていても壊れたりしない、
という前提があることを思い出させてくれました。
初期の頃には、まだ自信が持てなくて、
今よりも真剣に「壊れたら大変だ」と考えていたはずが、
だんだんと「健康、丈夫」が当たり前になっていました。
会社でも「あの人は丈夫なだけだから」とかって、
ちょっと冗談にされることがあるけれど、
じつは、バカにできないことですよね。
健康で目が輝いていれば学べることはいっぱいあるし、
練習途中なことにだって取り組めるわけです。
ぼくが人間の丈夫さの価値を意識していた時期に、
ほぼ日手帳の丈夫さのことは
当たり前のように考えていたから、
「ほぼ日手帳さん、ごめんなさい!」と思わされました。

この時代にスペックを自慢するのは、
あまりカッコいいとは言えないのですが、
機能がないがしろにされていなかったということですね。
裏方としての誇りを、思い出させてくれました。
子どもの取り柄を親が知らなかったりするように、
ほぼ日手帳の中にも、自分たちを
驚かせてくれるような可能性がまだありそうです。
あとは、「日々の言葉」の存在も、
ほぼ日手帳が続く理由のひとつかもしれません。
365日分の言葉がバラエティに富んでいる手帳は、
あまり他にはないんじゃないかな。
ほぼ日刊イトイ新聞を続けることと、
ほぼ日手帳を作ることは一体化してます。
ほぼ日手帳のことばを採集できるだけの
日々の活動を続けられているって、いいなぁと思います。

ほぼ日手帳を使っている人に話を聞かせてもらうと、
使い終えた手帳を保管されていることが多いようです。
使い終わったから捨てちゃうのではなく、
照れくさいことも、恥ずかしいことも含めて残している。
これから一生の中で、
数十冊を使う人だっているかもしれませんが、
一年ごとの「LIFE」がまとまった本として
残るとしたらとても嬉しいです。
「他の手帳に浮気していました」という
告白をいただくこともよくありますが、
そういった報告が多いことも、ぼくたちの誇りです。
本命の元に帰ってきたからこそ、
「浮気した」と言えるわけですから(笑)。

いま、ほぼ日手帳について考えていることとして、
ほぼ日手帳を使っている人が、
使っていてよかったと思えるようなことを、
もっと増やしていきたいと考えています。
ほぼ日手帳のイベントに参加してくれた人の中には、
初対面同士なのに「帰りにお茶を飲んでいかない?」
といった会話が生まれることもよくあるんですね。
普通なら、他人と同じものを持つことは嫌なはず。
それが、ほぼ日手帳の場合は、
人と「かぶる」ほど友達が増えて、
チームが広がっていく感覚があるんです。
ほぼ日手帳のチームがどんどん広がっていく気がします。
「TOBICHI京都」もできたことだし、
いろんな都市でほぼ日手帳を使っている人たちと会って
交流する機会も、もっと作っていくつもりです。

ほぼ日手帳が誕生して17年目に入りますが、
ぼくたちはまだ満足しきっていません。
これから何ができるだろう、
もっと良くするにはどうしたらいいだろう、
と一年中ずっと考えています。
ほぼ日手帳のことを昔から知っている人たちに、
「今度はこう来たか!」と言われたいんです。
ことしの手帳は誰といっしょに作った、
ということもニュースですし、
これからイベントやプロモーションでも、
もっとニュースを作っていけるはずです。
9月の発売のタイミングだけじゃなく、
ニュースを絶えず送り出していきたいです。

2017年3月に「ほぼ日」が上場して、
社会的な使命も大きくなりました。
見ている人が多くなった分だけ、
ぼくたちは「丈夫さ(健康)」を土台にして、
今まで以上に新しい可能性を探していくので、
たのしみにしていてください。
ほぼ日手帳はいつも、
「いいニュース」をもたらすものでありたいと、
本当に思っています。
アイディアがあって実現させられるから、
ニュースが作れるわけです。
今までできなかったこともたくさんあったけれど、
いろいろ、いろんな角度からも、
おもしろいことができるようになってきましたよ。