さよならArne
大橋歩さんの生活用品、 「IOGグッズ」のこと。

「IOGグッズ(イオグッズ)」は、 『アルネ』らしい生活用品として 大橋歩さんが企画・発売を続けている商品たちのことです。 バッグ、キッチン道具、ポストカードなどなど、 イラストレーターの大橋歩さんがつくる「モノ」について、 大橋さんご自身から、お話をうかがいました。  また今回、数量限定ですが、 『アルネ30号(最終号)』と「IOGグッズ」のいくつかを ほぼ日ストアで販売することになりました。 大橋さんの図柄で「かわいいおまけ」もご用意。 この機会に、毎日がたのしくなる大橋さんのグッズを あなたのおうちにも招いてみませんか?
ありがとうございます、イオグッズはすべて完売いたしました。

ほぼ日ストア購入特典さよならArneコースター
さよならアルネ。対談編  2009年11月28日、三重県立美術館で 「大橋歩アーティストトーク」がひらかれました。 対談の相手は糸井重里。 150人のお客さんを前にした、約100分のお話を、 「ほぼ日」の編集でおとどけします。 どうぞ、おたのしみください。
ほぼ日 大橋さんにこうしてお会いして、
言葉にするのもさみしいのですが、
私たちがつけた今回のコンテンツのタイトルが
「さよならアルネ」ということで‥‥。
大橋 ああ、ありがとうございます。
ほぼ日 いえ、こちらこそ光栄なことです。
最終号の発売日が、12月の15日で。
大橋 はい、そうですね。
ほぼ日 その日に合わせて、
「さよならアルネ」というページを
開始したいと思っています。
内容としては、
津の美術館での糸井との公開対談を
そのままお伝えするのが
いちばんふさわしいかな、と。
大橋 はい。
でも、その対談で私、
ちゃんとお話をできるかどうか
わかりませんが(笑)。
(このインタビューは対談前に行いました)
ほぼ日 そして、それに合わせて
イオグラフィックさんで扱われている
いくつかの商品を、ほぼ日ショップで
販売をさせていただければと思っています。
大橋 そうですか、ありがとうございます。
ほぼ日 そういうわけで、今日はあらためて、
大橋さんがつくられている、
グッズについてのお話をうかがいにまいりました。
大橋 よろしくお願いします。
──どこからお話しましょう?
ほぼ日 ずっとさかのぼりまして、
そもそものお話を。
イラストレーターとしてお仕事を始めた大橋さんが
「モノ」をつくってみようと思われたのは
いつごろのことだったのでしょうか?
大橋 それは、どのへんからだったか‥‥。

ええと、順番にお話してみますね。
私は大学のころには油画科だったんです。
一浪して多摩美の油画科に入って、
入った途端に、
「私、油絵を一生続けてく気なんてあるの?」
って思っちゃったんです。
パカンって、こう、何て言うんでしょう、
何かが弾けてしまったというか、
切れてしまったというか。
ほぼ日 油絵を一生、と思わなくなったのですね。
大橋 ええ。
それで、何をしたいかな?
って考えたときに、
やっぱり私は洋服関係だったんです。
好きだったんですね。
母にいつも洋服を縫ってもらっていたことも
好きな理由だったかもしれません。
こんな形がいいって母に言うと、
それを作ってくれてたりとかしてたので。
当時はみなさん、そうっだんですけどね。

それで、
「じゃあ洋服、ファッションの方がいいね」
なんて言って、多摩美の中で
男の子3人、女の子2人の
グループをつくるんですよ。
でも集まっただけで
何も先に進まないんです。
このままじゃだめだから、
やっぱりどこか学校に行った方がいい
っていうことになって、
桑沢デザイン研究所の夜間部の
ドレスデザイン科に4人で行くんです。
ほぼ日 あ、そうだったんですね。
大橋 ところがいい加減に行くもんですから、
ひとりの男の子だけ真剣で、
他はもう、やめてしまうんです。
ほぼ日 あらら。
大橋 やめてどうしよう、
やっぱり油絵でもないし‥‥みたいな時期に、
山口はるみさんの
ファッションイラストレーションの
新聞広告を見て、ガーンときたんです。
ほぼ日 山口はるみさん。
パルコのポスターを描かれていた方ですね。
大橋 はい。
私もファッションのことが好きだし、
絵だって描いている、
だからちょうどいい!
なんて、すごく安易な発想で(笑)。
ほぼ日 山口はるみさんのような
お仕事をしたいと。
大橋 それでイラストレーションの方に
入っていったんです。
ほぼ日 そのあたりからしばらくはもう、
『平凡パンチ』の表紙を続けることに。
大橋 そうですね。
「モノ」をつくることに興味はあったんですけど、
7年半は専属のイラストレーターでした。

それで31のとき、
1971年で『平凡パンチ』が終って、
72年からフリーランスになるんです。
そのころ、
私に子どもがいるっていうこともあって、
「文章と子どもの話」とか、
「何かを作って、こんなのが可愛い」とか、
そういうお仕事の依頼を
わりといただくようになったんです。
素人なのに「じゃちょっと作ってみます」
なんて言って、いろんなものを作って、
写真を撮って、作り方もつけて。
そういう仕事もやってたんですよ。
ほぼ日 へええー、そうでしたか。
広告のお仕事の他に。
大橋 自分の身のまわりで、
「こんなのがあったらいいな」
みたいなものをつくるようになったんです。
ほぼ日 そのころなんですね、
「モノ」をつくりだしたのは。
大橋 はい、たぶんそこが原点というか。
ほぼ日 『平凡パンチ』の後なんですね。
大橋 でも別に、それを職業としようとは
思ってもみなかったんです。
なのになんだか、ここまでずっと(笑)。

 
「スタジアム」というお店
大橋 ぜんぜんご存知じゃないと思いますけど、
昔、「スタジアム」っていうお店を
やっていたんですよ。
ほぼ日 あ、そうなんですか。
大橋 青山の裏側の通りで、
なかなかみなさんが通るような
場所じゃないところにお店を借りて、
やってたんですね。
子どもの寝間着。
寝間着のお店だったんです。
ほぼ日 パジャマ。
大橋 プリントの寝間着です。
「寝間着をつくって売りたいよね」
から始まって、グラフィックデザイナーの人と
一緒にやりましょうって始めたんです。
寝間着の他にも、
ハンカチとかバッグなどをつくりました。
ほぼ日 それは、何年くらい前ですか?
大橋 うちのお子様(笑)、
42のお子様が、中学生だったから、
ええと‥‥28年くらい前かしら。
ほぼ日 そうですかぁ。
大橋 そのときからなんです、
何かモノを作って売るっていうのは。
ほぼ日 28年くらい前から。
大橋 「スタジアム」は、最終的には
大失敗するんですけど(笑)。
ほぼ日 そうでしたか。
大橋 すごい寝間着だったんですよ。
今でも「ぼろぼろになったけど持ってます」
っていう方がいらっしゃるくらい。
つくってくださったところがすばらしくて。
布はいいし、縫製はいいし、プリントもいい。
ただ、木綿じゃなきゃいけないとか、
完全に日本製じゃなきゃいけないとか、
そういう形でつくったら、
子どもの寝間着で3千円代だったんですよ。
ほぼ日 かかりますよね。
大橋 かかるんです。
でも量販店では980円とかでありますからね。
つくってくださるところと
3年間がんばったんですけど、
結局、続かなくて終わってしまうんです。
ほぼ日 はい。
大橋 夫からも、
「お前はこういうものに手を出しちゃだめ」
って言われて、
「ああ、そうだよね」って思いました。

 
「イオグラフィック」チームで
ほぼ日 その後しばらくは、
グッズをつくられなかったのですか。
大橋 クロワッサンで、
いくつかつくらせていただいたりしましたが、
そうですね、しばらくは。
ほぼ日 『アルネ』が始まるまでは。
大橋 はい。
またつくり始めたのは、
『アルネ』を創刊してからでした。
2002年の10月に1号を出して、
翌年にショッピングバッグを販売したんです。
それからは、ポストカード、マグカップ、
エプロン、Tシャツなど、いろいろと。
ほぼ日 はい、かわいいものを次々と。
『アルネ』やホームページで拝見しています。
大橋 ありがとうございます。
『アルネ』らしい生活用品を、
というつくりかたで続けてきました。
ほぼ日 いま大橋さんがつくるものは、
「イオグッズ」となっていますが、
これはやはり、
「イオグラフィック」のみなさんで
いっしょにつくられているからなのでしょうか。
大橋 そうですね。
最初のころは、
まったく自分ひとりで考えてやっていたんです。
それはもう、気がラクでした。
ほぼ日 ぜんぶ自分の責任だから。
大橋 そう、そうなんです。
でも、とにかく『アルネ』の編集がもう、
自分で何もかもやるということで
とても大変になってきて。
それで、「グッズはみんなでいっしょに」
っていうことにしてもらったんです。
ほぼ日 チームでやりはじめると、
ひとりのときとは違いますか。
大橋 私が考えたものは、
なんですか、けっこう売れないことが
多かったりするんです(笑)。
ほぼ日 そうなんですか?
大橋 最初のころは、ひとりで考えて、
実際に売れないものもあって。
「そうか、売れないのか‥‥」みたいな(笑)。

それが、みんなと話し合うことで、
まあ、ほどほどにお買い求めいただけるモノを
つくれるようになったとは思います。
ほぼ日 話し合いはどのような感じで?
大橋 まあ、わりと民主的に(笑)。
まずは基本的に大きなところからです。
「どういうテーマにする?」
っていうのを話して、
それから具体的にしていきます。
「これくらいの大きさだったら、
 これぐらいになります」
って見本を作ってもらって。
アイデアを出した子の考えを尊重したい
気持ちがあるので、
あんまり反対はしないんです。
ほぼ日 そうですか、たのしそうですね。
大橋 そうですね、
もう、ああでもない、こうでもないと。
ほぼ日 使われる方の生活シーンをイメージしながら。
大橋 うーん、でも私の場合は、
「こんなのあったらいいなあ」なんです。
ほぼ日 あ、そうでした、
やはりご自分がほしいと思うモノを。
大橋 自分なんですよ(笑)。
ほんとに、ごめんなさい。
ほぼ日 いえいえ、
大橋さんがほしいと思うモノを
みんなが使ってみたいと思うのだと思います。

そんな「イオグッズ」の商品からいくつかを、
ほぼ日で販売させていただきますね。
よろしくお願いいたします!
大橋 こちらこそ、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
ほぼ日 ありがとうございました!

下にご紹介したグッズたちは完売いたしましたが、
大橋さんのグッズたちは、ここにそのまま掲載いたします。
大橋さんがつくる「モノ」の魅力に、いつでも触れにきてくださいね。

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