STAMPSの紙上旅行 フィンランドの光 STAMPSの紙上旅行 フィンランドの光
フィンランドの光をテーマにした
「STAMPSの紙上旅行」のアイテム。
STAMPS代表の吉川修一さんに、
STAMP AND DIARYの洋服と、
抽選販売となるコレクションのヴィンテージアイテムの
解説をお願いしました。
色硝子のようなブラウスたち
はじめはカイ・フランクのデザインする
「形」に惚れたんです。
それで飾るようになったんですが、
カイ・フランクが活躍していたのは1950年代から。
今から半世紀以上も前に作られたものが
今もこんなに新鮮に使われていて、
「これ以上のデザインはもう出ない」
くらいに言われている意味が、
やっぱり使ってみるとよくわかったんです。



驚いたのは冬のある日のことでした。
冬の光って、夏の光とは違うやさしさや
ぬくもりがありますよね。
うちの家は光がちょっと強いんですけれど、
太陽があたって屈折した色ガラスの光が
部屋に拡がっているのを見た時、
なんだかすごく、癒されたんです。



光で癒されるなんて、って思いました。
そして、「そうか、
こんなところまで考えられているんだな」と、
長く暗い冬の来るフィンランドの暮らしを思いながら、
本当にびっくりしました。
雪と氷に閉ざされたなかで、
色ガラスが反射する光の美しさって、
なんていうのかな、いのちの輝きのように思えたんです。
写真
そういう、「色」と「光」に癒やされた経験が
根底にあって、考えたのが、
今回のSTAMP AND DIARYのブラウスです。
ガラスの色と光を布で表現するというのは
すっごく難しいんですけれど、
そういう思いで表現してみたい、と。



まずは素材選びでした。
透明感や、透明感の中の上品さを
表現したいと思ったときに、
ラミーという麻素材がすごく適していると思いました。
すごく繊細なんですけど、品があって。



布として、透け感が出るということもあるんですが、
透けるというより、「透明感」を表現したかった。



ラミーって、リネンと比べると少し光沢があるんです。
しかも140番という細い糸を使うので、
ちょっとキラキラしていて、
それがガラスのイメージにぴったりだと思いました。
すごく大人感も出るし、ハリもあって、
普段着にはもちろん、
ちょっとよそゆきにも着たくなるような
仕上がりになったと思います。



トップスは、素材は同じで、デザインが3つ。
色は全部で5色です。
とくにブルーや深いグリーンは、
まさにヴィンテージのグラスのような色ですよね。



今回の3つのデザインは、
どれも「ほぼ日」では初めてのご紹介です。
シルエットも、ディテールもみんな違います。
フェミニンだったり、ちょっとマニッシュだったり。
同じ生地でも、デザインと色で
こんなに変わるんだ、っていうのも楽しいですね。
写真
▲色硝子のような ラウンドカラーブラウス(ホワイト)(ダークネイビー)

17,600円(税込)
ラウンドカラーのブラウスは、
やや短めの着丈ですが、
ヒップは少し隠せるようなディテールになっています。
たっぷりのギャザーと裾に向かうフレアー、
まるく弧を描く裾のラインで、
女性らしいシルエットに。
丸襟のバランスが絶妙で、すごくいいんですよ。
写真
▲色硝子のような スタンドカラーブラウス(グレージュ)(ビリジアン)

17,600円(税込)
スタンドカラーのブラウスは、
たっぷりのギャザーとパフスリーブが特徴ですね。
ふんわりとフェミニンな雰囲気です。
写真
▲色硝子のような 2wayシャツ(ホワイト)(サックスブルー)

17,600円(税込)
そして、前後で着られる2wayシャツ。
ボタンあきを前にするとちょっとマニッシュで、
後ろにすればロールカラーのように着られる。
すごく便利な1枚だと思います。



どれも、お家で手洗いができます。
定番のボトムスを、あたらしい色で。
ボトムスは、一緒に販売するトップスに
合うようなイメージでつくりました。



パンツもスカートも、
デザインは、どちらもSTAMP AND DIARYの
定番で人気のかたちですね。



素材は、トップスと同じく麻ですが、ラミーではなく、
こちらはフランスのノルマンディー産の
40番手という太い糸を使った生地です。
シワ感も少し大人っぽく、履いていくと、
ちょっと風情のある感じになっていくはずです。
麻ならではの独特の落ち感があって、
揺れるドレープもきれいです。
写真
▲フィンランドの夏 ワイドパンツ(フォグブルー)

19,800円(税込)
パンツの一番の特徴は、やっぱり着回し。
いろんなものに合わせやすいデザインなんです。
本当にたくさんの方に使っていただいていて。



普段着としてカジュアルに使ってらっしゃる人もいますし、
アイロンをあてれば、またきちんとなりますし。
麻ってシワシワのままで着るか、
アイロンをかけるかで、まるで違う服みたいに
全然イメージが変わりますよね。
アイロンをあてれば、麻の光沢が戻って、
すこしよそゆき感が出る。
そうした違いも楽しんでいただけたらと思います。
写真
▲フィンランドの夏 スカート(ブルーモーメント)

18,700円(税込)
スカートも、定番のかたちです。
フルレングスですけれど、
生地の風合いがやわらかいので、
重い感じにはならないと思います。



パンツもスカートも色がポイントですね。
パンツは「フォグブルー」、
スカートは「ブルーモーメント」
という色名をそれぞれ付けました。
明るめのブルーと濃いブルーですけれど、
意外にブルーのボトムスって、
トップスを選ぶようで選ばないですね。
白はもちろんですけれど、濃い色も。
たとえば黒を持ってきても、
すごく大人っぽいと思います。



これ、夏に見るとすごくいい気がするんですよね。
日差しがある時に。
すごく映える色だと思います。
ダイヤモンドのような光を、
ふわりと。
今回の刺繍のシリーズは「ティマンティ」。
フィンランド語で「ダイヤモンド」という意味なんですが、
そのイメージでつくったものです。



四角い粒のようなかたちを、
白いコットンの糸で刺繍してるんですけれど、
糸の刺す方向をあえてばらばらにしてるんです。
そうすると、糸の光沢とか陰影が
複雑に反射しているように見えて、
きれいな表情が出るんですよ。



同じ刺繍で、前開きのブラウスと
プルオーバーを色違いでつくりました。
写真
▲光の刺繍 ブラウス(ホワイト)

15,950円(税込)
ブラウスは、身幅がたっぷりありますが、
袖丈が八分で手首が見えるので、
着るとすっきりとしたシルエットになります。
こちらは白のローン生地に白の刺繍。
写真
▲光の刺繍 プルオーバー(アイスグレー)

13,750円(税込)
プルオーバーは、
裾のコードでギャザーを寄せて、
シルエットを変えられます。
こちらはアイスグレーのローン生地で、
刺繍は白のコットン糸。



きちんとしたTシャツにもなりますし、
ブラウスの要素も秘めている。
シーンによって変えられるので、
最近カットソーのTシャツをあまり着ない、
という大人の女性にも
ぜひ着ていただきたいアイテムです。



コットンですから、お家で手洗いができます。
水を通すと刺繍糸がふっくら盛り上がって、
凹凸や陰影が深くなるんですよ。
ただ、一度水分を含むと
どうしても多少のシワができて、
アイロンをかけても洗濯前の状態には戻らないので、
気になる方はドライクリーニングをおすすめします。
フィンランドの日曜日を着よう。
このワンピースとスカートは、
なんと言ってもこの生地ですね。
フィンランドのアーティストの
マッティ・ピックヤムサさんが、
インテリアブランドの
Kauniste(カウニステ)のために描いた柄です。
写真
この柄は、インテリアの製品には
もうずいぶん使われているんですけれど、
洋服になるのはこれが初めてなんですよ。



インテリアのパターンはもっと大きいんです。
そのままだとかなりインパクトがあるので、
それを、洋服にするために縮尺して。



色味もちょっと調整したんです。
もっとシックな色の案もあって、
どっちもよかったんですけれど、
大きさも色も、これに落ち着きました。



京都の工場のシルクスクリーンによる
プリント技術が素晴らしくて、
マッティさんもびっくりしてました。
とくにこの、鳥の巣のグレーの部分。
なかなか思うような色が出せない、
出すのが難しいんだそうです。
「すごいね!」って感動してくれてました。



その色を出すのには、相当苦労したみたいですし、
マッティさんも喜んでくれたので、
極力、プリントが生きるように、
服のデザインはシンプルにしました。
ワンピースもスカートも、
シンプルで、飽きのこないかたち。
定番のスタイルをあえて選びました。
写真
▲日曜日のワンピース

28,600円(税込)
ワンピースは、お部屋の中で着ると、
インテリアの一部みたいになって
すごくかわいいんですよね。
もちろん外でこれくらいの大きな柄を、
着こなす感じもすごくカッコイイと思います。
写真
▲日曜日のスカート

26,400円(税込)
スカートも、ギャザーと長い着丈で、
たっぷりと布を使っています。
トップスは、Tシャツでもブラウスでも、
合わせるアイテムを選びません。



当たり前なんですけれど、
フィンランドを、すごく感じる(笑)。
この鳥モチーフも、のどかで。
柄を見てるだけでも楽しいです。
ぜひ日曜日に着てください(笑)。
お休みの日をおしゃれに。
(つづきます)
2023-04-14-FRI