PROOF OF GUILD

PROOF OF GUILD INTERVIEW

PROOF OF GUILD オーバル2wayバッグ 2022年8月4日(木)午前 11時販売開始

PROOF OF GUILDは
職人の竹内稔さんが主宰する名古屋のアトリエ兼ショップ。

お客さんと相談しながら何ヶ月もかけてつくりあげてゆく
オーダーメイドジュエリーのお店からスタートして、
ブライダルジュエリーの仕事をしています。

いまはその仕事と並行して、
どうぶつをモチーフにした真鍮のアクセサリーや
雑貨、磁器、さらにバッグなどの
布製品へと、世界をひろげています。

今回ほぼ日でご紹介することになった、
カッコよくて使いやすいバッグのことを、
名古屋市内の、小高い丘の上にある
一軒家のアトリエで、竹内さんと、
中尾光さんのおふたりからお話を聞きました。

>PROOF OF GUILDのプロフィール

ずっと、バッグが作りたかった。

▲PROOF OF GUILD、竹内稔さん。

――
バッグを作るきっかけは何だったんですか?
竹内
僕、ジュエリーの仕事を志す前、
高校生の頃なんですけど、
学校に行くためのバッグとかリュックとか、
革小物というか、そういうものを自作で、
自分で叩いて縫って作ってたんです。
――
へえ、高校生の頃に。
竹内
はい。で、そのパーツとか金具を作りたくて、
門を叩いたのがジュエリーの工房だったんです。
――
なるほど。バッグのほうが原点なんですね。
竹内
そうです。そうだったんです。
寸胴のバッグを作ってました。
で、そのジュエリーの工房で、
金具ってやっぱり、寸法通りに削って作れないと、
機能しないんですよね。
それでまず、金具より自由に作れる指輪とかで
練習しましょうっていうことになったんです。
で、指輪を作ったら、これは面白いぞ、と。
それで、ジュエリーが仕事になったんです。

ただ、ジュエリー以外のものづくりも
いつか手掛けたいな、ってずっと思ってました。
10年くらいジュエリーの仕事をしてきて、
そこから派生したものもいくつか、
真鍮のキーリングのようなアクセサリーとか
磁器、雑貨などもやってきたんですけれど、
お店をここに移転したときに、
誰かいい人いないだろうかって知り合いに相談して、
紹介してもらったのが中尾だったんですよ。
彼はバッグのメーカーで働いていたこともあるので、
そういうものができたらいいねっていうので、
プロジェクトが始まったんです。
中尾
そうなんです。
それはちょっと感動的というか、自分の中では。
竹内の、ジュエリーを作るようになった経緯、
初めて会ったときに聞かせてもらって、
そのとき、すごく嬉しかったのを覚えてます。
竹内
(笑)。

▲PROOF OF GUILD、中尾光さん。

――
おふたりがコンビを組んだのがいつごろですか?
中尾
2014年の春ですね。
で、バッグを発表したのが15年の冬です。

いいバッグのイメージを出し合って。

――
一番最初のバッグはどんなものなんですか。
中尾
あ、ちょうど今見ていただいてる、これですね。

――
じゃあ竹内さんは、
高校生の頃からバッグを作りたいと思っていて、
ようやくそういう相棒に出会って、
これ、理想の結晶みたいなことじゃないですか。
今まで考えていたことが全部ここに出てるみたいな。
竹内
そうですね。
中尾
いいバッグのイメージっていうのは、
竹内も僕も、なんとなく温めていたものがあって、
そういう話をやりとりしながら、
できていった感じです。
――
どんなふうにできあがっていったんですか。
中尾
素材がまず先に見つかったんですよね。
バッグを作るなら、素材は何にしようか考えていたとき。
竹内
コンバーチブルの車、オープンカーの幌、みたいな、
しっかりした。雨にも濡れても強そうな。
中尾
そういうものがいいねっていうので探していたら、
ちょっと紹介していただく機会があったんですよね。
竹内
それが即決に近かったんです。
あ、こういうのがいい、って。
――
ほんとに幌になるような布なんですか?
中尾
これ、帆布なんですよ。
これはこのバッグ用に加工してありますから、
このまま幌になるものではないんですけれど、
もともとの素材は、幌にも使われるようなものですね。
――
あ、帆布。帆布なんですね、元が。
中尾
そうですね。これはポリ塩化ビニール加工です。
PⅤC、ポリ塩化ビニールのシートを貼り付ける。
貼って、貼っただけだとツルツルなので、
目出しって言って、帆布の質感が出るまでこう……。
竹内
吸着するんです。
中尾
だから実際は片面PVCのシートなんですけど、
帆布のような質感に見えるんです。
――
すごい手間。バッグの内側は帆布ですか?
中尾
外側はPVC加工を施した帆布で、
内側は加工していない綿帆布の二重構造になってます。

ふつうに見えて、とくべつな金具。

竹内
僕、出張でよく東京に行ってたんですよね。
それで、もっと大きいバッグが欲しかった。
ジュエリーと着替え入れて、一泊ぐらいの量が入る、
大きなのが欲しいなって思ってるんだ、って話してね。
このサイズ感がスタートだったんですね。
中尾
そう。大きい方のこの形が決まりましたね。
竹内
これぐらいのサイズ感で、出し入れがしやすくて。
中尾
荷物がね、いっつもすごく多いんで。
ざっくりと出し入れできるように。
それで金具は、竹内が、任せてくれみたいなことで。
竹内
うん、そうなんです。
中尾
こういうのをやりたいと思ってたんだな、
みたいなところが、わかりました。はい。
やっぱり金具がオリジナルでできると、
ほんとに最後、うまくまとまるんだな、って
これを作ったときに思いました。
――
ファスナーの引き手や、ベルト調整の金具、
ボタンは、オリジナルなんですよね。
中尾
ファスナーの引き手は、ジュエリーの、
ネックレスのだるま金具を大きくした形なんです。
背景が伝わるモチーフになったかな、と思います。
竹内
金具の造形を、あんまり出したくなかったんですよね。
どっちかっていうとちゃんとパーツのような。
でもちょっと違うっていうふうなものにしたくて。
パーツが作家ものなんだよみたいな雰囲気は出したくない。
――
個性ではなく、既製のものであるかのような。
竹内
はい。極力、既製のもののように。
一体感がでるような感じにしたいんです。
でも実際は、三次元なつくりの、
鋳造でなくてはできない作り方をしています。

簡単な金具って、たい焼き方式で作って
半分で割れるようなものなんですけれど、
これはそういうのとはまったく違っていて、
ジュエリーを作る鋳造の方法で作っています。
鋳造って、ロウの原型をもとに石膏の型を作って、
その型に金属を流し込んで…、っていう、
けっこう手間のかかることをするんです。
普通に見えても、ジュエリーならではの技法なんですよ。
中尾
ボタンも、縫製品シリーズのアイコンになればいいな、
っていう気持ちもあるんです。
ブランドロゴの代わりになるような。

竹内
このボタンの付け方、学ランのボタンなんですよ。
パチンって外せる、あの学ラン方式。
この生地は縫うのがすごく大変で、
初め、試しに縫い付けてみたんですけど、
なんか、糸の質感がすごくほっこりしちゃうんですよ。
それで僕が思いついたのが、これ。
中尾
そう、最初はそういう試行錯誤もしましたね。

オーバルと2WAYで使いやすく。

――
底がオーバルって、使ってみるとすごくいいですね。
収納力もあるし。
中尾
オーバルっていうのはけっこうポイントです。
竹内
かなりたくさん入りますしね。
角がないから、破けないのもいいですし。
中尾
角から穴が開いちゃうことってあると思いますけど
これはそういう話は聞かないですね。
それから、体にフィットする感じがあったり、
電車なんかで隣の人に当たらないのもオーバルだから。
――
ショルダーと手持ちと2WAYですね。
これも荷物の多い出張を考えて、ですか?
竹内
そうですね、それはありました。
ずーっと肩にかけてると、痛くなってきますから、
手持ちのハンドルも欲しいな、と思いますよね。
中尾
使いやすいかたちを考えると、2WAY、
っていう考えは、まとまってましたよね。
電車に乗ったときに、とっさにこう、
手提げに変えられるのも便利なんですよ。

――
ポケットも内側に二つ。大きいのと小っちゃいの。
※このポケットのくだりはラージサイズのみ対応しています。
そうわかる様にしたいです。


ファスナー付きと。
ラージサイズの大きいポケットには、パソコンが、
13インチのラップトップが入るんです。
すっぽり入ります。
だからiPadなどのタブレット類は余裕で入っちゃいます。

一枚に見えるんですけど、中にもう一枚かませて、
コシを出していますから、強度もあります。
――
ほかにもポイントがありそうですね。
中尾
PVC加工をした生地は、切りっぱなしができるので、
形をすっきり作っていけるんですよ。
帆布の面とは風合いが異なるので、
部分的にチラッと見えるような表裏を活かしたデザインにしたり。
ハンドルやショルダーのところがそうです。
手が触れるほうはなめらかなシート面にしてあるので、
持った感じやお手入れもしやすくていいと思います。
――
置いたときに自立するのもいいですね。
かごみたいで、部屋にあってもいい。
中尾
そうですね。
立った姿もけっこうかわいいと思います。

使って使って、いい風合いに。

――
今回ご紹介するのは2種類、
黒ともう一つ、リネンのバッグですね。
中尾
うん、そうですね。リネン。
平織のリネンに、加工は黒の帆布と同じように
PⅤCのシート、それに目出しで布の雰囲気を出しています。
リネンの色は明るいので、
春夏とか、時期を選ぶものになりやすいんですけれど、
テストで作ってみたら、深くて良い色味になったんです。
かつ、質感とかこの霜降りの感じも出てきたので、
面白い生地ができたかなと思って、作ってみました。

竹内
年中いけそうな雰囲気になったんです。
今後もこのリネンのように、
いいなと思えるのがあれば試してみたい。
でもその中でやっぱり、黒はずっと
定番でやっていこうっていう思いがあります。
中尾
生地はどちらもオリジナルの加工を施して作っています。
元々は帆布もリネンも既製のものですけど、
PVC加工の調整は特注でお願いしています。
それがいろいろ大変なんですよ。
竹内
PVC加工を入れると、仕上がりが厚くなったり、固くなるので、
あったかい時期はいいけれど冬は縫えない、
っていうような問題が出てきたりして。
じゃあ加工前の生地の厚みはこれぐらいで、
PⅤCのシートの厚みもどれぐらいで、あと張り感をどれぐらいで、
っていうバランスと、縫えるか、縫えないか。
でもこちらとしては、これぐらいの厚みがほしい。
じゃ、帆布の糊を外そうか、とか、いろんなテストをしながら。
中尾
そのために元の生地も選び直したりとか。

竹内
リネンは、追加で作ろうと思ったときに、
おんなじ生地がなくって。
反物ごとにちょっと違うんですよね。
中尾
同じ仕様でも、作ったタイミングによって
色味が変わってくるんですね。
竹内
このときはすごくいい色ができたんです。
中尾
真鍮との色の相性がいいんですよね。このリネンは。
竹内
このリネンは、多少使って経年感が出ても、
くたびれた感じではなくて、いい雰囲気になる。
そんなふうに感じられる素材選びっていうのは
かなり意識はしてるつもりです。
中尾
秋冬の服ってどうしても暗めになるので、
これをサッと持っていただくと、差し色に。
竹内
黒いのはもう、持つ人も、場面も選びませんね。
男性でも女性でも。
お仕事でも、学生さんでも似合うと思います。
いい感じのバッグになったなあって、ほんとに。
中尾
おっきいバッグはかっこいいですよね。

――
おふたりのお気に入りのポイントは?
竹内
僕が、実際に使っていていいなと思うのは、
肩にかけたときに、おにぎり型になる、
この感じがすごく気に入ってるんです。
使い込んでいくと、布がこなれて。
――
風合いが育って、いい味が出る。
革みたいな感じになるんですよね。
中尾
黒は、特にそうですね。
――
でも革のバッグでこの大きさだと、重いですよね。
中尾
そうなんです。
でもこれは布ですし、1キロないんです。
ラージサイズでも850グラム、
ミディアムは600グラムしかないんですよね。
竹内
あと汚れが、黒は特に汚れが目立たないので、
そういう使いやすさもあると思います。
中尾
僕が気に入っているのは、
真鍮と生地、どちらも風合いの変化があることですね。
使っていけばだんだん、好きな感じになっていく、
それを楽しんでいただくのがおすすめです。
――
使い込んでいきたい、いい道具の風情がありますね。
ありがとうございました。

(おわり)

2022-07-28-THU

PROOF OF GUILDのオーバル2wayバッグ 2022年8月4日(木)午前11時販売開始

真鍮のキーリングやヘアアクセサリーもいっしょに販売します!

撮影 神ノ川智早(モデル)

大江弘之(アイテム)
モデル 坂巻弓華
スタイリング 髙品逸実
ヘアメイク 成田祥子
ロケ地 PROOF OF GUILD

PROOF OF GUILDのプロフィール

ハンドメイド・ジュエリーの職人、
竹内稔さんが主宰する名古屋のアトリエ。

お客さんと相談しながら何ヶ月もかけてつくりあげてゆく
オーダーメイドのブライダルリングをはじめ、
いまはその仕事と並行して、
どうぶつをモチーフにした真鍮のアクセサリーや
雑貨、磁器、さらに布製品へとひろがっています。

名古屋市内の、小高い丘の上にある
一軒家のアトリエを拠点に、竹内さんと、
もうひとりの職人で、布ものを得意とする
中尾光さんのふたりで運営しています。

■関連サイト

公式サイト:
http://www.proof-of-guild.com/